著者:喜多 陽平 / Kita Yohei

美容向け|AIに選ばれるためのクエリ設計ガイド

新しいスキンケアを探している人はAIに対して、いきなり「〇〇を買うべき?」と聞くとは限りません。

クエリ設計とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに対して、自社ブランドが登場してほしい質問(クエリ)を意図的に洗い出し、監視・改善の対象として登録する作業です。美容のGEO対策では、ブランド名や商品名だけを登録しても不十分です。消費者がAIに相談する「悩み・用途・比較・評判」の文脈ごとにクエリを設計することが、AIに選ばれるための起点になります。

たとえば、「敏感肌に合う美容液を教えて」「ビタミンC美容液とレチノール美容液、どちらがいい?」「A社とB社の美容液、どちらが効果的?」「〇〇の口コミは?」——このように、悩み・用途・比較・評判の文脈で相談します。Genviewでは、こうしたクエリをTOFU・MOFU・BOFUの3段階に分けて設計します。

そもそも美容でGEO対策がなぜ必要なのかは、美容向けGEOとはで解説しています。

この記事でわかること

  • TOFU・MOFU・BOFUという3段階でのクエリ設計の考え方
  • 美容で登録すべき5つの文脈
  • そのまま使えるクエリ例

この記事は、美容のGEO対策で「実際にどんなクエリを登録すればいいか」を具体的に示す実践ガイドです。美容向けGEOとはが「なぜGEO対策が必要か」を解説する概論記事だとすれば、この記事は「では何を監視すればいいか」に直接答えるものです。以下のクエリ例は、自社のブランド名・商品名に置き換えるだけで、Genviewへのクエリ登録にそのまま使えます。

1. TOFU:まだブランドを知らない段階

TOFUは、消費者がまだ具体的な商品名やブランド名を決めていない段階です。この段階では、肌悩みや利用目的に対して、自社ブランドが候補に入るかを確認します。

たとえば「敏感肌に合う美容液を教えて」「30代におすすめの美容液を教えて」のように、消費者の肌悩みや年代を起点にクエリを作ります。ここでは、まだブランド間での比較にすら至っていないことがポイントです。

ここで自社ブランドが出てこない場合、AIから見ると「その肌悩みに対する代表的な選択肢」として認識されていない可能性があります。

2. MOFU:比較・検討している段階

MOFUは、消費者が複数のブランドを比較している段階です。カテゴリ内での比較だけでなく、「〇〇と△△ならどちらがいい?」のように具体的な商品名を挙げた比較も、まだ購入を決めきっていない以上MOFUに含まれます。

この段階では、競合と比べたときに、自社ブランドが選ばれる理由をAIが説明できるかを確認します。たとえば「おすすめの美容液ブランドを比較して」「A社とB社の美容液、どちらが効果的?」「〇〇と△△ならどちらがおすすめ?」のように、カテゴリ比較・競合比較・商品名指定の比較を登録します。

MOFUでは、自社ブランドが比較候補に入っているかだけでなく、成分・価格・使用感・口コミなど、どの評価軸で語られているかを見ることが重要です。

3. BOFU:購入直前の段階

BOFUは、消費者がすでに1つの商品に絞った上で、購入直前に最後の不安を確認している段階です。他の候補との比較ではなく、「この商品でいいか」の最終確認である点がMOFUとの違いです。

この段階では、自社ブランドについて、AIが正確に説明できているかを確認します。たとえば「〇〇の口コミは?」「〇〇は敏感肌でも使える?」「〇〇の定期購入は解約しやすい?」のようなクエリです。

BOFUでは、口コミ、効果、成分、解約条件、返金保証などについて、AIが誤った情報や古い情報を出していないかを確認します。

4. 美容で登録すべきクエリの考え方

美容では、最低限以下の5つの文脈を入れるのがおすすめです。「悩み」「用途」「カテゴリ」はTOFU、「比較」はMOFU、「評判」はBOFUに相当します。

美容で登録すべき5つの文脈
文脈 目的 クエリ例
悩み 肌悩みの解決候補に入るか見る 敏感肌に合う美容液を教えて
用途 年代・利用シーンで推薦されるか見る 30代におすすめの美容液を教えて
カテゴリ 商品カテゴリ内で認識されているか見る おすすめの美容液ブランドは?
比較 競合と比べて選ばれる理由を見る A社とB社ならどちらがいい?
評判 購入前の不安に正しく答えられるか見る 〇〇の口コミは?

