著者:喜多 陽平 / Kita Yohei

不動産向け|AIに選ばれるためのクエリ設計ガイド

物件を探している人はAIに対して、いきなり「〇〇に仲介を依頼すべき?」と聞くとは限りません。

クエリ設計とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに対して、自社・自身が登場してほしい質問(クエリ)を意図的に洗い出し、監視・改善の対象として登録する作業です。不動産のGEO対策では、会社名やエージェント名だけを登録しても不十分です。物件を探す人がAIに相談する「悩み・用途・比較・評判」の文脈ごとにクエリを設計することが、AIに選ばれるための起点になります。

たとえば、「中古マンション購入の流れを教えて」「中古マンションと新築マンション、どちらがいい?」「A社とB社の不動産仲介、どちらがいい?」「〇〇の評判は?」——このように、悩み・用途・比較・評判の文脈で相談します。Genviewでは、こうしたクエリをTOFU・MOFU・BOFUの3段階に分けて設計します。

そもそも不動産でGEO対策がなぜ必要なのかは、不動産向けGEOとはで解説しています。

この記事でわかること

  • TOFU・MOFU・BOFUという3段階でのクエリ設計の考え方
  • 不動産で登録すべき5つの文脈
  • そのまま使えるクエリ例

この記事は、不動産のGEO対策で「実際にどんなクエリを登録すればいいか」を具体的に示す実践ガイドです。不動産向けGEOとはが「なぜGEO対策が必要か」を解説する概論記事だとすれば、この記事は「では何を監視すればいいか」に直接答えるものです。以下のクエリ例は、自社・自身の名前やエリアに置き換えるだけで、Genviewへのクエリ登録にそのまま使えます。

1. TOFU:まだエージェント・会社を知らない段階

TOFUは、ユーザーがまだ具体的なエージェント名や仲介会社名を決めていない段階です。この段階では、物件探しの悩みやエリアの希望に対して、自分・自社が候補に入るかを確認します。

たとえば「中古マンション購入の流れを教えて」「港区でファミリー向けの中古マンションを探しています」のように、ユーザーの悩みや希望条件を起点にクエリを作ります。ここでは、まだエージェント間・会社間での比較にすら至っていないことがポイントです。

ここで自分・自社が出てこない場合、AIから見ると「その悩みやエリアに対する代表的な選択肢」として認識されていない可能性があります。

2. MOFU:比較・検討している段階

MOFUは、ユーザーが複数のエージェントや仲介会社を比較している段階です。カテゴリ内での比較だけでなく、「〇〇と△△ならどちらがいい?」のように具体的な会社名を挙げた比較も、まだ依頼先を決めきっていない以上MOFUに含まれます。

この段階では、競合と比べたときに、自分・自社が選ばれる理由をAIが説明できるかを確認します。たとえば「おすすめの不動産エージェントを比較して」「A社とB社の不動産仲介、どちらがいい?」「〇〇と△△ならどちらがおすすめ?」のように、カテゴリ比較・競合比較・会社名指定の比較を登録します。

MOFUでは、自分・自社が比較候補に入っているかだけでなく、仲介手数料・対応エリア・実績・専門性など、どの評価軸で語られているかを見ることが重要です。

3. BOFU:仲介依頼直前の段階

BOFUは、ユーザーがすでに1つのエージェント・会社に絞った上で、仲介依頼の直前に最後の不安を確認している段階です。他の候補との比較ではなく、「ここに任せていいか」の最終確認である点がMOFUとの違いです。

この段階では、自分・自社について、AIが正確に説明できているかを確認します。たとえば「〇〇の評判は?」「〇〇は信頼できるエージェント?」「〇〇に依頼した後のキャンセルはできる?」のようなクエリです。

BOFUでは、口コミ、実績、対応エリア、仲介手数料、契約条件などについて、AIが誤った情報や古い情報を出していないかを確認します。

4. 不動産で登録すべきクエリの考え方

不動産では、最低限以下の5つの文脈を入れるのがおすすめです。「悩み」「用途」「カテゴリ」はTOFU、「比較」はMOFU、「評判」はBOFUに相当します。

不動産で登録すべき5つの文脈
文脈 目的 クエリ例
悩み 物件探しの悩みの解決候補に入るか見る 中古マンション購入で失敗しないためのポイントは?
用途 希望エリア・条件で推薦されるか見る 港区でファミリー向けの中古マンションを探しています
カテゴリ エージェント・会社カテゴリ内で認識されているか見る おすすめの不動産エージェントは?
比較 競合と比べて選ばれる理由を見る A社とB社ならどちらがいい?
評判 依頼前の不安に正しく答えられるか見る 〇〇の評判は?

