著者:吉田 清登(株式会社FID CMO / Genview PM) 公開:2026-09-02

AIに引用されたかどうかだけでは、GEO対策の成果は判断できません。

「GEO対策を始めたけれど、何を成果として見ればいいのか分からない」。Genviewの商談で、よくいただく相談です。

AIに自社名が出た。自社サイトが引用された。競合より多く推薦された。どれも目に見える変化なので、そのまま成果の数字として追いたくなります。

ところが、AIの回答の中で自社名が出ることと、自社サイトが引用されることは、別々に起きています。名前は何度も挙がっているのに、自社のページはほとんど引用されていない、ということもあります。引用の数だけを追っていると、この違いは見えません。

先に決めておくのは、「どのお客様の、どの質問で、どのように自社が選ばれたいか」です。そのうえで、事業の最終的な成果であるKGIと、その手前にあるAIの上での変化やお客様の行動を、分けて整理します。

この記事では、GEO対策で見るKPIとKGIの考え方、事業の目的から逆算して指標を決める順番、効果測定の方法を、Genviewの調査の結果もまじえて整理します。GEO対策そのものの考え方は、GEO対策とはで解説しています。

30秒でわかる結論

  • AIの回答の中での自社の扱われ方は、引用・言及・推薦・ブランドの認識に分かれ、別々に起きる
  • Geminiは化粧品ブランドのキュレルの名前を62回答で挙げたが、キュレルのページを引用したのは3回答だった
  • AIの回答は聞くたびに変わるので、1回の結果ではなく「何回中何回」で傾向を見る
  • GEO対策のKPIとは、事業の成果(KGI)の手前で、「どの質問で、どの状態を成功とするか」を測る指標。測りやすい数字から選ぶものではない

この記事で扱う範囲

KPIとKGIの違い/事業の目的と質問からKPIを決める順番/4つの階層での整理/測り方と「何回中何回」の見方/KPIが悪かったときに確かめること

関連動画:GEO対策のKPI完全ガイド|設計方法・見るべき指標・測定方法【AI検索対策】

GEO対策のKPIとは

KPI(Key Performance Indicator)とは、最終的な目標に向けて、施策がうまく進んでいるかを確かめるための指標です。

SEOには、検索順位、表示回数、クリック数、検索からの流入、コンバージョンなど、比較的はっきりした指標があります。GEO対策では、「検索順位」のような一つの数字だけでは評価しにくくなります。生成AIやAI検索では、同じ企業やコンテンツでも、次のようにいくつもの状態があるからです。

  • 情報源として引用される
  • ブランド名だけが言及される
  • 比較の候補として紹介される
  • おすすめとして推薦される
  • 特徴や強みが説明される
  • サイトへのリンクがクリックされる

そのためGEO対策では、一つの数字を万能なKPIとして扱わず、事業の目的と質問に合わせて、いくつかの指標を組み合わせます。

KGIとKPIの違い

KGIとKPIは、どちらも目標の管理で使われる指標ですが、役割が違います。

  • KGI(Key Goal Indicator):事業やプロジェクトで、最終的に達成したい成果
  • KPI(Key Performance Indicator):そのKGIに向かって進んでいるかを確かめるための、途中の指標

たとえばBtoBのサービスで「月の商談数を30件にする」というKGIを決めた場合、次のようなものが、その過程を見るKPIの候補になります。

  • 比較の質問での、自社の言及率
  • AIの回答での推薦の状況
  • AI経由のサイトへの流入
  • 指名検索の数
  • 問い合わせの数

順番は、先にKGIを決め、その達成に関係するKPIだけを選ぶことです。KPIをたくさん決めても、最終的な成果との関係が分からなければ、数字を追うこと自体が目的になってしまいます。

KPIとKGIを分けて考える理由

GEO対策では、AIの回答の中に自社が出てくると、それだけで「成果が出た」と判断しがちです。たとえばChatGPTで自社名が出る回数が増えても、次のような状態であれば、事業の成果につながっているとはまだ言い切れません。

  • 事実と違う内容で紹介されている
  • 自社サイトは情報源として参照されていない
  • 比較の質問では、競合しか推薦されていない
  • サイトへの流入や問い合わせにつながっていない

