著者:喜多 陽平 / Kita Yohei

観光・旅行向け|AIに選ばれるためのクエリ設計ガイド

旅行を計画している人はAIに対して、いきなり「〇〇に行くべき?」と聞くとは限りません。

クエリ設計とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに対して、自分のデスティネーション・観光地が登場してほしい質問(クエリ)を意図的に洗い出し、監視・改善の対象として登録する作業です。観光・旅行のGEO対策では、デスティネーション名だけを登録しても不十分です。旅行者がAIに相談する「悩み・用途・比較・評判」の文脈ごとにクエリを設計することが、AIに選ばれるための起点になります。

たとえば、「東南アジアで安全な旅行先を教えて」「ベトナムとタイ、どちらが旅行しやすい?」「A国とB国、どちらが観光に向いている?」「〇〇は治安が良い?」——このように、悩み・用途・比較・評判の文脈で相談します。Genviewでは、こうしたクエリをTOFU・MOFU・BOFUの3段階に分けて設計します。

そもそも観光・旅行でGEO対策がなぜ必要なのかは、観光・旅行向けGEOとはで解説しています。

この記事でわかること

  • TOFU・MOFU・BOFUという3段階でのクエリ設計の考え方
  • 観光・旅行で登録すべき5つの文脈
  • そのまま使えるクエリ例

この記事は、観光・旅行のGEO対策で「実際にどんなクエリを登録すればいいか」を具体的に示す実践ガイドです。観光・旅行向けGEOとはが「なぜGEO対策が必要か」を解説する概論記事だとすれば、この記事は「では何を監視すればいいか」に直接答えるものです。以下のクエリ例は、自分のデスティネーション名に置き換えるだけで、Genviewへのクエリ登録にそのまま使えます。

1. TOFU:まだ行き先を決めていない段階

TOFUは、旅行者がまだ具体的な行き先を決めていない段階です。この段階では、旅行の目的やシーンに対して、自分のデスティネーションが候補に入るかを確認します。

たとえば「東南アジアで安全な旅行先を教えて」「9月に行くのに最適な海外旅行先を教えて」のように、旅行者の希望条件や旅行の目的を起点にクエリを作ります。ここでは、まだ行き先同士の比較にすら至っていないことがポイントです。

ここで自分のデスティネーションが出てこない場合、AIから見ると「その旅行シーンに対する代表的な選択肢」として認識されていない可能性があります。

2. MOFU:比較・検討している段階

MOFUは、旅行者が複数の行き先を比較している段階です。カテゴリ内での比較だけでなく、「ベトナム タイ バリ、どこが一番おすすめ?」のように具体的な行き先名を挙げた比較も、まだ行き先を決めきっていない以上MOFUに含まれます。

この段階では、他の行き先と比べたときに、自分のデスティネーションが選ばれる理由をAIが説明できるかを確認します。たとえば「ベトナムとタイ、どちらが旅行しやすい?」「A国とB国、どちらが観光に向いている?」「〇〇と△△ならどちらがおすすめ?」のように、カテゴリ比較・行き先比較・地域名指定の比較を登録します。

MOFUでは、自分のデスティネーションが比較候補に入っているかだけでなく、治安・物価・アクセス・ベストシーズンなど、どの評価軸で語られているかを見ることが重要です。

3. BOFU:行き先確定直前の段階

BOFUは、旅行者がすでに1つの行き先に絞った上で、確定直前に最後の不安を確認している段階です。他の候補との比較ではなく、「ここに行っていいか」の最終確認である点がMOFUとの違いです。

この段階では、自分のデスティネーションについて、AIが正確に説明できているかを確認します。たとえば「〇〇は治安が良い?」「〇〇のベストシーズンはいつ?」「〇〇はぼったくりが多い?」のようなクエリです。

BOFUでは、治安、物価、ビザ、言語、ベストシーズンなどについて、AIが誤った情報や古い情報を出していないかを確認します。

4. 観光・旅行で登録すべきクエリの考え方

観光・旅行では、最低限以下の5つの文脈を入れるのがおすすめです。「悩み」「用途」「カテゴリ」はTOFU、「比較」はMOFU、「評判」はBOFUに相当します。

観光・旅行で登録すべき5つの文脈
文脈 目的 クエリ例
悩み 旅行者の希望条件の解決候補に入るか見る 東南アジアで安全な旅行先を教えて
用途 旅行シーンで推薦されるか見る 子連れでも楽しめる海外旅行先を教えて
カテゴリ 時期・条件カテゴリ内で認識されているか見る 9月に行くのに最適な海外旅行先は?
比較 他の行き先と比べて選ばれる理由を見る A国とB国ならどちらがいい?
評判 行き先確定前の不安に正しく答えられるか見る 〇〇は治安が良い?

