LLMO対策とは?意味・SEOとの違い、進め方とツールの選び方を解説
著者:吉田 清登(株式会社FID CMO / Genview PM) 公開:2026-08-30
企業がLLMそのものを直すことはできません。直せるのは、AIが回答をつくるときに読む情報のほうです。
「LLMO対策とSEO対策は、別々にやらないといけないんですか?」。商談で、こう聞かれることがあります。
LLMOは「Large Language Model Optimization」の略で、日本語では「大規模言語モデル最適化」と訳されます。名前だけを見ると、「LLMそのものを最適化する」「自社の情報をLLMに学習させる」取り組みに見えます。けれども、企業が行うLLMO対策は、ChatGPTやGeminiのモデル自体を変えることではありません。
LLMO対策とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが自社や商品・サービスについて回答するときに、自社の情報がどう理解・説明・参照されているかを確かめ、理想の状態との差を直していく取り組みです。
構造化データやFAQ、llms.txtといった施策から始めるのではありません。「理想のブランド認識 → 今のAIの回答 → ズレ → 改善 → 再確認」の順で考えます。この記事では、その進め方を、弊社の調査・実験のデータとあわせて解説します。
30秒でわかる結論
- 検索順位を見ても、AIの回答の中身は分からない。AIが引用したURLのうち、同じ質問のGoogle上位10位にもあったのは25.0%だった
- 「引用されたか」だけでは判断できない。Geminiがキュレルの名前を挙げた回答のうち、キュレルのページも引用していたのは4.8%だった
- AIの回答は聞くたびに変わる。同じ質問を聞き直したとき、ChatGPTが引用したサイトが同じだった割合は32.6〜63.0%で、「何回中何回」で見る
- LLMO対策とは、AIが自社をどう理解・説明・参照しているかを確かめ、理想とのズレを直していく取り組み。GEO対策と実際にやることはほぼ同じで、GEO対策のツールもそのまま使える
この記事で扱う範囲
LLMO対策の意味/SEOとの違いと、GEO・AEOとの関係/進め方の5ステップ/整える情報と技術施策/効果の測り方/ツールの選び方
LLMO対策とは?
LLMOは「Large Language Model Optimization」の略です。LLMOという言葉そのものの定義は、LLMOとは(用語集)で整理しています。
LLMOと、GEO・AEOなどの関連する言葉の関係には、業界で統一された定義や上下関係はありません。弊社では、LLMO対策を次のように整理しています。
LLMO対策とは、LLM・生成AIが自社・商品・サービスをどう理解・説明・参照しているかを確かめ、理想の認識とのズレを直していく取り組みです。
たとえば、自社が「EC事業者向けのCRM」なのに、AIから「一般消費者向けのメール配信サービス」と説明されていれば、ブランドの認識にズレがあります。説明そのものは正しくても、古い料金が出ていたり、終了した機能が紹介されていたりすることもあります。
そのためLLMO対策では、「AIに引用されたか」のほかに、次のことを確かめます。
- 自社名・商品名が言及されているか
- 何の会社・サービスとして説明されているか
- 特徴や対象ユーザーが正しく説明されているか
- どの情報源・URLが参照されているか
- 古い情報や誤認識がないか
- 比較のときに、どのような候補として扱われているか
LLMO対策は「LLMに学習させること」ではない
LLMOで特に気をつけたいのが、「自社の情報をLLMに学習させればよい」という受け取り方です。
LLMは大量のデータで事前学習されています。けれども、今の生成AIサービスが回答をつくる方法は、事前学習した知識だけではありません。ChatGPTの検索機能やGoogleのAI機能のように、質問に応じてWebや検索システムから関連する情報を取り出し、それを使って回答する仕組みもあります。
「自社の情報が学習データに入る → AIが必ず自社を正しく答える」という単純な構造ではありません。通常の企業活動で、ChatGPTやGeminiが使うLLMのモデルそのものを自社向けに変えることもありません。
企業の側で直せるのは、たとえば次のような領域です。
- 公式サイトに載せている会社・商品・サービスの情報
