著者:吉田 清登(株式会社FID CMO / Genview PM)
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Genviewでは、15業界450クエリを対象に、ChatGPT・Geminiが回答内で実際に引用したURLと、同じクエリのGoogle検索上位10位を照合しました。

その結果、Google上位10位との重複率は、ChatGPT 13.9%、Gemini 29.0%、両AI合算で25.0%でした。

逆に見ると、AIが引用したURLの75.0%は、同一クエリのGoogle上位10位外にありました。

30秒でわかる結論
  • 15業界450クエリで、ChatGPT・GeminiのAI引用URLと同一クエリのGoogle上位10位を照合しました。
  • 重複率はChatGPT 13.9%、Gemini 29.0%、合算25.0%でした。
  • 合算ではAI引用URLの75.0%が、同一クエリのGoogle上位10位外でした。
  • ただし、この結果は「SEO順位がAI引用に関係しない」「Google上位10位外の方がAIに引用されやすい」という意味ではありません。

今回確認できたのは、少なくとも本調査条件では、SEO順位だけを見てもChatGPT・Geminiが実際に引用している情報源をすべて把握できなかったということです。

AI引用そのものの意味については、AI引用とは?言及・推薦との違いとAIが参照する情報源を解説をご覧ください。

15業界450クエリで、AI引用URLとGoogle上位10位を照合

今回調べたのは、「Google上位10位のサイトが、どの程度AIにも引用されたか」ではありません。

起点は、ChatGPT・Geminiが回答内で実際に引用したURLです。

そのAI引用URLについて、同一クエリのGoogle検索上位10位とどの程度重なっていたかを確認しました。

調査概要

  • 対象業界:化粧品、サプリ、家電、アパレル、食品・飲料、英会話、保険、引っ越し、不動産、転職、医療、士業、SaaS、中古車、旅行の15業界
  • クエリ数:各業界30問、合計450問
  • 対象AI:ChatGPT、Gemini
  • 検索結果:各クエリのGoogle検索1〜10位
  • 調査期間:2026年8月

クエリは「おすすめ・候補選定」「比較・違い」「選び方・判断基準」「悩み・トラブル対応」「成分・使い方」など、ユーザーが商品・サービスの検討や課題解決時に行う質問を含めて構成しました。

調査手順

  1. 450クエリについてGoogle検索結果の1〜10位を記録
  2. 同じクエリをChatGPT・Geminiで実行
  3. 回答内で実際に引用されたURLを記録
  4. AI引用URLと同一クエリのGoogle上位10位を照合
  5. AI別・業界別・クエリタイプ別に重複率を集計

集計方法と「重複率」の定義

今回の数字を読むうえで、最も重要なのが集計方法です。

何を「一致」と数えたか

本調査では、完全なURL一致ではなくルートドメイン単位で一致を判定しています。

たとえば、

  • Google検索結果:example.com/article-a
  • AI引用URL:example.com/article-b

であっても、同一クエリ内でルートドメインが同じであれば一致として扱います。

集計上の定義は次の通りです。

  • 総引用数:AI回答内で実際に引用されたURLの延べ件数
  • 一致数:同一クエリにおいて、Google上位10位とAI引用の双方に登場したルートドメイン数
  • 重複率:一致数 ÷ 総引用数
  • SEO上位10:各クエリのGoogle検索結果1〜10位

同一クエリ内で同じドメインの異なるURLが複数引用された場合、総引用数ではそれぞれを個別に数えます。一方、一致数では同一ドメインを1件として扱います。

本調査の25.0%は、「Google上位10位に出たサイトの25.0%がAIにも引用された」という意味ではありません。

この違いは、後述する第二回調査と区別するうえでも重要です。

AI引用URLとGoogle上位10位の重複率は25.0%

15業界450クエリ全体の結果は次の通りです。

指標 ChatGPT Gemini 合算
総引用数 2,142件 5,864件 8,006件
Google上位10位との一致数 298件 1,703件 2,001件
重複率 13.9% 29.0% 25.0%

合算すると、Google上位10位との重複率は25.0%でした。

逆に見ると、AI引用URLの75.0%は、同一クエリのGoogle上位10位外にありました。

ChatGPTでは上位10位外が86.1%、Geminiでは71.0%です。

この結果から言えるのは、今回の調査条件では、Google検索上位10位に表示されているサイト群と、ChatGPT・Geminiが実際に引用した情報源の集合が完全には一致しなかった、ということです。