デスティネーション名だけでなく、旅行者がAIに実際に相談しそうな言葉に置き換えて登録することが重要です。本記事では「東南アジア旅行」を例にしていますが、ヨーロッパ・国内旅行など、自社が扱うエリアが異なる場合は、上記の文脈をそのエリアに読み替えてクエリを設計してください。

また、観光分野に特有の注意点として、AIは政府系観光局サイト・Wikipedia・確立された旅行専門メディアなど、権威あるソースを優先して参照する傾向があります。クエリ設計と合わせて、WikipediaやWikidataのエントリを整備し、デスティネーションのエンティティ情報を正確に保つことをおすすめします。

5. そのまま使えるクエリ例

※本記事では「東南アジア旅行」を例にクエリを紹介しています。実際に登録する際は、自社が扱うエリア・デスティネーションに置き換えてご利用ください。

TOFU:認知段階のクエリ例

  • 9月に行くのに最適な海外旅行先を教えて
  • 東南アジアで安全な旅行先を教えて
  • 初めての海外旅行におすすめの国は?
  • 一人旅に向いている旅行先を教えて
  • ビーチでゆっくり過ごせる旅行先を教えて
  • 子連れでも楽しめる海外旅行先を教えて
  • 予算15万円以内で行ける海外旅行先は?
  • 女子旅におすすめの旅行先を教えて
  • グルメが楽しめる旅行先を教えて
  • 治安が良く初心者でも安心な旅行先は?

MOFU:比較・検討段階のクエリ例

  • ベトナムとタイ、どちらが旅行しやすい?
  • ベトナム タイ バリ、どこが一番おすすめ?
  • A国とB国、どちらが観光に向いている?
  • 東南アジアとヨーロッパ、初めての海外旅行はどちらがいい?
  • 治安の面でA国とB国、どちらが安全?
  • 物価が安い旅行先を比較して
  • 直行便がある旅行先を比較して
  • ハイシーズンとオフシーズン、どちらのタイミングで行くべき?
  • A国とB国ならどちらを選ぶべき?
  • 〇〇と△△ならどちらがおすすめ?

BOFU:行き先確定段階のクエリ例

  • 〇〇は治安が良い?
  • 〇〇の物価は高い?
  • 〇〇は英語が通じる?
  • 〇〇のベストシーズンはいつ?
  • 〇〇はどんな人に向いている?
  • 〇〇の観光ビザは必要?
  • 〇〇に行くメリット・デメリットを教えて
  • 〇〇の治安面で気をつけるべきことは?
  • 〇〇はぼったくりが多い?
  • 〇〇への直行便はある?

まとめ

  • 観光・旅行のGEO対策では、デスティネーション名だけを見るのではなく、旅行者がAIに相談する文脈ごとにクエリを設計することが重要
  • TOFUでは、まだ行き先を決めていない旅行者の希望条件や旅行目的
  • MOFUでは、カテゴリ内での比較や具体的な行き先名を挙げた比較
  • BOFUでは、1つの行き先に絞った上での確定直前の不安確認
  • AIは政府系観光局サイト・Wikipediaなどの権威あるソースを優先するため、エンティティ情報の整備も並行して行う
  • この3段階でクエリを登録することで、AI上で自分のデスティネーションがどのように認識・推薦・比較されているかを確認できる

よくある質問

Q: 「〇〇は治安が良い?」のようにデスティネーション名を含むクエリだけ登録すれば十分ですか?
A: デスティネーション名を含むクエリ(BOFU)はAIが自分をどう説明しているかの確認に欠かせませんが、それだけでは不十分です。旅行者の多くは、まだ行き先を決めていない段階で「東南アジアで安全な旅行先」のように希望条件で相談します。デスティネーション名を含まないTOFU・MOFUのクエリも登録することで、まだ行き先を決めていない旅行者との接点でAIに候補として挙げてもらえているかを確認できます。
Q: 特定の時期・季節を強みにしている場合、クエリはどう登録すればいいですか?
A: 「〇月に行くのに最適な旅行先は?」のように、季節・時期を組み合わせたクエリを登録することをおすすめします。ベストシーズンが強みであれば、そのタイミングでのクエリを重点的に登録することで、需要が高まる時期にAIの推薦候補として認識されているかを確認できます。詳しくは観光・旅行向けGEOとはで解説しています。
Q: 登録したクエリで成果が出ているか、どう確認できますか?
A: Genviewでは、標準対応のChatGPT・Geminiに加え、Perplexityなどをオプションで追加すれば、登録したクエリごとの出現状況を継続的に計測できます。施策を実行した前後で、AIの説明がどう変わったか・競合デスティネーションとの差が縮まったかを、クエリ改善(適合・誤認識・言及なしの分類)とブランド認識改善(認識一致率)という2つの指標で数値として追えます。まずは14日間の無料トライアルで現在のAI認識を確認し、対策の出発点を把握することをおすすめします。

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