- 料金・機能・対象ユーザーなどの正本の情報
- 自社独自の調査・実績・事例などの一次情報
- ページ同士の情報の一貫性
- AIが実際に参照している外部の情報
- クロールなどの技術的な状態
実務では、次のサイクルで考えます。
-
1
AIにどう理解・説明してほしいかを決める
-
2
今のAIの回答を確かめる
-
3
参照元や誤認識を確かめる
-
4
理想とのズレを特定する
-
5
必要な情報を直す
-
6
同じ条件で、AIの回答をもう一度確かめる
AIがWebなどから情報を取り出して回答をつくる仕組みは、AI検索の仕組みとは|情報取得からLLMによる回答生成までで詳しく解説しています。
LLMO対策の背景:AIとの対話の中で比べる場面
背景にあるのは、情報の探し方の変化です。
これまでは、Googleなどでキーワードを検索し、検索結果からいくつものページを開いて比べる探し方が中心でした。今はそれに加えて、ChatGPTやGeminiに自然な文章で質問し、AIとの対話の中で情報を集めたり比べたりする場面があります。「自社に合うCRMを教えて」「この2つの商品ならどちらがおすすめ?」「○○社はどんな会社?」「A社とB社の違いは?」といった質問です。
こうした場面で企業が確かめるのは、検索結果での順位だけではありません。AIが自社を検討の候補に挙げているか、何の会社として説明しているか、商品・サービスの特徴を正しく理解しているか、何を根拠に答えているかも、確かめる対象になります。
AI検索そのものの意味や、これまでの検索との違いは、AI検索とは?従来の検索との違い・種類・企業への影響を解説をご覧ください。
LLMOとSEOの違い
SEOとLLMOでは、主に確かめる対象が違います。
SEOとLLMOで、主に確かめる対象の違い
| 項目 | SEO | LLMO |
|---|---|---|
| 主な対象 | Googleなどの検索結果 | ChatGPT・GeminiなどのAIの回答 |
| 主に確かめること | 検索順位・表示・クリック | 理解・説明・言及・参照・誤認識 |
| ユーザーの行動 | 検索結果からページを選ぶ | AIに質問し、回答の中で情報を得る |
| 情報源 | 検索結果に表示されるWebページ | 公式サイト、第三者のサイトなど複数の情報源 |
| 主な成果の確かめ方 | 順位、クリック率、流入、CV | 言及、回答の内容、参照URL、誤認識、比較・推薦、AI経由の流入など |
SEOとLLMOは対立するものではありません。検索エンジンがページをクロールできること、ユーザーに役立つ情報が載っていること、情報が分かりやすく整理されていることなど、共通する土台は多くあります。それでも、検索順位だけを見て、AIの回答の上での状態までは判断できません。
弊社が2026年8月に15業界・450問で行った調査では、ChatGPTとGeminiが回答に付けた引用URL 8,006件のうち、同じ質問のGoogle検索で上位10位にも出ていたのは2,001件、25.0%でした(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答に登場(引用)したサイトは、Google検索の上位10位に表示されていたのか?」2026年8月)。
この25.0%は、SEOの順位がAIの引用を決めている、あるいはSEO対策がAIの引用に関係しない、という因果を示す数字ではありません。この調査の範囲では、Googleの上位10位だけを見ても、AIが実際に引用していた情報源の全体はつかめなかった、ということです。
LLMO・GEO・AEOの関係
LLMOとあわせて、GEOやAEOという言葉も使われています。これらに業界共通の上下関係はなく、企業や専門家によって定義や使われ方が違います。弊社では、次のように整理しています。
LLMO・GEO・AEOが主に見る観点(弊社の整理)
| 用語 | 主に見る観点 |
|---|---|
| GEO | 生成AI・AI検索の回答の中で、自社がどう扱われるか(理解・引用・言及・推薦)を広く見る |
| AEO | 質問に直接答える仕組み(AI Overviews、強調スニペット、音声検索など)で、答えとして選ばれるかを見る |
| LLMO | LLM・生成AIが自社・商品・ブランドをどう理解・説明・参照しているかを見る |
