著者:喜多 陽平(Genview チームリーダー / 株式会社FID) 公開:2026-10-20 最終更新:2026-10-20

GEO対策ツールの施策提案は、まず「今あるページを直す」のか「新しく作る」のかを決め、そのうえで、AIに引用されているページとの差を項目ごとに見ると、具体的な打ち手になります。

「GEO対策ツールを入れたら、何をすればよいかまで教えてくれるのか」。施策提案について、よくいただく質問です。ところが、提案が「良質なコンテンツを作りましょう」のような一般論で終わると、明日からの作業には落ちません。

この記事では、Genviewが施策を出すときの手順を、弊社自身のキーワードの計測記録を使って説明します。株式会社FIDは、自社のGEO対策ツール「Genview」について、Googleの検索結果に出るAIの回答(AI Overview)を、5つのキーワードで毎朝計測しています。この記事のキーワード「GEO対策ツール 施策提案」も、その1つです。

この記事の読み方

この記事の数字は、弊社が自社(Genview)のキーワードとページを計測・取得した記録です。計測はGenviewで毎朝7時(日本時間)に行い、1日1回分を使っています。対象は日本語のGoogle検索です。引用元のページは、2026年10月20日に取り直しました(比べ方を改めたため)。

30秒でわかる結論

  • 施策は、そのキーワードの検索1ページ目か引用元に自社ページがあれば「直す」、無ければ「作る」から始めます
  • 「作る」の前に、同じテーマの自社ページが無いかを確かめます。弊社の5キーワードは5つとも「作る」でしたが、5つとも同じテーマの既存ページがありました
  • 「直す」は、冒頭・更新日・表・構造化データ・出典などを、引用されているページと項目ごとに比べ、自社に無くて引用元にあるものから手を付けます
  • 「作る」は、引用されているページ同士の共通点を、新しいページの型の材料にします

施策提案は「直す」か「作る」かを先に決める

同じ「AIに引用されていない」でも、自社にそのキーワードのページがあるかどうかで、やることがまったく変わります。ページがあるなら、そのページを直します。無いなら、作るところからです。Genviewは、毎朝の計測の結果から、キーワードごとにこれを決めています。

その日の状態 施策 次に見るもの
AIの回答の引用元に、自社ページがある直す引用されているので、内容を強める。ほかの引用元との差を見る
検索1ページ目に自社ページがある(引用はされていない)直す引用されているページとの差を、項目ごとに見る
その日は無いが、直近14日に1ページ目か引用元に入った日がある直す順位が落ちた既存ページとして、最後に入っていた日と一緒に見る
どれにも無い作る引用されているページ同士の共通点を見る

14日を見るのは、順位が毎日のように上下するからです。1日だけ1ページ目から外れたページを「作る」に回すと、既にあるページと同じテーマのページを、もう1本作ることになります。

「作る」の前に、同じテーマの自社ページを確かめる

「作る」と判定されても、自社に同じテーマのページが無いとは限りません。検索の1ページ目に出ていないだけ、ということがあるからです。

弊社の5キーワードがまさにそうでした。2026年10月3日以降、計測できた日はすべて、5つとも自社ページが1ページ目にも引用元にも無く、判定は「作る」でした。ところが、自社のサイトを見直すと、5つとも同じテーマの既存ページがありました。

キーワード 既存のページ
GEO対策 効果/learn/geo-kpi
SEOとGEO の違い/learn/geo-vs-seo ほか2ページ
GEOとは/learn/what-is-geo
GEO対策ツール 施策提案/faq/analysis-and-improvement
GEO対策ツール おすすめ/pricing/comparison

同じテーマのページが既にあるのに、もう1本作ると、テーマが分かれてどちらも弱くなりやすくなります。「SEOとGEO の違い」には、解説記事・FAQ・資料の案内ページの3つがありました。

ページがGoogleに登録されているかも、あわせて確かめます。登録されていなければ、検索にもAIの回答にも出ようがないからです。確かめるときは、Search Consoleの「URL検査」を使ってください。Google検索の「site:」でURLを検索して0件でも、実際には登録されていることがあります。弊社でも、site: 検索で0件だったFAQのページが、URL検査では登録済みでした。

