著者:喜多 陽平 / Kita Yohei

アパレル・ファッション向け|AIに選ばれるためのクエリ設計ガイド

新しい靴を探している人はAIに対して、いきなり「〇〇を買うべき?」と聞くとは限りません。

クエリ設計とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに対して、自社ブランドが登場してほしい質問(クエリ)を意図的に洗い出し、監視・改善の対象として登録する作業です。アパレル・ファッションのGEO対策では、ブランド名や商品名だけを登録しても不十分です。消費者がAIに相談する「悩み・用途・比較・評判」の文脈ごとにクエリを設計することが、AIに選ばれるための起点になります。

たとえば、「履き心地の良いスニーカーを教えて」「ランニングシューズとライフスタイルスニーカー、普段使いにはどちらがいい?」「A社とB社のスニーカー、どちらが履き心地いい?」「〇〇の口コミは?」——このように、悩み・用途・比較・評判の文脈で相談します。Genviewでは、こうしたクエリをTOFU・MOFU・BOFUの3段階に分けて設計します。

そもそもアパレル・ファッションでGEO対策がなぜ必要なのかは、アパレル・ファッション向けGEOとはで解説しています。

この記事でわかること

  • TOFU・MOFU・BOFUという3段階でのクエリ設計の考え方
  • アパレル・ファッションで登録すべき5つの文脈
  • そのまま使えるクエリ例

この記事は、アパレル・ファッションのGEO対策で「実際にどんなクエリを登録すればいいか」を具体的に示す実践ガイドです。アパレル・ファッション向けGEOとはが「なぜGEO対策が必要か」を解説する概論記事だとすれば、この記事は「では何を監視すればいいか」に直接答えるものです。以下のクエリ例は、自社のブランド名・商品名に置き換えるだけで、Genviewへのクエリ登録にそのまま使えます。

1. TOFU:まだブランドを知らない段階

TOFUは、消費者がまだ具体的な商品名やブランド名を決めていない段階です。この段階では、足の悩みや利用シーンに対して、自社ブランドが候補に入るかを確認します。

たとえば「履き心地の良いスニーカーを教えて」「幅広甲高の人におすすめのスニーカーを教えて」のように、消費者の悩みや利用シーンを起点にクエリを作ります。ここでは、まだブランド間での比較にすら至っていないことがポイントです。

ここで自社ブランドが出てこない場合、AIから見ると「その悩みに対する代表的な選択肢」として認識されていない可能性があります。

2. MOFU:比較・検討している段階

MOFUは、消費者が複数のブランドを比較している段階です。カテゴリ内での比較だけでなく、「〇〇と△△ならどちらがいい?」のように具体的な商品名を挙げた比較も、まだ購入を決めきっていない以上MOFUに含まれます。

この段階では、競合と比べたときに、自社ブランドが選ばれる理由をAIが説明できるかを確認します。たとえば「おすすめのスニーカーブランドを比較して」「A社とB社のスニーカー、どちらが履き心地いい?」「〇〇と△△ならどちらがおすすめ?」のように、カテゴリ比較・競合比較・商品名指定の比較を登録します。

MOFUでは、自社ブランドが比較候補に入っているかだけでなく、素材・価格・サイズ展開・耐久性など、どの評価軸で語られているかを見ることが重要です。

3. BOFU:購入直前の段階

BOFUは、消費者がすでに1つの商品に絞った上で、購入直前に最後の不安を確認している段階です。他の候補との比較ではなく、「この商品でいいか」の最終確認である点がMOFUとの違いです。

この段階では、自社ブランドについて、AIが正確に説明できているかを確認します。たとえば「〇〇の口コミは?」「〇〇のサイズ感は実際どう?」「〇〇の返品ポリシーは?」のようなクエリです。

BOFUでは、口コミ、サイズ感、耐久性、返品条件、配送日数などについて、AIが誤った情報や古い情報を出していないかを確認します。

4. アパレル・ファッションで登録すべきクエリの考え方

アパレル・ファッションでは、最低限以下の5つの文脈を入れるのがおすすめです。「悩み」「用途」「カテゴリ」はTOFU、「比較」はMOFU、「評判」はBOFUに相当します。

アパレル・ファッションで登録すべき5つの文脈
文脈 目的 クエリ例
悩み 足の悩みの解決候補に入るか見る 幅広甲高の人におすすめのスニーカーを教えて
用途 利用シーンで推薦されるか見る 通勤に使えるスニーカーを教えて
カテゴリ ブランドカテゴリ内で認識されているか見る おすすめのスニーカーブランドは?
比較 競合と比べて選ばれる理由を見る A社とB社ならどちらがいい?
評判 購入前の不安に正しく答えられるか見る 〇〇の口コミは?