たとえば「おすすめのGEOツールは?」という質問なら、AEOはその答えの中で自社が候補に入っているかを、LLMOは自社がどんなサービスとして説明されているかを見ます。GEOは、こうした理解・言及・引用・推薦をまとめて捉えます。
概念は違っても、企業が実際にやることはほぼ同じだと、私たちは考えています。AIに答えてほしい質問を決め、その答えの材料になるページをそろえ、自社の情報を正しく整え、AIの回答を確かめて直す。LLMO対策、GEO対策、AEO対策のどの言葉で呼んでも、この流れは変わりません。
そのため、GEO対策のツールは、LLMO対策やAEO対策のツールとしてもそのまま使えます。
GEOとLLMOの定義や実務での使い分けはGEO対策とLLMO対策の違いとは?どちらが広いのか・別々にやるべきかを解説、AEOはAEO対策とは?SEOとの違い・具体的な進め方を解説、GEO全体はGEO対策とはで詳しく解説しています。
LLMO対策では何をする?5つのステップ
LLMO対策では、いきなりFAQを増やしたり、構造化データやllms.txtを足したりしません。理想と今の状態のズレを見てから、必要な施策を決めます。
この流れは、GEO対策の始め方で紹介している基本の流れと同じ考え方です。LLMO対策と呼んでも、GEO対策と呼んでも、進め方は変わりません。
STEP1|AIに自社をどう理解・説明してほしいかを定義する
最初に決めるのは、構造化データやFAQなどの施策ではありません。AIに自社を、どのような会社・商品・サービスとして理解し、説明してほしいのかを定義します。たとえば、次のようなことを書き出します。
- 自社は何を提供する会社か、主力の商品・サービスは何か
- 誰に向いていて、どんな課題を解決するのか
- 競合と何が違い、どの実績・データを根拠として伝えたいのか
- どのような説明は誤りなのか
この状態を決めずにAIの回答だけを追っても、その回答が正しいのか、直す必要があるのかを判断できません。まず、理想のブランド認識を決めます。
STEP2|理想の認識を支える情報を整理する
次に、その理想を裏付ける情報がWeb上にあるかを確かめます。会社概要、商品・サービスページ、機能、料金、対象ユーザー、導入事例、調査データ、FAQ、著者・専門家の情報、運営会社の情報などです。
ここで見るのは、情報の量ではありません。同じ商品について、トップページ、商品ページ、FAQ、プレスリリース、過去の記事、第三者のメディアで、説明が食い違っていないかを見ます。公式サイトでは「法人向け」と説明しているのに、古い外部の記事では「個人向け」と紹介されていれば、Web上に違う情報が並んでいることになります。
AIが企業やブランドをどう認識するか、ブランドの情報をどう整えるかは、AIに自社を正しく認識(言及・推薦)してもらうには?会社・ブランド情報を整える方法で詳しく解説しています。
STEP3|今のAIの回答と参照元を確かめる
情報を整理したら、実際のAIの回答を確かめます。Genviewなら、次のような質問です。
- 「Genviewとは何ですか?」
- 「Genviewでは何ができますか?」
- 「Genviewはどんな会社向けですか?」
- 「Genviewと他のGEOツールの違いは?」
- 「GenviewはAEOやLLMOにも使えますか?」
参照元は、回答と一緒に画面に示されたリンクを、その場で記録します。あとからAIに「根拠のURLは?」と聞いても、最初の回答の参考リンクと同じURLがあった割合は、弊社の実験でChatGPTが39%、Perplexityが15%、Geminiが2%でした(出典:株式会社FID/Genview「AIに「その回答の根拠は?」と聞いても、返ってくるのは判断の根拠とは限らない 3つのAIに600回質問してわかったこと」2026年9月)。
確かめるのは、名前が出たかどうかだけではありません。次の点を分けて見ます。
- ブランド・商品名が言及されているか
- 自社を何の会社・サービスとして説明しているか、その内容は正確か
- どのURL・情報源が参照されているか。本来参照してほしい正本のURLが使われているか
- 競合と比べて、どう扱われているか
- 古い情報や誤認識がないか
Genviewのクエリ改善では、登録した質問について、AIの回答、ブランドの言及、参照URLなどを確かめられます。
STEP4|理想とのズレを特定する
STEP1で決めた理想と、実際のAIの回答を比べます。