逆に、AIからの直接の流入が少なくても、AIでサービスを知ったお客様が、あとからブランド名をGoogleで検索し、問い合わせることもあります。

だからGEO対策の成果は、「AIの上での変化 → お客様の行動 → 事業の成果」という、いくつかの段階で捉えます。

KGIは事業の目的から決める

「GEO対策のKGIはコンバージョンです」と、一律に決めることはできません。何を最終的な成果とするかは、企業やサービスによって変わります。

事業・目的ごとのKGIの例

事業・目的 KGIの例
BtoB 問い合わせ、商談数、受注数、契約金額
EC 購入数、売上、購入単価
SaaS 無料登録、商談、契約、月ごとの売上(MRR)
採用 応募数、面接数、採用数
ブランド 指名検索、検討の候補に入ること、ブランドの想起
店舗 予約、来店、売上

GEO対策を始めるときは、「AIに何回出たいか」からではなく、「AIの上での認知・比較・推薦が、最終的にどの事業の成果につながってほしいのか」から考えます。

GEO対策のKPIは、事業の目的から逆算して決める

GEO対策のKPIを決めるとき、最初に決めるのは、引用の数やAI経由の流入の数ではありません。まず「GEO対策によって何を実現したいのか」を決めます。目標は企業によって違います。

  • AIの回答の情報源として、自社のコンテンツを使ってほしい
  • 業界の代表的な企業として認識されたい
  • 比較・検討のときの候補に入りたい
  • 特定の強みを正しく理解してほしい
  • AI検索をきっかけに、問い合わせを増やしたい

目的が違えば、見るべきKPIも変わります。GEO対策のKPIは、次の順番で決めます。

  1. 1

    事業の目的・KGIを決める

    最終的に何を成果とするか。商談数、購入数、応募数など。

  2. 2

    その目的に関係する質問を決める

    お客様がAIに聞きそうな質問のうち、事業の成果に近いもの。

  3. 3

    その質問で、AIの回答にどう出てほしいかを決める

    引用されたいのか、比較の候補に入りたいのか、推薦されたいのか。

  4. 4

    その状態を測れるKPIを選ぶ

    言及率、推薦の状況、引用、説明の正しさなど。

  5. 5

    測って、直す

    続けて測り、ズレのある質問から手を入れる。

たとえば「AI検索で比較の候補に入ること」が目的なら、引用の数だけを増やしても足りるとは限りません。比較・選定の質問で、自社が言及されているか、推薦されているか、競合と比べてどう説明されているかを見ます。

KPIは、測るツールで取れる数字から選ぶのではなく、目的から逆算して決めます。

KPIを決める前に「どの質問を測るか」を決める

GEO対策では、KPIそのものと同じくらい、「どの質問を測るか」で結果の意味が変わります。たとえば、次の2つの質問を比べてみます。

  • 情報収集の質問:「GEOとは?」
  • 比較・検討の質問:「おすすめのGEO対策ツールは?」

前者は、GEOという概念を調べる情報収集の質問です。後者は、具体的なサービスやツールを比べ、検討している質問です。

「GEOとは?」で自社サイトがたくさん引用されていても、「おすすめのGEO対策ツールは?」で自社が一度も推薦されていないなら、比較の候補に入ることを目的とする企業にとって、十分な成果とは言えません。すべての引用や言及を、同じ価値として足し合わせないでください。

SEOで追ってきたロングテールキーワードと、AIに聞かれる質問がどう違うかは、ロングテールキーワードとAI検索の質問は何が違う?GEO対策でのキーワードの扱い方で扱っています。

検討の段階によって、AIの答え方は違う

質問を段階ごとに分けて測るのは、段階によってAIの答え方そのものが違うためです。Genviewの調査では、化粧品の「調べ始め」の9問では、6回を通して企業名が1つも挙がりませんでした。「おすすめ」を聞く11問では、どちらのAIでも企業名が挙がっています(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答は毎回違う。それでも同じ企業名は毎回言及される」2026年9月)。調べ始めの質問で名前が出ないのは、失敗ではなく、その段階の答え方である可能性があります。

言い回しより、「誰向けか」「どんな条件か」を変えて測る

測る質問を増やすときは、言い回しを何通りも用意するより、中身を変えた質問を用意するほうが意味があります。Genviewの実験で、「おすすめ」「比較」「一覧」「ランキング」と言い方を変えても、引用元の重なりは、同じ質問を聞き直したときより3.4〜6.3ポイント下がっただけでした。質問に年齢を一語足した実験では、同じ数え方で、引用元の重なりが11.2〜24.5ポイント下がっています(出典:株式会社FID/Genview「AIへの聞き方を変えると、出てくる会社は変わるのか」2026年9月)。

