著者:喜多 陽平 / Kita Yohei
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Gemini(ジェミニ)とは、Googleが展開する生成AIの名称・ブランドです。「Gemini」という名前は、Google DeepMindが開発するAIモデル群のGemini modelsと、それらのモデルを利用してユーザーが対話・生成などを行うGemini Appsなど、複数の文脈で使われています。

また、Google SearchのAI OverviewsやAI ModeにもGemini系のAI技術が活用されています。ただし、Gemini AppsとGoogle Search、AI Overviewsは同じものではありません。

GEOの観点では、Geminiを単に「Google検索と同じAI」と考えるのではなく、Gemini Appsで自社がどう説明・言及・参照されるかと、Google Search上のAI機能でどう扱われるかを分けて確認することが重要です。

30秒でわかる結論
  • Geminiは、Googleが展開する生成AIの名称・ブランドです。
  • 「Gemini」という名称は、Google DeepMindが開発するGeminiモデル群と、それらを利用するGemini Appsなどで使われています。
  • Gemini Appsは、質問への回答、文章作成・要約、画像などを含むマルチモーダルな処理に利用できます。
  • Gemini AppsとGoogle Search、AI Overviewsは同じものではありません。 関連するAI技術は使われていますが、それぞれ別のサービス・検索体験として理解する必要があります。
  • Geminiを利用する製品やAPIでは、Google Searchなどの外部情報を回答に利用する場合があります。
  • Google-ExtendedはGooglebotのような独立したクローラーではありません。 Googleがクロールしたコンテンツを特定のGemini関連用途に利用できるか管理するrobots.txt用のproduct tokenです。
  • GEOでは「Gemini対策をすればAI Overviewsにも必ず出る」と考えず、重要なクエリについてAIごとの言及・引用・回答内容を個別に確認します。

Geminiとは

Geminiは、Googleの生成AIに関連して使われる名称です。

特に、次の2つを区別すると理解しやすくなります。

用語 主な意味
Gemini models Google DeepMindが開発するAIモデル群
Gemini Apps Geminiモデルを利用してユーザーが対話・生成などを行うアプリ・Webサービス

Google DeepMindはGeminiをAIモデル群として展開しており、複数のGeminiモデルを提供しています。

参考:Google DeepMind「Model cards」

一方、一般ユーザーがWebやアプリで質問をしたり、文章作成や情報整理をしたりするときに利用するのがGemini Appsです。

つまり、日常会話ではどちらも「Gemini」と呼ばれますが、AIモデルそのものと、そのモデルを利用するサービスは同一ではありません。

AIサービスとLLM・モデルの違いを含めたAI検索全体の仕組みについては、AI検索の仕組みとはで詳しく解説しています。

GeminiとGoogle・Google DeepMindの関係

Geminiモデルの研究・開発を担う中心的な組織がGoogle DeepMindです。

Google DeepMindはGoogleのAI研究・開発組織で、Geminiを含むAIモデルや研究を展開しています。

参考:Google DeepMind「DeepMind for Google」

GoogleがGeminiというAIブランド・サービスを展開し、Google DeepMindがGeminiモデル群の開発を担う、と考えると分かりやすいでしょう。

GeminiモデルはGemini Appsだけでなく、Googleのさまざまな製品や開発環境で利用されています。

BardからGeminiへ

Googleのユーザー向け対話型AIは、以前「Bard」という名称で提供されていました。

ただし、Geminiの歴史を説明する際には、Geminiモデルの発表とBardの名称変更を分けて考える必要があります。

Googleは2023年12月にGeminiモデルを発表し、その後2024年2月8日にBardをGeminiへ名称変更しました。

参考:Google「Bard から Gemini へ」

そのため、「2023年にBardがGeminiになった」と一括して説明するより、Geminiモデルが発表され、その後Bardというサービス名称もGeminiへ統合されたと理解する方が正確です。

Geminiでできること

Gemini Appsでは、自然言語で指示を出し、さまざまな作業を行えます。

  • 質問への回答
  • 文章の作成・編集
  • 長文の要約
  • 翻訳
  • アイデア整理
  • プログラミング支援
  • ファイルやデータの分析
  • 画像などを含む情報の理解