- 理想:Genviewは、生成AIの上でのブランド認識、言及、引用、参照URL、誤認識などを確かめ、改善まで進めるGEOプラットフォーム
- 実際のAIの回答:GenviewはSEO順位を分析するマーケティングツール
こういう状態なら、はっきりしたズレがあります。原因を考えるのは、ここからです。公式の商品説明が足りない、サービスページに要の情報がない、過去のページに古い説明が残っている、外部の記事に違う説明が載っている、AIが本来とは違うURLを参照している、といった仮説を立てます。
「AIに出ないからFAQを作ろう」と施策を先に決めるのではなく、何が理想と違うのかを先に確かめます。
Genviewのブランド認識改善では、AIにどう認識されたいかという理想と、実際の回答とのズレを確かめ、直す点を整理できます。
STEP5|ズレに応じて直し、再確認する
ズレが分かったら、必要な箇所を直します。商品ページを直す、足りないFAQを足す、会社概要を整理する、一次情報を公開する、古いページを更新する、外部のサイトの誤った情報について修正を頼む、比較・検討に要る情報を足す、技術設定を見直す、といった施策です。どれが要るかは、ズレによって変わります。
そのあと、同じ質問・同じ条件で、AIの回答をもう一度確かめます。LLMO対策は、この「理想 → 現状 → ズレ → 改善 → 再確認」を続けて回していく取り組みです。
LLMO対策では、どのような情報を整えるか
LLMO対策は、AI向けの特殊な文章を大量に作ることではありません。まず、企業として正確で、確かめられる情報がある状態をつくります。
公式情報
商品名、サービス内容、機能、料金、対象ユーザー、会社情報など、企業自身が正本として示す情報です。AIが古いページや第三者のサイトを参照している場合でも、公式情報そのものがあいまいだと、どの説明が最新で正しいのかが分かりにくくなります。まず、公式サイトの中で正本になる情報をはっきりさせます。
一次情報
調査、実験、利用データ、導入事例、顧客事例、独自の分析、専門家の見解など、自社だから公開できる情報です。一次情報は「自社は優れている」という主張ではなく、第三者がその説明の条件や根拠を確かめられる材料になります。
一次情報を企画・調査・公開する方法は、GEO対策で使う一次情報の作り方で詳しく解説しています。
比較・判断に要る情報
生成AIは、ユーザーから商品・サービスの比較や推薦を頼まれることがあります。向いている企業、向いていないケース、他のサービスとの違い、強みの根拠、制約、料金、導入の条件など、ユーザーが判断するための情報を、公式サイトの上で確かめられるようにしておきます。
「おすすめです」「高機能です」といった抽象的な言い方だけでなく、何がどの条件で違うのかを書きます。
外部の情報との整合
自社サイトだけを見て終わりにしません。AIの回答が、第三者のメディア、比較サイト、ニュース記事、レビューなどの外部のページを参照していれば、そのページに載っている自社の情報も確かめる対象になります。
「とにかく多くの外部サイトに載ればよい」という意味ではありません。まず実際のAIの回答と参照元を確かめ、理想とのズレに関わる情報があるときに、手を打つかを考えます。
LLMOは「引用されたか」だけでは判断できない
LLMOで気をつけたいのは、自社サイトが引用されたことと、自社ブランドが正しく理解・評価されたことは同じではないという点です。
「おすすめのマーケティングツールを教えて」という質問で、自社の記事が一般的な用語の説明の根拠として引用されていても、回答で推薦されているのは競合の商品かもしれません。反対に、自社サイトが参照URLに出ていなくても、第三者の情報をもとに自社ブランドが候補として紹介されることもあります。
弊社の調査では、Geminiは化粧品ブランドのキュレルの名前を62回答で挙げていましたが、キュレルのページを引用していたのは、そのうち3回答でした(出典:株式会社FID/Genview「AIが会社名を出すとき、見ているのは自社サイトとは限らない」2026年9月)。
そのため、少なくとも次の項目を分けて確かめます。
AIの回答で、分けて確かめる6つの項目
| 確かめる項目 | 中身 |
|---|---|
| ブランドの言及 | 自社名・商品名が回答の中に出ているか |
| 説明の内容 | 狙った文脈で、正しく説明されているか |
| 自社サイトの参照 | 自社サイトが情報源として使われているか |
| 正本URLの参照 | 本来参照してほしい正本のページが使われているか |