言い回しを工夫して、AIから望む答えを引き出す技術はプロンプトエンジニアリングと呼ばれます。KPIを測るための質問づくりは、それとは目的が違います。

質問の詳しい決め方は、GEO対策のクエリ設計で解説しています。質問(クエリ)や、AIへの指示文を指すプロンプトという言葉の意味は、用語集にまとめています。

GEO対策で見るKPIを、4つの階層で整理する

「GEO対策とは」で紹介した「目指す4つの状態」(正しく理解される・言及される・引用される・推薦される)を、どう数えるかを決めるのがKPIです。GEO対策のKPIは、指標を横に並べるより、どの段階を測っている数字なのかで、4つの階層に分けると整理しやすくなります。

GEO対策のKPIを4つの階層で整理した図 上から、事業の成果(KGI)、お客様の行動の指標、AIでの見え方の指標、回答の質の指標の4つの階層を積み重ね、それぞれの指標の例を並べた図。 KGI:事業の成果 最終的な成果 売上、商談、問い合わせ、購入、契約 お客様の行動の指標 お客様の行動の変化 AI経由の流入、指名検索、コンバージョン AIでの見え方の指標 AIの回答で選ばれているか 言及、推薦、引用、競合との比較 回答の質の指標 どう説明されているか 正確さ、強み、対象のお客様、カテゴリ、誤認識
下の階層ほどAIの上で起きていることに近く、上に行くほど事業の成果に近くなります。階層のあいだは、単純な式ではつながりません。

GEO対策のKPIの4つの階層と、指標の例

階層 何を見るか 指標の例
KGI:事業の成果 最終的な成果 売上、商談、問い合わせ、購入、契約
お客様の行動の指標 お客様の行動の変化 AI経由の流入、指名検索、コンバージョン
AIでの見え方の指標 AIの回答で選ばれているか 言及、推薦、引用、競合との比較
回答の質の指標 どう説明されているか 正確さ、強み、対象のお客様、カテゴリ、誤認識

「AIでの引用が10%上がれば、売上が10%上がる」というような、単純な式でつながるわけではありません。AIの中で比較・検討が終わったり、そのあとに指名検索が起きたりするため、階層のあいだには観測できない部分があります。完全なKPIの木構造というより、KGIとの関係を整理する「指標の地図」として使うほうが現実的です。

それぞれの指標は、次のように見ます。すべてを同じ重みで追う必要はなく、事業の目的と質問によって優先順位を変えます。

引用(Citation)|情報源として使われているか

引用は、AIの回答の根拠として、自社サイトやコンテンツが参照・引用されている状態です。自社の調査データ、公式情報、商品の仕様、専門的な解説などが、AIの回答の根拠になっているかを見るときに使います。

引用されたからといって、自社のブランドそのものが推薦されているとは限りません。情報源としては使われていても、回答の本文では競合のサービスだけが推薦されることもあります。

言及(Mention)|ブランド名が回答に出ているか

言及は、AIの回答の中で、企業名、ブランド名、サービス名などが出てくることです。引用と違い、URLが引用されていなくても言及は起きます。ブランドの認知や、比較の候補への入り方を見るための指標です。

推薦(Recommendation)|候補として選ばれているか

推薦は、名前が出るだけでなく、「おすすめ」「候補」「向いているサービス」などとして、選択肢に入っている状態です。「こうしたサービスもあります」という言及と、「この条件ならこのサービスが向いています」という推薦では、お客様の判断への影響が違います。GEO対策では、言及と推薦を分けて見ます。

ブランドの認識(Brand Recognition)|正しく理解されているか

AIが自社を言及・推薦していても、説明の内容が間違っていたり、強みがうまく伝わっていなかったりすることがあります。次のような点も確かめます。

  • どんな企業・サービスとして認識されているか(カテゴリの認識は正しいか)
  • 対象のお客様が正しく伝わっているか
  • どの強みが説明されているか
  • 競合と何が違うと理解されているか
  • 比較のときの位置づけが適切か
  • 古い情報や誤った情報が入っていないか
  • どの情報源が参照されているか

たとえば「おすすめのCRMを教えて」という質問で自社が出てきても、「高度な分析機能が中心の大企業向けCRM」と説明されているのに、企業としては「中小企業でも簡単に使えるCRM」として提供しているなら、認識にズレがあります。この理想と実際のAIの回答のズレも、GEO対策のKPIの一つです。