一方で、この数字だけから、

  • Google上位10位外の方がAIに引用されやすい
  • SEO順位がAI引用に影響しない
  • SEOはAI検索では不要

とは言えません。

Google上位10位外に存在するページ総数を分母にして引用率を比較した調査ではないためです。

ChatGPTとGeminiでは重複率に15.1ポイントの差

Google上位10位との重複率は、

  • ChatGPT:13.9%
  • Gemini:29.0%

で、15.1ポイントの差がありました。

同じ450クエリを対象としても、AIによってGoogle上位10位との重なり方が異なったことになります。

ただし、この差が生じた原因までは今回の調査では検証していません。

GeminiにはGoogle Searchを利用したグラウンディングの仕組みがありますが、「Geminiの重複率が高かったのはGoogle Searchを利用しているから」と因果関係を断定することはできません。

同様に、「Geminiの方がChatGPTよりSEO順位を重視している」とも言えません。

今回確認できたのは、同一条件で測定した結果に差があったという観察結果までです。

業界によっても重複率は異なった

15業界の結果は次の通りです。

業界 ChatGPT Gemini
アパレル23.0%31.3%
保険20.8%30.8%
中古車17.6%31.9%
SaaS15.5%33.7%
化粧品15.0%29.9%
サプリ13.6%25.2%
転職13.0%29.5%
食品・飲料13.0%35.0%
士業12.8%25.6%
家電11.8%24.1%
旅行11.6%31.1%
引っ越し11.4%30.6%
不動産10.0%29.0%
医療9.7%23.3%
英会話9.6%27.3%

15業界すべてでChatGPTとGeminiの数値に差が見られました。

たとえば食品・飲料ではChatGPT 13.0%、Gemini 35.0%。SaaSではChatGPT 15.5%、Gemini 33.7%でした。

ただし、業界差についても、本調査は原因を特定するための要因分析までは行っていません。

検索結果を構成するサイトの種類、クエリの性質、AI側の情報取得・回答生成など複数の要素が考えられますが、今回の結果だけで特定の要因に結びつけることはできません。

同じ業界でもクエリによって重なり方は異なる

個別クエリを見ても、Google上位10位との一致状況は一様ではありません。

旅行・ホテルの例

「大浴場付きホテルと客室風呂付きホテルはどっちがいい?」という質問では、Google上位10位との一致はChatGPTが0ドメイン、Geminiが1ドメインでした。

一方、「旅行当日に体調を崩したらホテルはキャンセルできる?」では、ChatGPTが2ドメイン、Geminiが5ドメイン一致しました。

中古車の例

「中古車を買うときはどこを確認すればいい?」ではChatGPTが1ドメイン、Geminiが3ドメイン一致しました。

一方、「中古車は年式と走行距離のどちらを重視すればいい?」ではChatGPTは0ドメイン、Geminiは7ドメイン一致しました。

同じ業界だから常に同じ傾向になるわけではなく、クエリ単位でも結果が変わっています。

クエリタイプによっても重複率に差があった

450クエリのうち、「おすすめ」「比較」「選び方」「悩み」の主要4タイプに分類した328クエリについて確認した結果は次の通りです。

クエリタイプ クエリ数 ChatGPT Gemini
おすすめ7211.4%33.4%
比較9916.2%29.8%
選び方7214.3%25.3%
悩み8515.3%29.6%

「おすすめ」ではChatGPT 11.4%に対してGemini 33.4%と、主要4タイプの中でAI間の差が最も大きくなりました。

なお、全450クエリのうち残り122クエリは、定義・使い方など、これら4タイプへ明確に分類しにくい質問を含むため、この表には含めていません。

ここでも、今回確認できるのはクエリタイプによって観察値に差があったということまでです。

「おすすめクエリだから特定のサイトが引用されやすい」といった因果関係までは示していません。

この調査結果から言えること・言えないこと

今回の数値は、解釈範囲を分けて見る必要があります。

この調査から言えること

  1. AI引用URLと同一クエリのGoogle上位10位は完全には一致しなかった
  2. 15業界450クエリの合算重複率は25.0%だった
  3. AI引用URLの75.0%は同一クエリのGoogle上位10位外だった
  4. ChatGPTとGeminiで重複率に差があった
  5. 業界やクエリタイプによっても観察値が異なった
  6. SEO順位だけでは、今回観測したAI Citation URLをすべて把握できなかった

この調査だけでは言えないこと

  • SEO順位がAI Citationを増やす、または減らす
  • Google上位10位外の方がAIに引用されやすい
  • SEOがAI検索で重要ではない
  • GeminiがChatGPTよりSEO順位を重視している
  • ChatGPTとGeminiの差が検索エンジンやグラウンディング方式によって生じた
  • 一次情報があるとAI Citationが増える
  • FAQ、表、箇条書き、構造化データなどがCitation率を高める