| 比較・推薦 | 比較のときに、自社がどのような候補として扱われるか |
| 誤認識 | 事実と違う説明や、古い情報が入っていないか |
AIの引用がどう起きるか、AIがどのような情報源を参照しているかは、AI引用とは?AIに引用される仕組みと、引用元になりやすい情報源を15業界の調査で解説をご覧ください。
自社サイトだけを直せばLLMO対策になる?
自社サイトを直すことは出発点ですが、それだけで済むとは限りません。AIの回答には、公式サイトのほかに第三者のサイトなど、いくつもの情報源が使われることがあります。公式サイトで料金や機能を、比較ページで競合との違いを、ニュース記事で企業の情報を確かめる、というように、複数の情報を組み合わせて回答がつくられることがあります。
自社サイトを更新したのに、AIの回答に古い情報が残っているときは、AIが実際に何を参照しているかを確かめます。
弊社が自社の料金・機能を変えたときも、Geminiが一度は新しい料金で答えたあと、翌日には古い情報に戻り、名前の似た別のサービスと混ぜて説明したことがありました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答はいつ最新になる?自社の機能・価格変更を2週間観測してみた」2026年8月)。
すべての外部サイトに手を打つ必要があるわけではありません。今のAIの回答と参照元を確かめ、理想とのズレに関わる情報を特定してから、施策を決めます。
構造化データ・robots.txt・llms.txtはLLMO対策に必要?
LLMOでは、構造化データ、robots.txt、llms.txtといった技術の施策もよく話題になります。確かめておきたい項目ですが、実装すること自体をLLMOの目的にはしません。
構造化データ
構造化データは、Webページ上の情報の意味を、検索システムなどが機械で読める形で補う仕組みです。Article、Organization、Productなど、ページの内容に合った構造化データを正しく入れておくと、Web上の情報の整理に使えます。
一方で、「構造化データを足す → 生成AIからの引用・推薦が増える」と保証されるわけではありません。本文に正しい情報が載っていることが前提です。
Genviewの構造化データでは、今あるスキーマを確かめ、足りない情報との差分を整理して、JSON-LDの作成まで進められます。
robots.txt
robots.txtは、クローラーによるWebサイトへのアクセスを制御する仕組みです。AIに関わるクローラーは、用途がすべて同じではありません。たとえばOpenAIは、ChatGPTの検索機能でサイトを表示するためのクローラー(OAI-SearchBot)と、モデルの学習に使うクローラー(GPTBot)を分けていて、robots.txtでそれぞれ別に許可・拒否できると案内しています(出典:OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」2026年9月28日に確認)。
「AIのクローラーを許可する/拒否する」とひとまとめにせず、それぞれが何のためのクローラーかを確かめてから設定します。Genviewのサイト診断では、robots.txtを含むサイトの技術的な基礎設定を確かめられます。
llms.txt
llms.txtは、LLM向けにサイトの中の要の情報を整理して示すことを目的に提案されている仕組みです。今のところ、主要なAIサービスに引用・推薦されるための公式な必須要件ではありません。Googleも、AI機能で表示されるために、新しく機械が読むファイルやAI用のテキストファイル、特別なschema.orgの構造化データを追加する必要はないと案内しています(出典:Google Search Central「AI features and your website」2025年12月31日更新)。
LLMO対策を始めるときに、「まずllms.txtを作る」必要はありません。先に確かめたいのは、公式情報が正しいか、必要なページにアクセスできるか、商品・サービスの情報が足りているか、Web上の情報に食い違いがないか、今のAIの回答で実際に何が起きているか、です。
llms.txtを使うなら、この位置づけを理解したうえで入れます。Genviewでは、llms.txtの生成・確認の機能も用意しています。
LLMO対策の効果はどう測る?