競合との比較・SoM|自社だけでなく、相手との関係で見る

自社の言及の数が増えていても、競合の増え方がそれ以上なら、相対的な存在感は下がっているかもしれません。同じ質問のまとまりで、競合がどう引用・言及・推薦されているかも確かめます。SoM(Share of Model)などの指標を使って、AIの回答の上での相対的な位置を見る方法もあります。

AI経由の流入|AIからサイトへ訪れたか

AIの回答で自社が選ばれたあと、お客様がサイトを訪れたかを見る指標です。GA4などで、AIのサービスを参照元とする流入や、その後のサイト内の行動を確かめます。

AIでブランドを知ったお客様が、あとからGoogleで指名検索したり、URLを直接入力したりすることもあります。AI経由の流入だけで、GEO対策全体の成果を判断しないようにします。

事業の成果|最終的な成果につながったか

GEO対策の最終的な評価では、問い合わせ、資料請求、商談、購入、契約、受注などの事業の成果も確かめます。特にBtoBでは、AI経由の直接のコンバージョンだけでなく、次のような情報も組み合わせると、GEO対策が購入までのどこに影響したかをつかみやすくなります。

  • 問い合わせのときの、認知のきっかけ
  • 商談のときに、どこで会社を知ったか
  • AIで比べたあとの指名検索
  • AI経由で見られたページ

AIに引用されたかだけを、KPIにしてはいけない理由

GEO対策では、AIに引用された割合が、分かりやすい指標として使われることがあります。それだけを見て施策の成功・失敗を判断するのは適切ではありません。

引用 ≠ 言及 ≠ 推薦 ≠ ブランドの認識

自社の記事が回答の根拠として引用されていても、ブランド名は本文に出ていないことがあります。逆に、ブランド名は言及されていても、リンクは引用されていないこともあります。自社が推薦されていても、その理由が実際の強みと違っていることもあります。

Genviewの調査では、Geminiは化粧品ブランドのキュレルの名前を62回答で挙げていましたが、キュレルのページを引用していたのは3回答でした。引用と言及は、同じ回答の中でも別々に起きています(出典:株式会社FID/Genview「AIがあなたの会社の名前を出すとき、見ているのは自社サイトとは限らない」2026年9月)。

GEO対策では、「引用されたか」だけでなく、「誰の、どの質問に対して、どんな存在として選ばれているか」を見ます。AIに引用されることと売上の関係は、AIに引用されても売上は増えないで解説しています。

KPI・KGIとTOFU・MOFU・BOFUの関係

KPI・KGIと、TOFU・MOFU・BOFUは別の軸

GEO対策では、KPI・KGIとTOFU・MOFU・BOFUが混同されることがあります。この2つは別の軸です。

KPI・KGIとTOFU・MOFU・BOFUが表しているもの

概念 何を表すか
KGI・KPI 目標・指標の階層
TOFU・MOFU・BOFU お客様の検討の段階

TOFUは情報収集、MOFUは比較・検討、BOFUは導入・購入に近い段階を表します。たとえば「CRMとは?」はTOFU寄り、「中小企業向けのCRMを比べて」はMOFU〜BOFU寄り、「おすすめのCRMを教えて」は、より購入・導入に近い質問になる場合があります。

その質問で自社が推薦された割合は、KPIです。つまり、BOFUの質問での推薦率もKPIになり得ます。「KPI=TOFU、KGI=BOFU」と一対一で対応するわけではありません。

検討の段階によって、重く見るKPIは変わる

同じ企業でも、お客様の検討の段階によって、重く見るKPIは変わります。

検討の段階ごとの質問の例と、重く見やすい指標

段階 質問の例 重く見やすい指標
TOFU 「GEOとは?」 引用、言及、ブランドの認識
MOFU 「GEO対策ツールを比べて」 言及、推薦、競合と比べた割合
BOFU 「おすすめのGEO対策ツール」 推薦、ブランドの認識、AI経由の流入、コンバージョン

TOFUでは、まず情報源・専門の領域として認識されることを見ます。MOFUでは、競合と並んで比較の候補に入っているか。BOFUでは、具体的に推薦され、そのあとのサイトの訪問や問い合わせにつながっているかです。