Geminiモデルはテキストだけではなく画像・音声・動画など複数の情報形式を扱うマルチモーダルなAIとして開発されています。

参考:Google DeepMind「Gemini」

ただし、利用できる機能や対応するモデルは、利用するGeminiサービスやプラン、時期によって変わります。

GeminiとGoogle検索・AI Overviewsの関係

Geminiを理解するときに特に注意したいのが、Gemini AppsとGoogle Searchを同一視しないことです。

Google Searchには、通常の検索結果に加えてAI OverviewsやAI Modeなどの検索体験があります。

これらはGoogleの生成AI技術を利用していますが、Gemini Appsそのものではありません。

特にAI Overviewsは、Google Search上で質問や検索内容に応じたAI生成の概要を表示する機能です。

Gemini Apps ≠ Google Search ≠ AI Overviews

Gemini Appsで自社について質問したときの回答と、Google Searchで同じ内容を検索したときにAI Overviewsへ表示される内容が同じになるとは限りません。

AI Overviewsそのものについては、AI Overviewsとはで詳しく解説しています。

また、GoogleはAI OverviewsやAI Modeについて、従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効であり、それらのAI機能に表示されるためだけの追加要件や特別な最適化は必要ないと説明しています。

参考:Google Search Central「AI機能とウェブサイト」

したがって、「Gemini向けに特別な対策をすればAI Overviewsへの露出が高まる」と単純に考えるのは適切ではありません。

Geminiは回答時にWeb情報を使うことがある

生成AIは、必ずしもモデルが学習した情報だけで回答しているわけではありません。

Geminiを利用する一部の製品やAPIでは、Google Searchなどから取得した外部情報を回答生成に利用できます。

Googleが提供するGemini APIには、Grounding with Google Searchという仕組みがあります。

Google Searchを利用する設定が有効な場合、モデルは質問内容を分析し、必要に応じて検索を実行し、その結果を処理して回答を生成します。回答には参照元が示される場合もあります。

参考:Google AI for Developers「Grounding with Google Search」

ただし、Geminiはすべての質問で必ずGoogle検索を行う、という意味ではありません。

また、Groundingを利用したからといって回答の正確性が保証されるわけでもありません。

Groundingは、外部情報を回答の根拠として利用し、最新情報や事実性を補強するための仕組みとして理解するのが適切です。

Groundingそのものについては、Groundingとはをご覧ください。

GooglebotとGoogle-Extendedの違い

GeminiとWebサイトの関係を考える際には、GooglebotとGoogle-Extendedを区別する必要があります。

Googlebot

Googlebotは、Google SearchなどのためにWebページをクロールするGoogleのWebクローラーです。

GoogleがWeb上のコンテンツを発見し、検索システムで扱うための基盤となります。

ただし、Googlebotにクロールされることと、AI Overviewsに引用されることは同じではありません。

クロールやインデックスは検索システムの基盤ですが、それだけでAI回答や引用への採用が保証されるわけではありません。

Google-Extended

Google-Extendedは、Googlebotとは異なり、独立したHTTPクローラーではありません。

Google公式では、Google-Extendedをrobots.txtで使用するstandalone product tokenと説明しています。実際のクロールには既存のGoogleユーザーエージェントが使用されます。

Google-Extendedを使うことで、Googleがクロールした自社サイトのコンテンツを、将来のGeminiモデルのトレーニングやGemini AppsでのGrounding、Vertex AIでのGoogle Search Groundingなど、Googleが指定する生成AI関連用途へ利用できるかを管理できます。

参考:Google for Developers「Googleの一般的なクローラー」

Google-Extendedの設定は、Google Searchへの掲載や検索ランキングを直接制御するものではありません。

AIクローラーやrobots.txt全体の考え方は、AIボットクロールとはで解説しています。

GEO対策でGeminiをどう確認するか

GEOでは、「Gemini用の特別なHTMLを書けば選ばれる」といった単一施策を考えるのではなく、自社にとって重要な質問に対してGeminiがどのように回答しているかを実際に確認することが重要です。

たとえば、次のような点を確認します。

  • 自社ブランドや商品が回答内で言及されているか
  • 自社について正確に説明されているか
  • 比較・おすすめの質問で候補に含まれているか
  • どのWebサイトや情報が参照されているか

また、ChatGPTとGeminiを同じものとして扱わないことも重要です。

Genviewが2026年8月に実施した15業界450クエリ調査では、AIが引用したURLと同じクエリのGoogle上位10位URLの重複率は、ChatGPTが13.9%、Geminiが29.0%でした。AIによって参照する情報源の傾向に違いが見られたため、1つのAIだけを確認してAI検索全体の状態を判断することはできません。

