著者:喜多 陽平 / Kita Yohei
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オリジナルリサーチ(Original Research)とは、企業や著者自身が調査・観察・実験・分析などを行い、新しいデータや知見を生み出すこと、またはその成果をまとめた調査・研究コンテンツを指します。

アンケートやインタビュー、自社サービスの利用データ分析だけでなく、公開されている情報を一定の基準で独自に収集・分類・分析し、新しい傾向や結果を示す調査もオリジナルリサーチになり得ます。

GEOの文脈では、自社独自の事実や判断材料をWeb上に公開する方法の一つとして位置づけられます。ただし、オリジナルリサーチを公開しただけで、生成AIやAI検索に必ず引用されるわけではありません。

30秒でわかる結論
  • オリジナルリサーチとは、自ら調査・分析して新しいデータや知見を生み出すことです。
  • アンケート、インタビュー、利用データ分析、比較実験、公開情報の独自集計などが代表例です
  • 一次情報とオリジナルリサーチは同義ではありません
  • 調査規模だけで価値が決まるわけではなく、対象・期間・母数・方法・指標・結果の限界を明示することが重要です
  • オリジナルリサーチは生成AIやAI検索の情報源として利用される場合がありますが、AI引用を保証する施策ではありません

オリジナルリサーチとは

オリジナルリサーチとは、既存の記事や調査結果をまとめるだけではなく、自ら調査や分析を行い、新しいデータや知見を生み出す活動です。

たとえば、次のようなものがあります。

  • 顧客や一般消費者へのアンケート
  • 顧客・専門家へのインタビュー
  • 自社サービスの利用データ分析
  • 商品やサービスの比較実験
  • 一定期間の定点観測
  • 複数企業の公開情報を同じ基準で収集・集計した調査

最後の例のように、元となる情報が公開情報であっても、調査対象や分類基準を自ら設計し、独自に集計・分析して新しい結果を示す場合は、オリジナルリサーチになり得ます。

一方、他社の調査結果や記事を集めて要約・紹介するだけの場合は、通常はオリジナルリサーチとは区別して考えます。

一次情報との違い

オリジナルリサーチと一次情報は関連しますが、同じ意味ではありません。

一次情報は、情報の原典や出所に近い情報を表す概念です。

たとえば、次のような情報が一次情報になり得ます。

  • 企業が公表した公式料金
  • 決算資料
  • 本人へのインタビュー
  • アンケート結果
  • 実験で取得した測定値

一方、オリジナルリサーチは、新しいデータや知見を得るための調査・分析活動を表します。

オリジナルリサーチを実施した企業や組織は、その調査結果の一次情報源になり得ます。

一次情報だからすべてオリジナルリサーチというわけではありません。

オリジナルリサーチの代表例

形式 特徴
アンケート調査 マーケティング担当者500人に聞いた生成AI利用実態 回答を独自に収集・集計できる
インタビュー調査 業界専門家20人へのインタビュー 定量調査では得にくい意見や経験を収集できる
利用データ分析 自社サービスの利用ログから見た利用傾向 自社が保有する実データを分析できる
ベンチマーク調査 15業界のAI引用状況を同じ条件で比較 複数対象を共通条件で比較できる
実験・比較テスト 10製品を同じ条件で比較 条件をそろえた観測結果を示せる
公開情報の独自分析 上場企業300社の公開資料を同じ基準で分類 既存情報から新しい集計・傾向を示せる

重要なのは、形式そのものではなく、何を、どの条件で調べ、どのような新しい結果を得たのかが明確であることです。

調査結果を公開するときに示したい情報

オリジナルリサーチを公開する際は、結果だけでなく調査条件も示すことが重要です。

少なくとも、次の項目を確認できるようにします。

  • 調査主体
  • 調査目的
  • 調査対象
  • 調査期間
  • 母数
  • 取得方法
  • 集計方法
  • 指標の定義
  • 調査結果
  • 結果を解釈する際の限界

たとえば「73%だった」という数字だけでは、その数字が何を意味するのか判断できません。

「誰を対象に、いつ、何件、どの方法で調べた結果なのか」まで示すことで、読者や第三者が調査結果の意味や適用範囲を確認しやすくなります。

小規模な調査でもオリジナルリサーチになる?