すべての質問に同じKPIを決めるより、質問の役割ごとに期待する成果を決めるほうが実務的です。

KPIはいくつ決めればよいか・正解の数値はあるか

KPIは絞る

追える数字をすべてKPIにする必要はありません。おすすめは、次くらいに絞ることです。

  • KGI:1〜2個
  • 主なKPI:3〜5個くらい
  • 補助の指標:必要に応じて確かめる

たとえばBtoBの企業なら、KGIを「商談数」とし、主なKPIを次のように決める形が考えられます。

  • BOFUの質問での適合率(正しく言及された割合)
  • 自社サイトの参照率
  • 誤認識率
  • AI経由の流入
  • 指名検索

見るべきは数字の数ではなく、その数字がKGIとどう関係しているかを説明できるかどうかです。

共通の「正解の数値」はない

今のところ、「引用率30%以上なら成功」「AI経由の流入100件なら成功」「推薦率50%以上なら成功」のような、すべての企業に共通する基準を置くのは適切ではありません。業界、企業の規模、質問の数、AI、競合の数、購入までの流れなどによって、数字の意味が変わるためです。

まずは一定期間データを取り、自社の基準(ベースライン)をつくります。そのうえで、前月比、施策の前後、AI別、質問別、段階別、競合比で変化を確かめます。絶対の値だけでなく、自社と競合の推移を見てください。

GEO対策のKPIをどう測るか

GEO対策の効果測定は、一つのツールだけでは完結しません。いくつかのデータを組み合わせます。気をつけたいのは、一つのデータの出どころを、GEO対策全体の成果とみなさないことです。

AIの回答の定点観測

まずは、実際のAIの回答を確かめます。測る質問を決め、ChatGPT、Gemini、Perplexityなどで回答を確かめて、次のことを記録します。

  • 自社が言及されたか
  • 正しく説明されたか
  • 推薦されたか
  • 自社サイトが参照されたか
  • どのURLが参照されたか
  • 競合がどう扱われているか

手作業でも確かめられますが、質問やAIの数が増えると続けるのが難しくなるため、自動で見守る仕組みが要ります。確かめ方の詳しい手順は、AI検索で自社が出ているか確認する方法|名前・説明・引用元の見方で解説しています。

Google Search Console

Google Search Consoleでは、Google検索の中の生成AIの機能に関する成果のデータを確かめられる場合があります。これはGoogle検索の中のデータで、ChatGPTやPerplexityなどを含むGEO対策全体の成果を表すものではありません。

Google検索の上で、ブランド名やサービス名を含む検索の推移も確かめられます。たとえば、ブランド名の表示回数とクリック数、「ブランド名+サービスのカテゴリ」「ブランド名+評判」「ブランド名+料金」などです。AIでサービスを知ったお客様が、そのあとGoogleでブランド名を検索している可能性を見るときの参考になります。なお、指名検索を確かめる主なツールは、GA4ではなくGoogle Search Consoleです。

GA4

GA4では、AIのサービスからサイトへ移ったお客様の一部を確かめられます。たとえば、AI経由のセッション、ランディングページ、エンゲージメント、コンバージョンなどです。

AIを見たあとに指名検索したお客様や、別の端末から訪れたお客様まで、直接結び付けられるわけではありません。GA4だけで「GEO対策による売上」を完全に測ることはできず、Webの解析だけで事業への貢献を追い切るのは難しいと考えておきます。

GEO対策の計測ツール

たくさんの質問や、いくつものAIのサービスを続けて確かめる場合は、専用のツールを使う方法があります。ツールの選び方は、GEO対策ツールの比較で解説しています。

CRM・問い合わせの情報

「ChatGPTで知った」「AI検索で比べた」など、アクセス解析だけでは取れない認知のきっかけを、問い合わせのフォームや商談の記録で補います。

「何回中何回」で測る|AIの回答は毎回変わる

1回の結果で判断しない

生成AIの回答は固定されていません。同じAIに同じ質問をしても、自社が出る日、出ない日、引用元が変わる日、表現が少し変わる日があります。質問の文、AIのサービス、モデル、言語、地域、時期などによって、回答や引用元が変わることもあります。

「今日ChatGPTに出なかったから、GEO対策は失敗した」とは判断できません。Genviewの実験では、同じ質問を聞き直したときに、引用されたサイトが同じだった割合は、ChatGPTで32.6〜63.0%、Geminiで38.0〜53.2%でした(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTなどの生成AIは毎回違う回答をするのに、GEO対策は効果があるのか」2026年9月)。

