著者:吉田 清登(株式会社FID CMO / Genview PM) 公開:2026-08-28

Google検索で上位にいるサイトの半分以上は、AIの回答には引用されていませんでした。

15業界450問で、Google検索の上位10位に出たサイトを4つの種類に分け、同じ質問でChatGPTまたはGeminiの回答に登場(引用)したかを数えました(2026年8月)。

この記事の「登場」は、AIの回答に付いた引用URLのことです。回答本文に社名が出たか(言及)は数えていません。

AIに引用された

43.6%

ChatGPT

7.1%

Gemini

40.6%

「SEOはきちんとやっているので、GEOのほうも大丈夫だと思います」。商談でサイトの話になると、よくこう言われます。

あまりによく言われるので、こちらも「そうとは限りませんよ」とは答えていました。ただ、反論の根拠になる数字を、手元に持っていませんでした。

そこで、自分たちで調べました。前回はAIが引用したURLを起点に数えたので、今回は逆から見ます。

30秒でわかる結論

  • Google検索の上位10位に出たサイトのうち、同じ質問でAIにも引用されたのは43.6%だった
  • ChatGPTに引用されたのは7.1%。14件に1件しかない
  • Geminiは40.6%で、ChatGPTとは5倍以上の開きがあった
  • 検索で上位にいることと、AIに引用されることは、別に確かめる必要がある

この記事で扱う範囲

AI別・サイトの種類別・業界別の引用率/同じサイトが繰り返し引用される構造/この調査から言えないこと

業界によって、上位に来る種類が入れ替わる

Google検索の上位10位に出たサイトを、種類ごとに分けて数えました。同じ質問でChatGPTまたはGeminiのどちらかに引用されていれば「引用あり」としています。数え方の単位は「質問×サイト」です。同じサイトが10個の質問で上位10位に出ていれば、10件として数えます。

この記事での「サイトの種類」

  • 公式サイト … 商品・サービスを提供する企業やブランド、事業者自身が運営するサイト
  • 比較サイト … 複数の商品・サービス・企業を、一定の比較軸で並べて紹介することを中心としたサイト
  • メディア … 特定のテーマや業界について、ニュース、解説、専門情報などを継続的に発信する媒体。Q&Aサイトや口コミサイトなど、利用者の投稿が中心のサイトも、本調査ではここに含みます
  • アフィリエイトサイト … 商品・サービスの紹介や比較を行い、成果報酬型の送客を主な収益構造とするサイト

どの種類が優れているかを評価するための分類ではありません。情報源の構成を見るための軸です。

業界 上位10位に出た AIにも引用された 引用された割合 最も高かった種類 その割合
中古車 265件 141件 53.2% 比較サイト 66.0%
アパレル 288件 143件 49.7% 公式サイト 56.2%
保険 284件 139件 48.9% 比較サイト 56.0%
SaaS 284件 139件 48.9% メディア 55.6%
化粧品 277件 134件 48.4% 公式サイト 53.3%
不動産 277件 134件 48.4% 比較サイト 64.6%
サプリ 286件 134件 46.9% 比較サイト 66.7%
食品・飲料 279件 127件 45.5% 公式サイト 54.4%
士業 273件 112件 41.0% 比較サイト 52.0%
引っ越し 272件 111件 40.8% 比較サイト 48.2%
家電 289件 115件 39.8% 公式サイト 49.3%
旅行・ホテル 267件 99件 37.1% 公式サイト 48.1%
医療 284件 104件 36.6% 公式サイト 41.5%
転職 286件 103件 36.0% アフィリエイトサイト 46.2%
英会話 279件 92件 33.0% メディア 42.1%

※1 母数が5件に満たない種類は、最も高かった種類の判定から外しています。「引用された割合」は、種類が「複数」と記録されたサイトも含めた全件で数えています。最も高かった種類は、種類が決まったサイトだけで比べています。

公式サイトが最も高かったのは15業界のうち6業界です。 残りでは比較サイト(6業界)、メディア(2業界)、アフィリエイトサイト(1業界)が上に来ました。

差の大きさも業界で違います。不動産では比較サイト64.6%に対して公式サイト45.0%で、19.6ポイント離れています。保険は比較サイト56.0%と公式サイト48.6%で、7.4ポイント差です。

「AIでは公式サイトが強い」とも「第三者サイトが強い」とも、一括りにはできません。

業界ごとの詳しい結果は、記事の最後にまとめています。

全体では、どの種類が高かったか

15業界をまとめると、順位はこうなりました。

Google上位10位に出たサイトのうち、AIにも引用された割合 15業界450問で、Google検索の上位10位に出たサイトを4つの種類に分け、同じ質問でChatGPTまたはGeminiにも引用された割合を示した横棒グラフ。公式サイト48.0%、比較サイト44.7%、メディア35.4%、アフィリエイトサイト31.5%で、4つとも50%に届いていない。 Google上位10位に出たサイトのうち、AIにも引用された割合 0% 25% 50% 75% 100% 公式サイト 1,046 / 2,181件 48.0% 比較サイト 356 / 797件 44.7% メディア 284 / 803件 35.4% アフィリエイトサイト 76 / 241件 31.5% 破線が50%(半分)
Google検索の上位10位に出たサイトのうち、同じ質問でAIにも引用された割合。4つの種類のどれも、半分には届きませんでした。