そのため、Genviewでは「作る」の行に、「自社サイトに同じテーマのページが既にないか、確認してください」と出すようにしています。既存のページがあれば、新しく作るより先に、そのページを直すか、ページどうしのつなぎ方(内部リンクや正規URLの指定)を見直します。

「直す」は、引用元との差を項目ごとに見る

「直す」と決まったら、自社のページと、AIに引用されているページ(最大3件)を同じ項目で比べます。見るのは、機械で確かめられる事実だけです。「内容が十分か」「言い切れているか」のような質の評価は、決まりでは判定できないので入れていません。

項目 見ていること
冒頭本文の書き出し(先頭400〜600文字)に、キーワードの語が入っているか
著者・監修著者や監修者の記載があるか
最終更新日最終更新日の記載があるか。引用元はどれくらい新しいか
表・箇条書き本文に表や箇条書きがあるか(メニューやフッターは数えない)
比較表「違い」「比較」「おすすめ」などの質問のときだけ。本文に表があるか
構造化データJSON-LDがあるか。引用元にあって自社に無い型は何か
出典出典・参考文献の記載があるか
見出しの数自社より見出しが多い引用元が何件あるか
独自のデータ・調査・事例AI判定(参考)。根拠の一文を引用して出す

出すのは、「自社に無くて、引用元にはある」項目です。たとえば弊社の /learn/geo-vs-seo(キーワード「SEOとGEO の違い」)を、2026年10月9日のAI Overviewの引用元3件と比べた結果は、次のとおりでした(引用元のページは10月20日に取得)。自社の欄は、10月14日に直す前(10月13日時点)の状態です。

項目 自社(直す前・10月13日時点) 引用元(3件)
冒頭にキーワードの語無し2件にあり
最終更新日の記載無し(本文にあるのは公開日だけ)1件にあり
構造化データの型Article・FAQPage などImageObject・BlogPosting・HowTo が自社に無い
比較表あり3件にあり
出典あり3件にあり

この場合、手を付ける順番は、冒頭(質問への答えを先に書き、「違い」の語を入れる)→ 最終更新日の表示 → 構造化データ、です。比較表や出典のように、自社にも既にある項目は、施策には出しません。直した日と内容は記録しておき、その前後で計測の結果を比べます。弊社はこの比較をもとに、10月14日に冒頭・最終更新日の表示・構造化データ(画像を ImageObject で記述)を直しました。直した後のページでの比べ直しは、追って追記します。

注意したいのは、比べる相手が日によって入れ替わることです。同じキーワードを10月14日の引用元(動画・口コミを除いた記事のページ3件。うち1件は10月20日に取得できず、2件で比較)で、直す前の自社ページと比べ直すと、「最終更新日の記載がある引用元」は2件中0件、自社に無い構造化データの型は ImageObject・CollectionPage・NewsArticle・SiteNavigationElement と、顔ぶれが変わりました。1日分の比較で決めつけず、何日分かの結果を見てから手を付けるのが安全です。

「作る」は、引用元の共通点を材料にする

「作る」のときは、比べる自社ページがありません。そこで、AIに引用されているページ同士の共通点を見て、新しく作るページの型の材料にします。

この記事のキーワード「GEO対策ツール 施策提案」では、2026年10月14日の引用元は5件でした。そのうち、口コミ・コミュニティの1件(note.com)を除き、引用された順の先頭3件を同じ項目で見ると、次のようになっていました。動画や口コミは、記事とは作りが違うので、比べる相手から外しています。

項目 引用元(3件)
見出しの数(h2・h3)中央値18個(27・18・16個)
最終更新日の記載1件
構造化データ2件にあり(BlogPosting・BreadcrumbList・ImageObject・Organization・Person など)
出典3件にあり
表・箇条書き2件にあり

この記事も、見出しを立てて手順を表や箇条書きにまとめています。最終更新日は、引用元の共通点ではありません(3件中1件)が、この記事では明記しています。共通点は「こう書けば引用される」という保証ではなく、いま引用されているページがそろえている型、という事実です。