それでも、傾向は測れる

AIは、毎回ゼロから答えを選び直しているわけではありません。6回聞いて回答の文章が完全に一致することはほとんどありませんでしたが、6回とも同じ名前が挙がる質問が、業界やAIによって32.1〜95.7%ありました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答は毎回違う。それでも同じ企業名は毎回言及される」2026年9月)。単発の回答ではなく、一定の期間での「何回中何回、自社が出たか」を見れば、AIの上での状態は測れます。

条件をそろえて、続けて見る

比べるときは、次の条件をできるだけそろえ、続けて変化を見ます。

  • 質問
  • AIのサービス
  • 言語
  • 対象の地域・市場
  • 測る時期
  • そのほかの主な観測の条件

特定の回数だけを業界共通の正解とするのではなく、同じ条件で続けて観測できる計測のルールを社内で決めておくほうが、実務では扱いやすくなります。Genviewの調査では、同じ質問を6回確かめる形で傾向を見ています。

施策の効果が数字に表れるまでの期間の目安は、FAQのGEO対策はどのくらいで効果が出ますか?で答えています。

AIごとに分けて見る

一つのAIだけを見て判断するのも避けます。Genviewの実験では、同じサイトが6回とも引用されていても、6回すべてに同じページが出ていた割合は、ChatGPTでは6.0〜36.8%、Geminiでは57.9〜85.2%でした(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTは同じサイトの別のページを引用します。Geminiは同じページを引用し続けます」2026年9月)。AIによって引用のされ方が大きく違うので、重点を置く質問は、AI別・質問別・日時別に変化を追います。

自社のBefore/Afterだけで、効果を判断しない

GEO対策の前と後で数値がよくなっても、そのすべてが自社の施策の効果とは限りません。AIのサービスでは、モデルや検索の機能、情報の取り方などが、続けて変わっています。

たとえば、施策の前の言及率が20%、施策の後が30%だったとします。この結果だけでは、10ポイントの増加がすべて自社の施策によるものとは言い切れません。同じ期間に競合も増えているかもしれませんし、AIのサービス全体で、特定の種類のサイトが出やすくなったのかもしれません。

できれば、次の点もあわせて確かめます。

  • 競合の変化
  • 施策をしていないページ・質問との比較
  • 市場全体の変化
  • AIのサービス側のアップデート

GEO対策では、絶対の値だけでなく、相対的に、また時間の流れの中で変化を見ます。

弊社が自社のキーワードで実際に効果を測っている記録は「GEO対策の効果はどう測る?自社の計測記録で見る4つの指標と比べ方」で公開しています。

KPIが悪かったとき、何を直すか

KPIは、報告の資料を作るためだけにあるものではありません。測った結果から「何が足りないのか」を見つけ、次の改善につなげることが目的です。

測る → 差を見つける → 原因を考える → 直す → もう一度測る

KPIを分けて見ると、「GEO対策がうまくいっていない」という一括りの判断ではなく、どの段階に課題があるかを見つけやすくなります。

KPIに出た状態ごとの、考えられることと確かめること

状態・課題 考えられること 確かめること・直すこと
AIに言及されない 質問に答える情報が足りない 質問に必要な情報、比べる材料、サービスの説明
AIに参照されない 根拠として使える情報が足りない 一次情報、根拠、ページの構造、参照してほしいページ
引用はされるが、推薦されない 情報源としては認識されているが、比較の候補としてのブランドの情報が足りない 対象のお客様、強み、他社との違い
競合ばかり推薦される 選ばれる理由が伝わっていない 対象のお客様、強み、他社との違い、第三者の情報
言及されるが、説明がズレている・誤っている 公式情報と外部の情報が合っていない 公式情報、古いページ、第三者の情報との食い違い
推薦されるが、AI経由の流入が少ない AIの回答の中で検討が終わっている可能性 指名検索や、問い合わせのきっかけまで確かめる
AI経由の流入はあるが、コンバージョンしない サイトに来たあとの導線に課題 ランディングページ、サービスの説明、問い合わせへの導線、対象の質問
指名検索が伸びない 比較・推薦の場面での出方が弱い 比較・推薦の質問での出方と文脈