Google上位10位に出たサイトは、全部で4,190件(質問×サイト)。そのうちAIにも引用されたのは1,827件で、43.6%です。

上の図は、そのうち種類が確定した4,022件の内訳です。いちばん高かった公式サイトでも、48.0%でした。 検索で上位10位に入っている自社の公式ページのうち、半分強はAIの回答に引用されていません。

ChatGPTとGeminiで、5倍以上の開きがあった

同じ4,190件を、AIごとに分けて数えました。

AI AIにも引用された 引用された割合
Gemini 1,703件 40.6%
ChatGPT 298件 7.1%
どちらかに引用された 1,827件 43.6%

ChatGPTが引用したのは、14件に1件です。 Geminiとは5倍以上の開きがあります。両方に引用されたのは174件でした。

業界別に見ても、この差は変わりません。ChatGPTが最も高かったのはアパレルの11.8%、最も低かったのは医療の3.9%です。15業界すべてで、ChatGPTは12%を超えませんでした。

この数字の読み方

これは「ChatGPTの引用が少ない」という話ではありません。ChatGPTの引用は450問で2,142件あります。そのほとんどが、Google上位10位の外にあったということです。

比較サイトは、同じドメインが何度も出てくる

引用された件数を、ドメインの数で割ってみました。

サイトの種類 業界×ドメイン数 引用されたクエリ数 1ドメインあたり
比較サイト 112件 356件 3.2クエリ
メディア 178件 284件 1.6クエリ
公式サイト 720件 1,046件 1.5クエリ
アフィリエイトサイト 64件 76件 1.2クエリ

公式サイトは、幅広いドメインに散らばっています。1社あたり1.5問です。比較サイトは、同じドメインが平均3.2問に出てきます。

実際の顔ぶれを見ると、この差がはっきりします。

クエリ数 サイト 業界
19問 引越し侍 引っ越し
18問 SUUMO引越し 引っ越し
14問 LIFULL HOME'S 不動産
14問 SUUMO 不動産
14問 グーネット 中古車
13問 保険見直し本舗 保険

引越し侍は、引っ越しの30問のうち19問でAIに引用されています。 公式サイトで最も多かったのはネクステージ(中古車)の21問で、それ以外は10問以下でした。

この数字の読み方

これは「一度引用されると、その後も引用されやすくなる」という話ではありません。2026年8月時点で、複数の質問に同じドメインが出ていた、という観察です。

15業界450問の調査から言えること

Q1. なぜ業界によって、引用される種類が違うのですか?

今回の調査では、理由までは分かりません。サイトの作り方、業界ごとの情報源の数、質問の型など、複数の要素が考えられますが、どれも確かめていません。

考え方としては、AIが1つの質問に答えるとき、複数のページを組み合わせて回答を作っている、という前提に立つと見通しが立ちます。その材料がどこに揃っているかが業界で違う、という仮説です。ページの役割という観点での整理は、SEO対策とGEO対策で、記事の書き方は違うのか?でまとめています。

同じ450問を、逆から数えた調査との違い

この記事は「Google検索の上位10位」を起点にしています。同じ450問のデータを、AIの引用を起点にして数えた記事もあります。

調査 起点 分母 結果
この記事 Google上位10位に出たサイト 4,190件 43.6%がAIにも引用された
逆から数えた記事 AIが引用したURL 8,006件 25.0%がGoogle上位10位にいた

分母が違うので、43.6%と25.0%は直接比べられません。 どちらの側から見るかで、同じデータがまったく違う数字になります。

15業界450問の調査から言えないこと

  • 公式サイトなら48.0%の確率でAIに引用される、という意味ではありません。 今回Google上位10位に出た「質問×サイト」を分母にした値です。世の中のすべての公式サイトの話ではありません
  • 公式サイトがAIに最も強い、とは一般化できません。 全体では最も高くなりましたが、業界別では比較サイト・メディア・アフィリエイトサイトが最も高い業界もありました
  • 比較サイトに掲載されればAIに引用される、とは言えません。 掲載の前と後を比べていないので、因果は判断できません
  • サイトの種類だけで説明はできません。 ページの内容、質問、取得した時点、AIの種類など、ほかの条件をそろえた分析ではありません
  • 引用と、言及・推薦は別です。 URLが引用されていても、回答本文に社名が出ているとは限りません
  • 2026年8月時点の結果です。 AIの回答は変わるので、いまも同じ割合になるとは限りません