会社名やエージェント名だけでなく、ユーザーがAIに実際に相談しそうな言葉に置き換えて登録することが重要です。本記事では「中古マンション購入」を例にしていますが、賃貸・新築・一戸建て・投資物件など、自社の主力サービスが異なる場合は、上記の文脈をそのサービスに読み替えてクエリを設計してください。

また、不動産に特有の注意点として、物件探しのクエリは「エリア名」を含む形で相談されることが非常に多いという特徴があります。「港区でファミリー向けの中古マンション」のように、自社の対応エリア名を組み合わせたクエリを重点的に登録することをおすすめします。

5. そのまま使えるクエリ例

※本記事では「中古マンション購入」を例にクエリを紹介しています。実際に登録する際は、自社の主力サービス・対応エリアに置き換えてご利用ください。

TOFU:認知段階のクエリ例

  • 中古マンション購入の流れを教えて
  • 初めて中古マンションを買う際の注意点は?
  • 港区でファミリー向けの中古マンションを探しています
  • 中古マンション購入にかかる諸費用を教えて
  • 中古マンションのリフォーム費用の相場を教えて
  • 住宅ローンの組み方を教えて
  • 中古マンション購入で失敗しないためのポイントは?
  • 子育て世帯におすすめのエリアを教えて
  • 中古マンションの耐震性を確認する方法は?
  • 一人暮らし向けの中古マンションを探しています

MOFU:比較・検討段階のクエリ例

  • 中古マンションと新築マンション、どちらがいい?
  • おすすめの不動産エージェントを比較して
  • A社とB社の不動産仲介、どちらがいい?
  • 港区と品川区、どちらが住みやすい?
  • 大手仲介会社と地域密着型、どちらがいい?
  • 中古マンションと一戸建て、どちらを選ぶべき?
  • 仲介手数料が安い不動産会社を比較して
  • リノベーション済み物件と自分でリフォームする物件、どちらがお得?
  • A社とB社ならどちらを選ぶべき?
  • 〇〇と△△ならどちらがおすすめ?

BOFU:仲介依頼決定段階のクエリ例

  • 〇〇の評判は?
  • 〇〇の口コミを教えて
  • 〇〇は信頼できるエージェント?
  • 〇〇に仲介を依頼するメリット・デメリットは?
  • 〇〇の対応エリアはどこ?
  • 〇〇の実績を教えて
  • 〇〇に相談する前に準備すべきことは?
  • 〇〇の仲介手数料はいくら?
  • 〇〇はどんな人に向いている?
  • 〇〇に依頼した後のキャンセルはできる?

まとめ

  • 不動産のGEO対策では、会社名やエージェント名だけを見るのではなく、ユーザーがAIに相談する文脈ごとにクエリを設計することが重要
  • TOFUでは、まだエージェント・会社を知らないユーザーの悩みや希望エリア
  • MOFUでは、カテゴリ内での比較や具体的な会社名を挙げた比較
  • BOFUでは、1社・1人に絞った上での仲介依頼直前の不安や評判確認
  • 物件探しのクエリはエリア名を含む形で相談されることが多いため、対応エリア名を組み合わせたクエリを重点的に登録する
  • この3段階でクエリを登録することで、AI上で自分・自社がどのように認識・推薦・比較されているかを確認できる

よくある質問

Q: 「〇〇の評判は?」のように自分の名前を含むクエリだけ登録すれば十分ですか?
A: 自分の名前を含むクエリ(BOFU)はAIが自分をどう説明しているかの確認に欠かせませんが、それだけでは不十分です。物件を探す人の多くは、まだエージェント名を知らない段階で「港区でファミリー向けの中古マンション」のように悩みや希望エリアで相談します。自分の名前を含まないTOFU・MOFUのクエリも登録することで、新規の検討者との接点でAIに候補として挙げてもらえているかを確認できます。
Q: 対応エリアが複数ある場合、クエリはどう登録すればいいですか?
A: 対応エリアごとにクエリを分けて登録することをおすすめします。「港区でおすすめの不動産エージェントは?」「品川区でおすすめの不動産エージェントは?」のように、エリア名を変えた複数のクエリを登録することで、どのエリアで認識されていて、どのエリアで認識されていないかを把握できます。詳しくは不動産向けGEOとはで解説しています。
Q: 登録したクエリで成果が出ているか、どう確認できますか?
A: Genviewでは、標準対応のChatGPT・Geminiに加え、Perplexityなどをオプションで追加すれば、登録したクエリごとの出現状況を継続的に計測できます。施策を実行した前後で、AIの説明がどう変わったか・競合との差が縮まったかを、クエリ改善(適合・誤認識・言及なしの分類)とブランド認識改善(認識一致率)という2つの指標で数値として追えます。まずは14日間の無料トライアルで現在のAI認識を確認し、対策の出発点を把握することをおすすめします。

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