あわせて、検索結果の「他の人はこちらも質問」に出ている関連質問も集め、引用元の何件が本文で触れているかを数えます。新しいページが答えておくべき質問の材料になります。

引用元が自社以外のときの打ち手

AIの回答の引用元は、自社のページだけではありません。引用元の種類によって、取れる打ち手が変わります。

引用元の種類 打ち手
第三者のメディア・企業のページ自社が載っていなければ、掲載を打診する。載っていれば、記載を強める
口コミ・Q&A・SNS掲載を頼む相手ではない。口コミや投稿を増やす側の打ち手になる
動画(YouTube など)自社の動画なら、説明欄・チャプター・字幕を整える。他者の動画なら、その質問に答える動画を作る
競合のページ手を出せない。参考として見る

弊社の5キーワードでは、2026年10月3日〜9日の引用元のべ215件のうち、90%(194件)が第三者のメディア・企業のページ、7%(16件)が動画、1%(3件)が口コミ・コミュニティ、1%(2件)が競合(Genviewに登録した1社)のページでした。自社のページは0件です。

計測の記録(追記していきます)

この記事のキーワード「GEO対策ツール 施策提案」の計測を、公開の前後で追記していきます。

日付 記録
2026-10-13施策前の基準値(10月3日〜13日)。AI Overviewは記録したすべての日(10日)に出たが、自社が引用された日は0日、自社ページが検索1ページ目に出た日も0日。10月4日はデータの取得に失敗したため記録なし。10月13日は引用元が2件と前後の日(平均6.5件)より少なく、取得が途中で切れた可能性があります
2026-10-20この記事を公開(https://genview.io/learn/geo-tool-action-proposal)。公開後の変化を追記します

よくある質問

Q GEO対策ツールの施策提案は、AIが考えた打ち手ですか?

A

Genviewでは、打ち手を決める材料の多くを、機械で確かめられる事実から作っています。自社ページが検索1ページ目や引用元にあるか、引用元のページに表・更新日・構造化データがあるか、といったことです。文章の良し悪しのように、決まりで判定できないものは判定しません。独自のデータ・調査・事例があるかだけは安いAIで判定し、「AI判定(参考)」と明記して、根拠の一文を引用して出しています。

Q 「直す」と「作る」は、どう決まりますか?

A

そのキーワードの検索1ページ目か、AIの回答の引用元に自社のページがあれば「直す」、どちらにも無ければ「作る」です。順位は日々上下するので、その日に無くても、直近14日のうちに1ページ目か引用元に入った日があれば「直す」として扱います。

Q 「作る」と出たら、すぐに新しいページを作るべきですか?

A

その前に、同じテーマの自社ページが既に無いかを確かめてください。弊社の5キーワードは5つとも「作る」でしたが、5つとも同じテーマの既存ページがありました。既存のページがあれば、新しく作るよりも、そのページを直すか、つなぎ方を見直すほうが先です。

まとめ

GEO対策ツールの施策提案は、「直す」か「作る」かを先に決めると、具体的になります。直すなら、引用されているページとの差を項目ごとに見て、自社に無くて引用元にあるものから手を付けます。作るなら、その前に同じテーマの既存ページを確かめ、引用されているページ同士の共通点を型の材料にします。

弊社の5キーワードは、いま「AIの回答は毎日出ているが、自社は一度も引用されていない」状態です。ここから記事の公開と既存ページの修正を行い、何がどう変わったかを、この記事に記録していきます。

この記事を書いた人

喜多 陽平 / Kita Yohei

Genview チームリーダー / 株式会社FID

株式会社FIDにて、CRMツール「MOTENASU」および侍カートの営業・マーケティングを担当。海外のGEO・AI検索に関する最新情報をいち早くキャッチし、日本語で整理・発信することを得意としています。

GEOはまだ国内に一次情報が少ない領域です。海外のレポートや調査を正確に読み解き、日本のビジネス文脈で使えるかたちに届けることが、喜多の役割です。

専門領域:海外GEO・AI検索動向のリサーチ / SaaS・CRMツールの営業・マーケティング / 海外情報の翻訳・整理・発信

プロフィール / note / X / LinkedIn

あわせて読む