著者:喜多 陽平(Genview チームリーダー / 株式会社FID) 公開:2026-06-02 更新:2026-09-25

Knowledge Graph とは、人・企業・場所・製品などと、その関係をつないで持っているデータベースです。

英語表記:Knowledge Graph(ナレッジグラフ)

このページでわかること

  • Knowledge Graph が何を持っているデータベースか
  • その情報がどこから集まるのか
  • 検索結果に出るナレッジパネルとの関係
  • GEOの文脈で語られる理由と、確かめられていないこと

Knowledge Graphとは

言葉の一覧ではなく、関係の網として情報を持っているデータベースです。「A社はB業界に属し、C氏が創業し、D製品を提供している」という形で、対象どうしのつながりを保持します。

Googleは2012年にこの仕組みを発表しました。検索を「文字列」ではなく「物事」として扱う、という説明がされています。

情報はどこから集まるのか

主な情報源は次のとおりです。

  • Wikipedia:影響が大きい情報源のひとつ。ナレッジパネルの説明文は、長らくその冒頭から引かれてきました
  • Wikidata:Wikipedia の構造化された版。項目どうしの関係を機械が読める形で持っています
  • 公式サイトの構造化データ:Organizationスキーマなどで、自社の情報を書き添えたもの
  • 外部での言及:他のサイトでどう書かれているか

自社から直接登録する窓口はありません。公式サイトに正しく書き、外部の情報と食い違わない状態を作る、という間接的な関わり方になります。

ナレッジパネルとの関係

ブランド名や人名で検索したときに、画面の右側(スマートフォンでは上部)に出る情報のまとまりがナレッジパネルです。Googleの説明によれば、Knowledge Graph の情報をもとに自動で作られます。

ナレッジパネルは Knowledge Graph の表示のされ方であって、別のものではありません。申請して出すものでもありません。

Knowledge Graph とナレッジパネルの関係

項目 Knowledge Graph ナレッジパネル
何か 情報を持っているデータベース その情報の見せ方
どこにあるか 検索の裏側 検索結果の画面
出ていないとき 認識されていないとは限らない 表示の条件は公開されていない

ナレッジパネルが出ていなくても、対象として認識されていないとは限りません。表示の条件はGoogleが公開していないためです。

GEO対策における位置づけ

GEOの文脈では、Entityの土台として語られます。AIが「この会社は何者か」を扱うときに、こうした外部の知識が使われていると考えられているためです。

ただし、各AIがどこまで参照しているかは公表されていません。ナレッジパネルの有無で引用が変わるかも、私たちは確かめていません。

確かめられるのは、自社の側でできることだけです。公式サイトに運営者の情報を正しく書き、外部の記載と食い違わないようにする。ここはE-E-A-Tの信頼性の話と重なります。

外部の知識が、AI検索の回答の中でどう使われるかの全体の流れは、AI検索の仕組みとはで解説しています。

Genviewによる定義

私たちは Knowledge Graph を「自社の外側にある、会社や人のつながりの記録」として扱っています。直接書き換えられない場所にある情報なので、自社サイトの記載と外部の記載をそろえることが、関わり方になります。

この定義は私たちの見方で、業界の総意ではありません。

よくある誤解

ナレッジパネルは申請すれば表示される

申請の窓口はありません。Knowledge Graph の情報とWeb上の情報から自動で作られます。すでに表示されている場合に、内容の修正を提案する仕組みはあります。

ナレッジパネルが出ていないと、AIに認識されていない

そうとは限りません。表示の条件は公開されておらず、パネルが出ていなくても回答に名前が出ることはあります。

SEOの話で、GEOには関係ない

由来は検索の仕組みですが、AIが会社や人を扱うときの土台としても語られます。ただし、どのAIがどこまで使っているかは公表されていません。

Wikipedia のページを作れば登録される

Wikipedia は情報源のひとつですが、作れば必ず反映されるわけではありません。掲載の基準は Wikipedia 側にあり、宣伝目的の記事は削除されます。

上位概念・下位概念・関連語

  • Entity:企業や人を1つのまとまりとして扱う考え方
  • Organizationスキーマ:自社サイトから組織の情報を書き添える実装
  • sameAs:外部のデータベースと結びつける項目
  • Grounding:AIが答えを外部の情報に結びつけること
  • E-E-A-T:信頼性の観点。記載の食い違いをなくす話と重なる

よくある質問

Q 何から手をつけるのがよいですか?

A

自社サイトの運営者情報と Organizationスキーマを整えるところからです。そのうえで、公式SNSや外部データベースのURLを sameAs に書き、外部の記載と食い違いがないかを確認します。

Q ナレッジパネルの内容が間違っているときは直せますか?

A

表示されている場合は、Googleに修正を提案する仕組みがあります。ただし提案がそのまま通るとは限りません。元になっている情報源(自社サイトや外部の記載)を直すほうが確実です。

Q AIが Knowledge Graph を使っているかは分かりますか?

A

外からは分かりません。各社とも、どの情報源をどう使っているかを公開していません。確かめられるのは、実際の回答に自社がどう出ているかだけです。