著者:喜多 陽平(Genview チームリーダー / 株式会社FID) 公開:2026-06-02

サイテーションマーケティングとは、第三者メディア、比較サイト、コミュニティなど、自社サイト以外の場所で企業・ブランド・サービスがどのように言及・紹介されているかを把握し、必要に応じて情報発信やPRなどを通じて外部情報を整えていく活動のことです。

英語表記:Citation Marketing(読み方はサイテーションマーケティング)

「サイテーションマーケティング」は、現時点でマーケティング業界全体で定義が統一された標準用語ではありません。このページでは、GenviewがGEOの文脈で使っている意味と、混同しやすい言葉との違いをまとめます。

この言葉の基本

サイテーションマーケティングという言葉の読み方・対象・混同しやすい言葉

項目 内容
英語表記Citation Marketing
読み方サイテーションマーケティング
用語の位置づけ業界で統一された標準用語ではない(このページの定義はGenviewでの使い方)
対象になる場所第三者メディア、業界サイト、比較サイト、レビューサイト、コミュニティ、SNS
対象になり得る活動の例第三者メディアへの企業・サービス情報の提供、プレスリリースや取材対応、比較サイトや企業データベースの掲載内容の確認、口コミやSNSでのブランド言及の確認
混同しやすい言葉サイテーション、AI引用、リンクビルディング

たとえば、公式サイトでは「法人向けサービス」と説明しているのに、外部の比較サイトでは古い情報のまま「個人向けサービス」と紹介されていることがあります。こうした外部の情報を確認し、可能であれば正しい情報へ更新してもらうことも、この言葉の対象に含まれます。単純に掲載数を増やすことを指す言葉ではありません。

「サイテーション」という言葉が使われる文脈

Citationは、日本語では「引用」「参照」などと訳されます。デジタルマーケティングでは、文脈によって指すものが変わります。

文脈ごとの「サイテーション」の意味

文脈 指すもの
ローカルSEO企業名・店舗名・住所・電話番号などが、外部サイトやディレクトリに掲載されている状態
ブランドマーケティング・PR企業名・ブランド名・商品名などが、第三者の記事やSNSで言及されること
生成AI・AI検索AIの回答の中で、情報源やURLが示されること

サイテーションマーケティングは、このうち特定の1つだけを指す言葉ではなく、自社サイトの外にある自社の情報全体を扱います。

リンクビルディングとの違い

リンクビルディングは、一般に外部サイトから自社サイトへのリンク獲得を扱うSEO施策です。サイテーションマーケティングは、リンクの有無だけを対象にしません。ブランド名の記載、商品・サービス内容の説明、料金や対象者の紹介、他社との比較記事への掲載なども確認の対象になります。

「被リンクを増やす活動」と「外部で自社がどう語られているかを把握・整備する活動」は、重なる場面はありますが同じものではありません。

似た言葉との関係

サイテーション、ブランド言及、第三者メディア掲載、AI引用は関連していますが、同じ意味ではありません。

サイテーション・ブランド言及・第三者メディア掲載・AI引用の違い

用語 意味
サイテーション文脈によって意味が異なる。外部で企業・ブランド情報が掲載・参照されている状態などを指す
ブランド言及企業名・ブランド名・商品名などが、記事・SNS・コミュニティ・AI回答などに登場すること
第三者メディア掲載自社以外が運営するニュース、業界メディア、比較サイトなどに、企業・サービス情報が載ること
AI引用生成AI・AI検索の回答で、情報源やURLなどがユーザーに示されること
サイテーションマーケティングこれらを含む外部情報の状況を把握し、必要に応じて情報提供・PR・修正などを行う活動

ある業界メディアで自社サービスが紹介されれば、それは「第三者メディア掲載」で、記事にブランド名があれば「ブランド言及」でもあります。しかし、その記事があるからといって、生成AIがそのページを実際に参照したり、回答で引用元として表示したりするとは限りません。

GEO対策における位置づけ

GEOでは、自社サイトの内容だけでなく、AIの回答や第三者サイトで自社がどう説明・言及されているかも確認の対象になります。確認すると、たとえば次のような状態が見つかることがあります。

  • 公式サイトには最新の料金が載っているが、比較サイトには旧料金が残っている
  • 自社が伝えている主な強みと、外部メディアで紹介されている特徴が違う
  • AIの回答が、自社サイトではなく第三者サイトの説明を根拠にしている

サイテーションマーケティングは、こうした外部の情報を把握するための言葉です。どの情報源が回答に使われるかは、AIサービス、質問、回答した時点によって異なります。

AIの回答で情報源として示される引用そのものは、AI引用とはで解説しています。

よくある誤解

掲載数を増やせばAIに引用される

第三者サイトへの掲載数やブランド言及数が増えても、それだけでAIの引用や推薦が増えるとは限りません。掲載数は、実際のAI回答や引用元とは分けて確認するものです。

第三者サイトに載れば、AIがその情報を使う

第三者掲載は「Web上に外部情報がある状態」で、「AIが実際に参照・引用した状態」とは別のことです。

外部の情報は多いほどよい

外部の情報が多くても、古かったり公式情報と食い違っていたりすることがあります。料金、対応機能、対象顧客、企業名・サービス名などは、更新で内容が変わりやすい情報です。

サイテーションマーケティングに関連する用語

サイテーションマーケティングに関連する用語と、その意味

用語 意味
サイテーション文脈によって、引用・参照や、外部での企業情報の掲載などを指す言葉
Entity人・企業・ブランド・商品など、固有の意味を持つものとして識別される対象
共起あるブランドや概念が、他の語や概念と一緒に登場すること
ソースの多様性回答や情報確認に使われる情報源が、どれだけ多様かを考えるときの概念

よくある質問

Q サイテーションマーケティングは一般的に確立した用語ですか?

A

現時点では、マーケティング業界全体で定義が統一された標準用語とはいえません。「citation」という言葉自体はSEO、ローカルSEO、AI検索などで使われていますが、意味は文脈によって異なります。

Q サイテーションとサイテーションマーケティングは同じですか?

A

違います。サイテーションは、外部で企業情報が掲載・言及されている状態や、AI回答で情報源が示されることなどを指す言葉です。サイテーションマーケティングは、そうした外部の情報を把握し、整えていく活動を指します。

Q サイテーションマーケティングとリンクビルディングは同じですか?

A

同じではありません。リンクビルディングは、主に外部サイトから自社サイトへのリンク獲得を扱います。サイテーションマーケティングは、リンクの有無に限らず、企業・ブランドが外部でどう掲載・言及されているかを扱います。