Retrieval(リトリーバル)とは、AI・情報検索の文脈で、ユーザーの質問や目的に関連する情報を検索対象となるデータの中から探し出して取得する処理です。

AI検索やRAGでは、回答を生成する前に、質問に関連する情報を取得する場合があります。

この情報取得を担う処理がRetrievalです。

Retrievalは回答そのものを生成する処理ではありません。

回答生成に利用できる情報候補を探し出し、その情報をLLMなどの生成モデルへ渡す役割を持ちます。

30秒でわかる結論

Retrieval(リトリーバル)とは、AIが回答を生成する前に、質問や目的に関連する情報を検索対象から探して取得する処理です。

AI検索全体の仕組みについては、AI検索の仕組みとは|情報取得からLLMによる回答生成までで解説しています。

Retrievalとは

Retrieval(リトリーバル)は、日本語では「検索」「取得」「情報取得」などと訳されます。

AIや情報検索の文脈では、ユーザーの質問に関連する情報を、大量のデータの中から探し出して取得する処理を指します。

例えば、

2026年の生成AI市場の動向を教えて

という質問に回答する場合、システムは必要に応じて関連する文書やWebページ、データなどを探します。

この「回答に利用できる可能性がある情報を探して取得する処理」がRetrievalです。

Retrieval自体は文章を作成する処理ではありません。

役割は、回答生成に利用する情報候補を準備することです。

Retrievalはどのように行われるのか

Retrievalの方法は一つではありません。

検索対象やシステム設計によって、複数の方式が利用されます。

キーワード検索

検索語と文書内の単語やフレーズの一致などをもとに、関連する情報を探す方法です。

従来の検索システムでも利用されてきた代表的な方法です。

ベクトル検索

文章や質問をベクトルと呼ばれる数値表現に変換し、意味的に近い情報を探す方法です。

完全に同じ単語が含まれていなくても、意味が近い情報を取得できる場合があります。

ただし、Retrieval=ベクトル検索ではありません。

ベクトル検索は、Retrievalを実現する方法の一つです。

ハイブリッド検索

キーワード検索とベクトル検索など、複数の検索方式を組み合わせる方法です。

文字列としての一致と、意味的な近さの両方を利用して情報を取得できます。

RetrievalとRAGの関係

Retrievalは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)を理解するうえで重要な処理です。

RAGでは、一般的に以下のような流れで回答を生成します。

質問 → Retrievalで関連情報を取得 → 取得情報をLLMへ渡す → LLMが回答を生成

用語 主な役割
Retrieval 関連情報を検索・取得する
Generation 取得情報などをもとに回答を生成する
RAG RetrievalとGenerationを組み合わせる仕組み

RetrievalはRAGを構成する一つの処理であり、RAGそのものを意味するわけではありません。

RAGについて詳しくは、RAGとは?意味・仕組みとAI検索における役割で解説しています。

Retrieval・Grounding・Rankingの違い

Retrievalと一緒に使われることが多い概念として、GroundingやRankingがあります。

用語 主な意味・役割
Retrieval 回答生成に利用できる情報候補を検索・取得する処理
Ranking 取得候補を関連性などに基づいて順位付けする処理
Grounding 回答を情報源やデータに基づかせる考え方

Retrievalは「情報を探して取得する処理」です。

一方で、Rankingは取得した候補を整理する処理、Groundingは生成された回答と根拠となる情報を結び付ける考え方です。

それぞれ役割が異なるため、同じ概念として扱うことはできません。

RetrievalとAI検索の関係

Retrievalは、AI検索が外部情報を利用して回答する仕組みを理解するうえで重要な概念です。

AI検索では、ユーザーの質問に応じてWebや検索インデックスなどから関連情報を取得し、その情報を利用して回答を生成する場合があります。

概念的には、

ユーザーの質問 → 関連情報をRetrieval → 情報を選択・整理 → LLMが回答生成

という流れで理解できます。

ただし、AI検索サービスごとに検索対象、取得方法、ランキング、回答生成の仕組みは異なります。

公開されていない内部処理について、特定のRetrieval方式を使っていると断定することはできません。

GenviewではRetrievalをどう捉えているか

Genviewでは、RetrievalをGEO専用の施策や「攻略対象」とは捉えていません。

Retrievalは、AI検索が回答を生成する前に、どのような情報取得処理が行われるのかを理解するための基礎概念として位置づけています。

企業側で重要なのは、特定のRetrievalアルゴリズムを推測して対策することではありません。

重要なのは、

を確認することです。

また、AI検索やRAGでは、取得される情報の関連性や品質が回答内容に影響する場合があります。

ただし、Retrievalされた情報が必ず最終回答に利用されたり、引用されたりするわけではありません。

Retrievalについてよくある誤解

誤解①:RetrievalはWeb検索だけを指す

Retrievalの対象はWebだけではありません。

対象には、

などがあります。

誤解②:Retrievalはベクトル検索と同じ意味である

ベクトル検索はRetrievalに利用される方法の一つです。

Retrievalには、

など複数の方法があります。

誤解③:Retrievalされた情報は必ず回答に使われる

Retrievalは、回答に利用できる情報候補を取得する処理です。

取得後の選択やランキング、回答生成の過程によって、利用されない情報もあります。

誤解④:RetrievalされればAI回答に引用される

Retrievalと引用は別の段階です。

情報が取得候補になったとしても、最終回答で利用されるか、情報源として表示・引用されるかは別の問題です。

よくある質問

Q. RetrievalとRAGの違いは何ですか?

A. Retrievalは、回答生成に利用する関連情報を検索・取得する処理です。RAGは、Retrievalで取得した情報をLLMによる回答生成に利用する仕組みです。

Q. Retrievalとベクトル検索は同じ意味ですか?

A. いいえ、同じ意味ではありません。ベクトル検索はRetrievalを実現する方法の一つです。Retrievalにはキーワード検索やハイブリッド検索など、複数の方式があります。

Q. Retrievalされた情報は必ずAI回答に利用されますか?

A. いいえ。Retrievalは回答生成に利用できる情報候補を取得する処理です。取得後の選択やランキング、回答生成の過程によって利用されない場合があります。

Q. RetrievalされるとAIに引用されますか?

A. 必ず引用されるわけではありません。Retrievalによる情報取得と、AI回答内で情報源として表示・引用されることは別の段階です。

まとめ

Retrieval(リトリーバル)とは、AI・情報検索の文脈で、ユーザーの質問や目的に関連する情報を検索対象となるデータから探し出して取得する処理です。

Retrievalは回答生成そのものではなく、回答に利用できる情報を準備する前段処理です。

RAGでは、Retrievalによって取得した情報をLLMの回答生成に利用します。

また、Retrievalはベクトル検索そのものではなく、キーワード検索やハイブリッド検索など複数の方式を含む概念です。

AI検索を理解する際には、Retrievalだけを見るのではなく、Ranking、Grounding、LLMによる回答生成までを一連の流れとして捉えることが重要です。

参考文献・参考ページ

外部参考ページ

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