たとえば「言及なし」が多い場合と、「言及されるが誤って認識されている」場合では、打ち手はまったく違います。

原因は、AIに聞かずに外から確かめる

原因を考えるとき、AIに「なぜうちが出ないの?」と聞いても、返ってくる説明は判断の記録ではありません。Genviewの実験では、質問に「知り合いの皮膚科医が勧めていた」と一文足すと、AIのおすすめは120回中119回その商品に変わりましたが、その一文を決め手として説明したのは4割ほどでした(出典:株式会社FID/Genview「AIに「その回答の根拠は?」と聞いても、返ってくるのは判断の根拠とは限らない 3つのAIに600回質問してわかったこと」2026年9月)。原因の手がかりは、同じ質問を繰り返して、何回中何回自社が出るか、どの情報源が引用されているかを外から確かめることで得られます。

ほかの会社は、GEO対策のKPIをどう考えているか

GEO対策のKPIの考え方は、まだ業界で一つに決まっていません。引用の割合を重く見る考え方、ブランドの言及を中心に置く考え方、AI経由の流入を重く見る考え方など、会社によって主張が分かれています。

このページで紹介したのは、Genviewの考え方です。ほかの会社がどんな指標を提案しているか、その違いと共通点は、GEOのKPIは各社でどう違うのか|4社の公開記事から見る5つの考え方で比べています。

GenviewでGEO対策のKPIを確かめる

Genviewでは、事業の成果に近い質問を登録し、AIの回答の上で自社や競合がどう扱われているかを確かめながら、改善につなげることができます。

登録した質問を、毎日計測する

Genviewでは、登録した質問を1回だけ確かめて終わりにはしません。Baseプランでは、ChatGPT・Geminiを標準で使え、Claude・Perplexity・Grokを加えると、最大5つのAIで計測できます。そして、登録中のすべての質問を毎日見守ります。

たとえば、最初の15問を、ChatGPT・Geminiの2つのAIで計測している場合、15問×2つのAIで、1日30回の計測の結果が積み上がります。

この計測の結果から、次の状態を確かめます。

  • 言及(正しく言及されたか)
  • 参照
  • 登録したURLの参照
  • 誤認識
  • 言及なし

TOFU・MOFU・BOFUごとに結果を切り替えて見ることもできます。たとえば月の中で「8 / 12」と表示されている場合は、12回の計測のうち8回がその状態だったという意味です。毎月1日に分母はリセットされるので、月の初めの少ないデータだけで判断せず、一定の数の計測の結果が積み上がってから傾向を見る仕組みです。

自社名が出ていても、別の会社と誤って認識されていたり、古い情報で紹介されていたりすれば、同じ「言及」として扱うべきではありません。そのためGenviewでは、言及と誤認識を分けて数えています。改善が必要な質問については、内容・構造・外部の要因の3つの方向から改善案を確かめられます(Genviewのクエリ改善)。

「ブランドの認識」と「質問」は分けて見る

Genviewでは、GEO対策の成果を一つの数字だけで判断しません。大きく2つに分けて確かめます。

Genviewで確かめる2つのもの

見るもの 何を確かめるか 流れ
ブランドの認識 AIが自社をどう理解・説明しているか 理想 → 実際のAIの回答 → ズレ → 改善
質問 重点を置く質問に対して、自社が言及・参照されているか 質問 → AIの回答 → 言及・参照・誤認識 → 改善

ブランドの認識では、理想の姿と実際のAIの回答のズレを、事実の単位で確かめます(ブランド認識改善)。さらにGA4と連携すると、AI経由のセッション、ランディングページ、流入元ごとの流入も確かめられます(AI流入分析(GA4))。

「AIにどう見られているか」と「そのあとお客様がどう行動したか」を別の指標として確かめながら、最終的な事業の成果との関係を見る考え方です。一つのスコアだけを見るのではなく、「どの質問で、どの状態を目指し、今どこにズレがあるのか」を確かめることで、GEO対策の計測を「数字を見る作業」から「次に何を直すかを決める仕組み」に変えられます。

よくある質問

Q GEO対策で最も重く見るべきKPIは何ですか?

A

すべての企業に共通する、ただ一つのKPIはありません。事業の目的と質問によって、引用、言及、推薦、ブランドの認識、AI経由の流入、コンバージョンなどの重みは変わります。まずKGIと、「どのお客様の、どの質問で、どのように選ばれたいか」を決め、その状態を測れるKPIを選びます。

Q GEO対策では、AIに引用されたかだけを見ればよいですか?