今回測定していない要素については、結果から因果関係を推定しないことが重要です。

同じ450クエリを逆方向から分析した第二回調査

Genviewでは、同じ15業界450クエリのデータを使い、別の問いでも分析しています。

今回の第一回調査と第二回調査の違いは次の通りです。

今回の調査 第二回調査
起点AI Citation URLGoogle上位10位
主な問いAI引用URLはGoogle上位10位とどれだけ重なるかGoogle上位サイトのどのSource TypeがAIにも引用されたか
主指標重複率25.0%公式サイト48.2%など
主な分析軸AI・業界・クエリタイプSource Type・業界
分母AIが引用したURLGoogle上位10位のクエリ×ドメイン

第二回調査では、Google上位10位に登場したサイトを起点に、公式サイト、比較サイト、メディア、アフィリエイトサイト、UGC・コミュニティへ分類し、それぞれが同じクエリでChatGPTまたはGeminiにも引用された割合を分析しています。

その結果、公式サイトのAI引用移行率は48.2%でした。

今回の25.0%と第二回調査の48.2%は分母が異なるため、直接比較できません。

第二回調査の詳細は、SEO上位サイトはAIにも引用されるのか?15業界450クエリをサイトタイプ別に調査をご覧ください。

SEO順位だけではAI Citationの状態を把握できない

今回の結果は、「SEOが不要になった」ことを示すものではありません。

Google Search Centralも、AI OverviewsやAI Modeについて、従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効であり、AI機能だけのための特別な最適化は必要ないと説明しています。

一方、今回の実測では、AIが引用したURLと同一クエリのGoogle上位10位は完全には一致しませんでした。

したがって企業側では、

  • Googleで何位に表示されているかを見ること
  • ChatGPTやGeminiが実際にどの情報源を引用しているかを見ること

を別々に確認する必要があります。

SEOとGEOの役割や指標の違いについては、GEOとSEOの違いとは|目的・対象・指標を徹底比較で詳しく整理しています。

Genviewではクエリ単位でAI Citationを確認できます

自社にとって重要なクエリについて、AIごと・クエリごとの引用や言及状況を継続的に確認できます。

Genviewのクエリ改善を見る

よくある質問

Q

重複率25.0%とは何を意味しますか?

A

ChatGPT・Geminiが引用したURLのうち、同一クエリのGoogle上位10位にもルートドメインが登場していた割合です。Google上位10位サイトを分母にした割合ではありません。

Q

75.0%がGoogle上位10位外ということは、SEO順位が低い方がAIに引用されやすいのですか?

A

いいえ。今回の調査ではGoogle上位10位外に存在するすべてのページを分母にしてAI Citation率を計算していないため、「順位が低い方が引用されやすい」という結論は出せません。

Q

SEO順位とAI Citationは無関係という意味ですか?

A

いいえ。今回確認したのは、SEO上位10位とAI Citation URLが完全には一致しなかったということです。SEO RankingとAI Citationの因果関係そのものを検証した調査ではありません。

Q

Geminiの方がChatGPTよりSEO順位を重視しているのですか?

A

今回の調査ではGeminiの重複率29.0%がChatGPTの13.9%より高い結果でした。ただし、その差がどのような仕組みによって生じたかは検証していないため、「Geminiの方がSEO順位を重視している」とは断定できません。

Q

第二回調査の「公式サイト48.2%」とは何が違いますか?

A

分母が異なります。今回の調査はAI Citation URLを起点にGoogle上位10位との重複率を算出しています。第二回調査は、Google上位10位に登場した「クエリ×ドメイン」を起点に、同じクエリでAIにも引用された割合を算出しています。そのため、25.0%と48.2%を直接比較することはできません。

まとめ

Genviewが15業界450クエリを対象に、ChatGPT・GeminiのAI Citation URLと同一クエリのGoogle上位10位を照合した結果、重複率はChatGPT 13.9%、Gemini 29.0%、合算25.0%でした。

つまり、本調査条件ではAI引用URLの75.0%がGoogle上位10位外にありました。

一方、この結果はSEO順位とAI Citationの因果関係を示すものではありません。SEOが不要であることや、Google上位10位外の方がAIに引用されやすいことを意味するものでもありません。

今回の調査から確認できるのは、SEO順位だけではChatGPT・Geminiが実際に引用する情報源を十分に把握できないという点です。

さらに、ChatGPTとGemini、業界、クエリタイプによっても結果には差がありました。

AI検索上で自社がどのように扱われているかを確認する際は、検索順位だけでなく、重要なクエリについてAI回答とCitationを直接観測する必要があります。

参考情報

一次・公式情報

Genview Research・関連ページ