観測条件

  • 質問(クエリ):15業界×各30問=450問。おすすめ・候補選定/比較・違い/選び方・判断基準/悩み・トラブル/定義・使い方の5つの型で、どの業界も6問ずつ作りました。各業界の30問は、この記事の最後にある業界別の記事に載せています
  • 観測日:2026年8月7日〜11日。業界ごとに、AIの回答とGoogle検索の上位10位を同じ日に取得しました(食品・飲料だけ、Google検索が8月9日、AIの回答が8月10日)
  • 観測回数:1回。450問 × 2つのAI = 900回答。Google検索は450問 × 上位10位
  • 対象AI:ChatGPT/Gemini(どちらもWeb版。モデル名は記録していません)
  • 取得方法:AIの回答は、Genview の管理画面から書き出したCSVです。Google検索の上位10位は、パソコンのChromeのシークレットウィンドウで、東京から検索して記録しました
  • 集計の基準:単位は「質問×サイト」です。サイトはドメインで分けていますが、サブドメインは、元のデータのまま別のサイトとして数えています。同じサイトが10個の質問で上位10位に出ていれば、10件として数えます。同じ質問でChatGPTまたはGeminiのどちらかに引用されていれば「引用あり」としました。AIが引用を1件も付けなかった回答は、「引用0件」として数えています。引用された割合 = 同じ質問で上位10位かつAI引用ありだった件数 ÷ 上位10位に出た件数
  • サイトの種類の分け方:上位10位に出たドメインを、公式サイト/比較サイト/メディア/アフィリエイトサイトの4つに分けました。種類が「複数」と記録されていた168件は、種類別の集計からだけ外しています。業界別の「引用された割合」、全体の割合(43.6%)、AI別の割合は、外さずに4,190件で計算しています
  • 辞書の時点:この記事は引用(どのサイトを見たか)だけを数えているため、社名の辞書は使っていません
  • この記事で数えていないもの:Geminiの転送用URL(vertexaisearch.cloud.google.com)は、行き先のサイトが特定できないため数えていません(15業界で64件)。回答本文に社名が出たか(言及)と、推薦されたかどうかも数えていません

この割合は、上位にいたからAIに引用された、という因果を示すものではありません。同じ時期に観測した2つの集合が、どれだけ重なっていたかを数えたものです。

同じ条件でもう一度観測しても、数字は一致しません。AIの回答は1回ごとに変わり、同じ日に3分あけて聞き直しても、引用元の重なりは4割前後でした(法律事務所・2026年9月13日)。

集め方や数え方の詳しい説明は、調査方法にまとめています。

よくある質問

Q SEOで上位のサイトは、AIにも引用されるのですか?

A

今回の調査では、Google検索の上位10位に出たサイトのうち、同じ質問でChatGPTまたはGeminiにも引用されたのは43.6%でした。AI別に見ると、Geminiが40.6%、ChatGPTが7.1%です。重なる部分はありますが、上位にいれば引用される、という関係ではありません。検索順位とAIの引用は、別々に確認する必要があります。

Q 「公式サイト48.0%」は、公式サイトなら48%の確率でAIに引用されるという意味ですか?

A

違います。今回Google検索の上位10位に出た「質問×サイト」の組み合わせを分母にした値です。同じサイトが10個の質問で上位10位に出ていれば、10件として数えています。世の中のすべての公式サイトについて、48%の確率で引用されるという意味ではありません。

Q 「引用された割合」は、SEOからAIへ移った割合ですか?

A

違います。同じ時期に観測した2つの集合の重なりを数えたものです。Google検索で上位になったことがAIの引用を生んだ、という因果や、時間の経過とともに移ったことを示すものではありません。

まとめ

15業界450問で、Google検索の上位10位に出たサイトが、同じ質問でAIにも引用されているかを数えました。引用されたのは43.6%です。 AI別に見ると、Geminiが40.6%、ChatGPTは7.1%でした。種類別で最も高かった公式サイトでも、半分には届きませんでした。

種類ごとの順位は、業界によって入れ替わります。公式サイトが最も高かったのは6業界で、残りは比較サイト・メディア・アフィリエイトサイトが上に来ました。

検索で上位にいることと、AIに引用されることは、別々に確かめるしかありません。 順位表を見ても、AIが実際にどこを読んでいるかは分かりません。

自社にとって重要な質問について、確かめることは3つです。

  • Google検索で上位にいるのは誰か
  • AIが引用しているのはどこか
  • そのどちらかに、自社は入っているか

ここから始めます。

業界別の詳しい結果

15業界それぞれについて、実際にどのサイトが引用され、どのサイトが引用されなかったのかを、個別の記事にまとめています。社名・サイト名まで載せています。かっこ内は、上位10位のうちAIにも引用された割合です。

参考

一次・外部資料

  • Google Search Central:AI features and your website
  • OpenAI Help Center:ChatGPT Search

この記事を書いた人

吉田 清登 / Yoshida Kiyoto

株式会社FID 執行役員CMO / Genview プロダクトマネージャー / JECCICA客員講師

通販業界20年以上。再春館製薬所で越境EC・タイチームの管理を経て、現在は Genview の事業責任者。

得意分野のCRMのエッセンスをGEO対策に取り入れたのが Genview です。AI時代の接客は BtoC with AI。主役はお客様で、AIはその間に入った存在です。お客様に伝えると同時に、AIにも自社を正しく伝える。AIを通してどう伝わっているかを、実際に測って確かめています。

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