ブランド名や商品名だけでなく、消費者がAIに実際に相談しそうな言葉に置き換えて登録することが重要です。本記事では「スニーカー」を例にしていますが、バッグ・アウター・アクセサリーなど、自社の主力商品が異なる場合は、上記の文脈をその商品に読み替えてクエリを設計してください。

また、アパレル分野に特有の注意点として、ファッションのマーケティングは歴史的にビジュアル中心ですが、AIはテキストと構造化データを解釈します。クエリ設計と合わせて、素材・対象シーン・サイズ感・足幅の目安といった情報を商品ページ上にテキストとして明記しておくことをおすすめします。

5. そのまま使えるクエリ例

※本記事では「スニーカー」を例にクエリを紹介しています。実際に登録する際は、自社の主力商品に置き換えてご利用ください。

TOFU:認知段階のクエリ例

  • 履き心地の良いスニーカーを教えて
  • 通勤に使えるスニーカーを教えて
  • 幅広甲高の人におすすめのスニーカーを教えて
  • 白スニーカーで汚れが目立ちにくいものを教えて
  • ランニングにも普段使いにも使えるスニーカーを教えて
  • 3万円以内で買えるおしゃれなスニーカーを教えて
  • 長時間歩いても疲れにくいスニーカーを教えて
  • 初めてスニーカーを選ぶ際のポイントは?
  • サステナブル素材のスニーカーを教えて
  • コーディネートしやすい定番スニーカーを教えて

MOFU:比較・検討段階のクエリ例

  • おすすめのスニーカーブランドを比較して
  • A社とB社のスニーカー、どちらが履き心地いい?
  • ランニングシューズとライフスタイルスニーカー、普段使いにはどちらがいい?
  • 天然皮革素材と合成素材、スニーカーはどちらが長持ちする?
  • 国内ブランドと海外ブランド、サイズ感はどちらが選びやすい?
  • サイズ展開が豊富なスニーカーブランドを比較して
  • 定番モデルに強いブランドを比較して
  • 返品・交換がしやすいブランドを比較して
  • A社とB社ならどちらを選ぶべき?
  • 〇〇と△△ならどちらがおすすめ?

BOFU:購入決定段階のクエリ例

  • 〇〇の口コミは?
  • 〇〇の評判を教えて
  • 〇〇のサイズ感は実際どう?
  • 〇〇は幅広の足でも履ける?
  • 〇〇はどんな人に向いている?
  • 〇〇の耐久性は良い?
  • 〇〇を買うメリット・デメリットを教えて
  • 〇〇の返品ポリシーは?
  • 〇〇の配送日数はどれくらい?
  • 〇〇はどこで買うのが一番お得?

まとめ

  • アパレル・ファッションのGEO対策では、ブランド名や商品名だけを見るのではなく、消費者がAIに相談する文脈ごとにクエリを設計することが重要
  • TOFUでは、まだブランドを知らない消費者の足の悩みや利用シーン
  • MOFUでは、カテゴリ内での比較や具体的な商品名を挙げた比較
  • BOFUでは、1商品に絞った上での購入直前の不安や評判確認
  • ファッションはビジュアル中心だが、AIはテキストしか読めないため、素材・サイズ感などのテキスト情報を商品ページに明記する
  • この3段階でクエリを登録することで、AI上で自社ブランドがどのように認識・推薦・比較されているかを確認できる

よくある質問

Q: 「〇〇の口コミは?」のように自社名を含むクエリだけ登録すれば十分ですか?
A: 自社名を含むクエリ(BOFU)はAIが自社をどう説明しているかの確認に欠かせませんが、それだけでは不十分です。消費者の多くは、まだブランド名を知らない段階で「幅広甲高の人におすすめのスニーカー」のように足の悩みで相談します。自社名を含まないTOFU・MOFUのクエリも登録することで、新規ユーザーとの接点でAIに候補として挙げてもらえているかを確認できます。
Q: シーズンごとにモデルが変わる場合、クエリはどう登録すればいいですか?
A: シーズンごとにクエリを見直すことをおすすめします。「春夏モデルでおすすめのスニーカーは?」のように季節を組み合わせたクエリを、シーズンの切り替わりごとに登録・更新することで、常に最新モデルでAIの推薦候補として認識されているかを確認できます。詳しくはアパレル・ファッション向けGEOとはで解説しています。
Q: 登録したクエリで成果が出ているか、どう確認できますか?
A: Genviewでは、標準対応のChatGPT・Geminiに加え、Perplexityなどをオプションで追加すれば、登録したクエリごとの出現状況を継続的に計測できます。施策を実行した前後で、AIの説明がどう変わったか・競合ブランドとの差が縮まったかを、クエリ改善(適合・誤認識・言及なしの分類)とブランド認識改善(認識一致率)という2つの指標で数値として追えます。まずは14日間の無料トライアルで現在のAI認識を確認し、対策の出発点を把握することをおすすめします。

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