A

引用はKPIの一つになり得ますが、それだけでは足りません。引用されていてもブランド名が言及されていないことや、競合だけが推薦されていることがあります。引用、言及、推薦、ブランドの認識(回答の正確さ)、競合との比較、お客様の行動などを分けて確かめます。

Q GEO対策のKPIは、SEOのKPIとどう違いますか?

A

SEOでは、検索順位、表示回数、クリック数、検索からの流入などが主な指標です。GEO対策ではそれに加えて、AIの回答の上での引用、言及、推薦、ブランドの認識、競合と比べた状態などを確かめます。SEOの指標を捨てるのではなく、AIの回答の上の指標を加えて評価します。

Q GEO対策のKGIは、コンバージョンですか?

A

コンバージョンだけとは限りません。BtoBなら商談・受注、ECなら購入・売上、採用なら応募・採用など、事業の目的に合わせて決めます。GEO対策だけに決まったKGIがあるわけではありません。

Q GEO対策では、TOFUがKPI、BOFUがKGIという理解で合っていますか?

A

違います。TOFU・MOFU・BOFUはお客様の検討の段階、KPI・KGIは目標の階層です。BOFUの質問での推薦率も、KPIとして決められます。

Q GEO対策では、何問の質問を測ればよいですか?

A

業界共通の決まった数はありません。数を増やすことより、自社の事業の目的や、お客様の検討の流れに関係する質問を選ぶほうが先です。Genviewでの質問の数の考え方は、なぜ最初の登録クエリ数が15個なのかで解説しています。

Q AIの回答が毎回変わる場合、GEO対策のKPIはどう測りますか?

A

1回の回答では判断せず、同じ質問を、同じAI・言語などの条件をそろえて続けて観測します。単発の結果ではなく、一定の期間での「何回中何回」という傾向で見ます。Genviewでは登録中の質問を毎日見守り、月の中の計測の結果を積み上げて傾向を確かめます。

Q AI経由の流入が少なくても、GEO対策は成功と言えますか?

A

流入だけでは判断できません。AIの回答で自社が比較の候補に入り、そのあとに指名検索や別の経路でサイトを訪れることも考えられます。AI経由の流入だけでなく、言及、推薦、ブランドの認識、指名検索、コンバージョンなどを組み合わせて評価します。

Q AI経由の売上は、GA4だけで測れますか?

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完全には測れません。AIのサービスから直接サイトへ移った一部の流入は確かめられますが、AIで知ったあとにGoogleで指名検索したケースや、別の端末から訪れたケースなどは、直接結び付けられないことがあります。AIの回答の観測、GA4、Google Search Consoleなどを組み合わせて判断します。

まとめ

GEO対策のKPI・KGIの決め方

回答の質 → AIでの見え方 → お客様の行動 → 事業の成果

GEO対策のKPI・KGIは、「AIに引用されたらKPI達成、コンバージョンが増えたらKGI達成」と、二つに分けるだけでは足りません。

まず、事業として何を最終的な成果にしたいのかを、KGIとして決めます。そのうえで、どのお客様の、どの質問で、自社がどのように選ばれたいのかを決め、上の4つの階層でKPIを決めます。

組み合わせる指標は、引用、言及、推薦、ブランドの認識、競合との比較、AI経由の流入、指名検索、問い合わせ・受注などの事業の成果です。KPI・KGIとTOFU・MOFU・BOFUは別の概念で、どの段階の質問でも、言及率・推薦率・参照率などをKPIとして決められます。

AIの回答は変わるため、一度の回答だけで成果を判断しないでください。重点を置く質問で、期待する状態に近づいているかを「何回中何回」で続けて測り、改善につなげます。AIに出たかどうかではなく、どの質問で、どう説明され、その変化が事業の成果にどうつながっているのかを見る。これがGEO対策のKPI・KGIの決め方の基本です。

この記事を書いた人

吉田 清登 / Yoshida Kiyoto

株式会社FID 執行役員CMO / Genview プロダクトマネージャー / JECCICA客員講師

通販業界20年以上。再春館製薬所で越境EC・タイチームの管理を経て、現在は Genview の事業責任者。

得意分野のCRMのエッセンスをGEO対策に取り入れたのが Genview です。AI時代の接客は BtoC with AI。主役はお客様で、AIはその間に入った存在です。お客様に伝えると同時に、AIにも自社を正しく伝える。AIを通してどう伝わっているかを、実際に測って確かめています。

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