ブランド名や商品名だけでなく、消費者がAIに実際に相談しそうな言葉に置き換えて登録することが重要です。本記事では「スキンケア(美容液)」を例にしていますが、メイクアップ・ヘアケア・ボディケアなど、自社の主力商品が異なる場合は、上記の文脈をその商品に読み替えてクエリを設計してください。

また、美容分野に特有の注意点として、AIは成分の透明性・皮膚科医の推薦の有無を重視する傾向があるとされています。クエリ設計と合わせて、成分名・濃度・作用機序や、皮膚科医との提携実績を自社サイト上で明確に記載しておくことをおすすめします。

5. そのまま使えるクエリ例

※本記事では「スキンケア(美容液)」を例にクエリを紹介しています。実際に登録する際は、自社の主力商品に置き換えてご利用ください。

TOFU:認知段階のクエリ例

  • 敏感肌に合う美容液を教えて
  • 乾燥肌におすすめのスキンケアを教えて
  • 毛穴の開きを改善する美容液を教えて
  • 初めてスキンケアを見直す人におすすめの商品は?
  • 30代におすすめの美容液を教えて
  • ニキビ跡に効果的なスキンケアを教えて
  • 敏感肌でも使える日焼け止めを教えて
  • くすみを改善するスキンケアを教えて
  • 低刺激で続けやすい美容液を教えて
  • 成分にこだわった美容液を探しています

MOFU:比較・検討段階のクエリ例

  • おすすめの美容液ブランドを比較して
  • 敏感肌向けの美容液ブランドを比較して
  • A社とB社の美容液、どちらが効果的?
  • プチプラとデパコス、美容液はどちらがいい?
  • ビタミンC美容液とレチノール美容液、どちらがいい?
  • 皮膚科医が推薦する美容液を比較して
  • 定期購入とその都度購入、どちらがお得?
  • 口コミ評価が高い美容液を比較して
  • A社とB社ならどちらを選ぶべき?
  • 〇〇と△△ならどちらがおすすめ?

BOFU:購入決定段階のクエリ例

  • 〇〇の口コミは?
  • 〇〇の評判を教えて
  • 〇〇は本当に効果がある?
  • 〇〇は敏感肌でも使える?
  • 〇〇の定期購入は解約しやすい?
  • 〇〇の返金保証はある?
  • 〇〇はどんな肌質の人に向いている?
  • 〇〇を使うメリット・デメリットを教えて
  • 〇〇の使用感はどう?
  • 〇〇はどこで買うのが一番お得?

まとめ

  • 美容のGEO対策では、ブランド名や商品名だけを見るのではなく、消費者がAIに相談する文脈ごとにクエリを設計することが重要
  • TOFUでは、まだブランドを知らない消費者の肌悩みや年代
  • MOFUでは、カテゴリ内での比較や具体的な商品名を挙げた比較
  • BOFUでは、1商品に絞った上での購入直前の不安や評判確認
  • AIは成分の透明性・皮膚科医の推薦を重視する傾向があるため、クエリ設計と合わせて成分情報の明記も進める
  • この3段階でクエリを登録することで、AI上で自社ブランドがどのように認識・推薦・比較されているかを確認できる

よくある質問

Q: 「〇〇の口コミは?」のように自社名を含むクエリだけ登録すれば十分ですか?
A: 自社名を含むクエリ(BOFU)はAIが自社をどう説明しているかの確認に欠かせませんが、それだけでは不十分です。消費者の多くは、まだブランド名を知らない段階で「敏感肌に合う美容液」のように肌悩みで相談します。自社名を含まないTOFU・MOFUのクエリも登録することで、新規ユーザーとの接点でAIに候補として挙げてもらえているかを確認できます。
Q: 複数の商品ラインがある場合、クエリはどう登録すればいいですか?
A: 商品ラインごとにクエリを分けて登録することをおすすめします。「おすすめの美容液ブランドは?」「おすすめのクレンジングブランドは?」のように、商品カテゴリを変えた複数のクエリを登録することで、どのラインで認識されていて、どのラインで認識されていないかを把握できます。詳しくは美容向けGEOとはで解説しています。
Q: 登録したクエリで成果が出ているか、どう確認できますか?
A: Genviewでは、標準対応のChatGPT・Geminiに加え、Perplexityなどをオプションで追加すれば、登録したクエリごとの出現状況を継続的に計測できます。施策を実行した前後で、AIの説明がどう変わったか・競合ブランドとの差が縮まったかを、クエリ改善(適合・誤認識・言及なしの分類)とブランド認識改善(認識一致率)という2つの指標で数値として追えます。まずは14日間の無料トライアルで現在のAI認識を確認し、対策の出発点を把握することをおすすめします。

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