EN ログイン

一次情報は誰でも作れるのか?|私がGEO観察の中で気づいたこと

コラム 2026-06-12
一次情報は誰でも作れるのか?|私がGEO観察の中で気づいたこと

著者:喜多 陽平 / Kita Yohei 公開日:2026年06月02日

GEOの話になると、よく「一次情報が重要です」と言われます。するとほとんどの企業は「うちには調査データがない」「大企業じゃないから無理」と考えます。私も最初はそう思っていました。しかしAI回答を観察していると、どうもそう単純ではないと気づき始めました。

私が最初に勘違いしていたこと

正直に言います。私は一次情報=大規模調査だと思っていました。

「1,000人にアンケートを取った」「業界全体をカバーするレポートを出した」——そういったものだけが一次情報であり、そこに到達できない会社には一次情報戦略は関係ない、と。

しかし実際にAI回答で引用されているものを観察すると、必ずしもそうではありません。

一次情報とは何か

定義から整理します。一次情報とは「自分が直接観測・収集した情報」のことです。誰かがまとめた情報を引用したり解説したりする二次情報とは区別されます。

つまり、規模は問いません。「1万人調査」も一次情報ですが、「顧客5人へのインタビュー」も一次情報です。直接観測しているかどうかが問題です。

一次情報とは

実は世の中は一次情報だらけ

この視点で身の回りを見渡すと、多くの企業が気づいていない一次情報を大量に持っていることに気づきます。

  • 顧客へのインタビューやヒアリングの記録
  • 問い合わせ内容・よくある質問の集計
  • 自社ツールや社内システムの利用データ
  • 導入事例の成果数値
  • 失敗事例・改善の記録
  • 担当者が現場で観察していること

これらはすべて一次情報です。そしてその多くは「当たり前すぎて情報だと思っていない」か「社内に埋もれている」状態です。

私がやってみた観察

少し個人的な話をします。私は一時期、毎週Grokのゲストモードで自分のXアカウントが検索結果に出てくるかどうかを確認していました。

結論から言います。「AI検索最適化」で検索すると出てくる。「GEO」では出てこない。

これは私にとって興味深い観察でした。同じ人物・同じアカウントでも、検索クエリによって引用されるかどうかが変わる。つまりAIは「この人物が何の専門家か」をキーワード単位で判断しているわけではなく、概念の紐付け方によって引用の対象が変わります。

この観察自体は大規模調査ではありません。しかしこれは私にしかできない観察であり、立派な一次情報です。

AIは規模よりも唯一性を見る

私が観察していて感じるのは、AIが見ているのは「大きさ」より「他にないかどうか」です。

実際、Averi.ai(BrightEdge GEO Benchmark Report 2025引用)は「ドメイン評価が30〜40の低権威サイトでも、専門性と情報の深さがあれば引用率で有意義な成果を出せる」と報告しています。顧客50人のアンケートでも、他に存在しない情報であれば価値があります。規模ではなく唯一性がAI引用の条件です。

なぜ業界調査は引用されやすいのか?

なぜ多くの会社は一次情報を持っているのに出さないのか

これは私の仮説ですが、理由は主に3つだと思っています。

1つは「当たり前だと思っている」こと。自社が日々観察・収集している情報は、自分たちにとって当然のことすぎて「情報として発信する価値がある」と気づかない。

2つ目は「データだと思っていない」こと。エクセルの数字だけがデータではありません。担当者が現場で観察してきたことも、立派な一次情報です。

3つ目は「社内で埋もれている」こと。情報は存在しているのに、発信の形になっていない。コンテンツ化されていない。

私の考え

一次情報は「作るもの」ではなく「見つけるもの」だと私は考えています。

多くの会社はすでに持っています。気づいていないだけです。問い合わせ履歴・顧客インタビュー・現場担当者の観察・自社ツールの利用データ——これらを「情報として整理して発信する」ことが、一次情報戦略の本質だと思っています。

私がGrokでの観察を始めたのも、大げさな動機ではありません。「自分のアカウントが出てくるか気になった」というだけです。しかしその記録を積み重ねることで、AIの挙動についての観察として意味を持ちます。

オリジナルリサーチとは

導入事例とは

まとめ

一次情報=大規模調査ではありません。

AIが評価するのは唯一性です。だから「他社が持っていない経験・観察・データ」を発信することが重要だと私は考えています。

もしあなたが「うちにはデータがない」と感じているなら、まず社内を見渡してみてください。顧客との会話・問い合わせの傾向・現場で感じていること——それはすでに一次情報です。

次の問いは「じゃあ本当にデータが何もない会社はどうするのか」です。それについては次の記事で考えます。

参考文献

  • Averi.ai / BrightEdge「AI Search Citation Benchmarks 2026」(BrightEdge GEO Benchmark Report 2025引用:DR 30〜40の低権威サイトでも専門性と情報の深さがあれば引用率で有意義な成果を出せる)
← 実験・コラムに戻る
お申込みはこちら →