調査の詳細は、SEO上位サイトはAIにも引用されるのか?15業界450クエリをChatGPT・Geminiで調査をご覧ください。

AI引用の定義や、言及・推薦との違いについては、AI引用とは?で詳しく解説しています。

Geminiを含むAI回答上の言及・参照状況を継続して確認する場合は、Genviewのクエリ改善で、クエリごとのAI回答や言及・引用状況を確認できます。

GenviewによるGeminiの位置づけ

Genviewでは、GeminiをGEOで継続的に確認すべき主要AIの一つとして扱っています。

ただし、「Geminiがすべての企業にとって最優先である」とは考えません。

重要なAIサービスは、ユーザー層、業界、商材、自社が獲得したいクエリによって変わります。

また、Gemini AppsとAI Overviewsを「同じGoogleのAIだから同じ対策でよい」と一括して扱うこともしません。

GEOでは、Google Search上のAI機能についてはSEOの基盤を維持しつつ、Gemini Appsを含む各AIサービスについて、実際の回答・言及・引用・ブランド認識を個別に確認することが重要です。

ChatGPT、Claude、Copilotなどとの違いについては、主要AIプラットフォームの比較で整理しています。

関連する用語

  • AI Overviews:Google Search上でAI生成の概要を表示する機能。Gemini Appsとは別の検索体験です。
  • Grounding:AIが外部情報などを根拠として回答を生成する考え方・仕組み。
  • AIボットクロール:AIや検索サービスに関連するクローラー、robots.txtなどを理解するための概念。
  • AI検索の仕組み:RetrievalからLLMによる回答生成まで、AI検索全体の仕組み。
  • AI引用:AI回答で情報源が引用・表示されることと、言及・推薦との違い。

Geminiについてよくある誤解

誤解1:「GeminiとAI Overviewsは同じもの」

同じものではありません。

Gemini Appsはユーザーが対話形式で利用するAIサービスで、AI OverviewsはGoogle Search上のAI機能です。

GoogleのGemini系モデルや生成AI技術がSearchのAI機能で利用されていますが、サービス・検索体験としては区別する必要があります。

誤解2:「GeminiはいつもGoogle検索をしてから回答している」

必ずしもそうではありません。

Geminiを利用する製品やAPIでは、Google Searchなどの外部情報を利用する場合がありますが、すべての回答が必ずリアルタイム検索によって生成されるわけではありません。

誤解3:「Google-ExtendedはGemini専用のAIクローラー」

Google-Extendedは独立したクローラーではありません。

Googleがクロールしたコンテンツを特定のGemini関連用途へ利用できるか管理するためのrobots.txt用product tokenです。Google Searchの掲載やランキングを直接制御するものでもありません。

誤解4:「SEOで上位ならGeminiにも引用される」

SEO順位とGeminiでの引用は同じ指標ではありません。

Genviewの15業界450クエリ調査でも、Geminiが引用したURLのうち、同じクエリのGoogle上位10位にも含まれていた割合は29.0%でした。Google検索で上位に表示されることだけで、Geminiでの引用を保証することはできません。

よくある質問

Q. GeminiとChatGPTはGEO対策上どちらが重要ですか?

一律にどちらが重要とは決められません。業界、ユーザー層、商材、自社にとって重要なクエリによって優先度は異なります。Genviewの15業界450クエリ調査でも、ChatGPTとGeminiでは引用元の傾向に違いが見られました。そのため、重要なクエリについては両方を個別に確認することが重要です。

Q. AI OverviewsとGeminiへの対策は別々に行う必要がありますか?

Gemini AppsとAI Overviewsは同じものではないため、確認対象は分けて考える必要があります。一方で、Google Search上のAI機能では従来のSEOのベストプラクティスが引き続き重要です。AI Overviews専用の特別な最適化が必要という意味ではありません。Gemini Appsについては、自社にとって重要なクエリを実際に質問し、回答・言及・参照状況を個別に確認するとよいでしょう。

Q. Google-ExtendedをDisallowするとGoogle検索やAI Overviewsに表示されなくなりますか?

Google-ExtendedをDisallowしたことだけで、Google Searchへの掲載やランキングから除外されるわけではありません。GoogleはGoogle-Extendedについて、Google Searchへの掲載に影響せず、検索ランキングのシグナルとしても使用しないと説明しています。

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