オリジナルリサーチかどうかは、調査人数の大小だけで決まりません。

10社を対象にした調査でも、自ら調査設計を行い、条件を明示して独自の結果を示していれば、オリジナルリサーチになり得ます。

ただし、

「今回対象とした10社では、この傾向が確認された」

という結果と、「業界全体でこの傾向がある」という結論は同じではありません。

調査規模が小さい場合は特に、対象範囲と結論の範囲を一致させることが重要です。

一次情報・独自調査を企画し、実際にコンテンツへ落とし込む手順については、一次情報とは?独自調査をコンテンツにする7ステップ|企画・分析・記事化を実例で解説で詳しく解説しています。

GEO・AI検索との関係

GEOの観点では、オリジナルリサーチは自社にしか提示できないデータや判断材料を作る方法の一つです。

Googleも、役立つコンテンツを自己評価する観点として、独自の情報・報告・調査・分析を提供しているかを挙げています。

一方で、オリジナルリサーチを公開したからといって、次のことが保証されるわけではありません。

  • 検索順位が上がる
  • AIに評価される
  • AIに必ず引用される
  • 原典である自社サイトだけが引用される

生成AIやAI検索では、公式サイトだけでなく、メディア、比較サイト、その他の第三者サイトなどが情報源として利用されることもあります。

オリジナルリサーチは「AIに引用させるためのテクニック」ではなく、自社独自の検証可能な情報をWeb上に増やす取り組みとして捉えるのが適切です。

業界調査や独自調査が生成AI・AI検索の情報源として利用される理由については、業界調査はなぜAIに引用されるのか?独自調査・一次情報が参照される5つの理由で詳しく解説しています。

AI引用そのものの意味や、参照・言及・推薦との違いについては、AI引用とは?言及・推薦との違いとAIが参照する情報源を解説をご覧ください。

オリジナルリサーチについてよくある誤解

誤解①:オリジナルリサーチは大企業にしかできない

必ずしも大規模なアンケートや市場調査を実施する必要はありません。

顧客インタビュー、自社サービスの利用データ、問い合わせデータ、公開情報の独自集計なども、調査設計と結果の範囲が明確であればオリジナルリサーチになり得ます。

重要なのは、調査人数の多さだけではなく、対象・方法・結果・結論範囲が整合していることです。

誤解②:独自データがあれば必ずAIに引用される

オリジナルリサーチを公開しても、AI引用は保証されません。

AIやクエリによって利用される情報源は異なり、調査結果を紹介した第三者サイトが情報源として使われる場合もあります。

誤解③:既存データを使った分析はオリジナルリサーチではない

必ずしもそうではありません。

既存の公開データでも、独自の調査対象・分類基準・集計方法を設定し、新しい結果や知見を示す分析であれば、オリジナルリサーチになり得ます。

ただし、既存情報を単純に要約しただけの場合とは区別する必要があります。

関連語

  • 一次情報:情報の原典や出所に近い情報。オリジナルリサーチによって新しい一次情報が生まれる場合があります。
  • Information Gain:既存情報に対して追加される新しい情報価値を考える際に使われる概念。オリジナルリサーチとは別の用語です。
  • サイテーションマーケティング:外部サイトなどで企業・ブランドが言及される状態を考えるマーケティング概念です。
  • AI引用:生成AI・AI検索における参照・引用と、その確認方法について解説しています。

よくある質問

Q

オリジナルリサーチと一次情報は同じですか?

A

いいえ。同義ではありません。一次情報は情報の原典・出所に近い情報を指し、オリジナルリサーチは自ら調査・分析して新しいデータや知見を生み出す活動を指します。オリジナルリサーチを実施した組織は、その調査結果の一次情報源になり得ます。

Q

小規模な調査でもオリジナルリサーチになりますか?

A

なり得ます。調査人数だけでオリジナルリサーチかどうかは決まりません。ただし、対象、期間、母数、取得方法などを明示し、調査結果から言える範囲を適切に限定することが重要です。

Q

オリジナルリサーチを公開すればAIに引用されますか?

A

保証はできません。独自データや調査結果は生成AI・AI検索の情報源として利用される場合がありますが、どの情報源が使われるかはAIやクエリなどによって異なります。オリジナルリサーチは、AI引用を保証する施策ではなく、自社独自の事実や判断材料を公開する方法の一つです。

参考情報源

外部参考ページ

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