LLMOでは、「引用数」だけをKPIにすると、見るべき変化を見落とすことがあります。自社サイトの引用が増えても、ブランドが適切な候補として扱われていなければ、目指す状態とは違います。反対に、自社サイトへの引用リンクが出ていなくても、自社ブランドが適切な候補として紹介されることもあります。
そのため、AIの回答の上での変化と、Web・事業の上での成果を分けて確かめます。
AIの回答の上での変化
AIの回答の上で見る指標
| 指標 | 確かめること |
|---|---|
| ブランドの言及 | 自社名・商品名が回答の中に出るか |
| 回答の内容の適合 | 自社が狙った文脈で、正しく扱われているか |
| 自社サイトの参照 | 自社サイトが情報源として使われているか |
| 正本URLの参照 | 本来参照してほしい正本のページが使われているか |
| 比較・推薦 | 競合と比べて、どう説明・推薦されているか |
| 誤認識 | 事実と違う説明や、古い情報がないか |
AIの回答は、同じ質問でも聞くたびに変わります。弊社の実験では、同じ質問を聞き直したときに、引用されたサイトが同じだった割合は、ChatGPTで32.6〜63.0%でした(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTなどの生成AIは毎回違う回答をするのに、GEO対策は効果があるのか」2026年9月)。
名前で見ると、様子が変わります。6業界で同じ質問を6回ずつ聞いた調査では、名前が挙がった質問のうち、6回とも同じ名前が挙がった質問は、業界とAIによって32.1〜95.7%ありました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答は毎回違う。それでも同じ企業名は毎回言及される」2026年9月)。
1回の結果で判断せず、同じ質問を何度か確かめて「何回中何回」で見ます。指標の決め方は、GEO対策のKPIで解説しています。
Web・事業の上での成果
Web・事業の上で見る指標
| 指標 | 確かめること |
|---|---|
| AI経由の流入 | ChatGPTやGeminiなどから、サイトへの直接の流入があるか |
| CV | 問い合わせ、資料請求、購入などにつながっているか |
AI経由の流入はGA4などで確かめられます。けれども、「AIで商品を知る → 後日Googleでブランド名を検索する → 公式サイトを訪れる」という動きをした場合、その訪問がAI経由の流入として直接数えられるとは限りません。
AIの流入だけで成果を判断せず、AIの回答の上で理想に近づいたかと、流入・CVなどの事業の成果がどう変わったかを分けて確かめます。GenviewのAI流入分析(GA4)では、AI経由の流入やランディングページなどを確かめられます。
LLMO対策ツールとは|選び方
LLMO対策ツールとは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに、自社にとって大事な質問を繰り返し聞き、自社の言及・引用・推薦・説明の正確さを記録して、その変化を追うためのツールです。GEO対策ツール、AI検索の計測ツールと呼ばれることもありますが、LLMO対策とGEO対策は実務がほぼ同じなので、呼び方が違うだけで、同じ種類のツールを指していることがほとんどです。
質問の数やAIの数が少ないうちは、手作業でも確かめられます。AIの回答は聞くたびに変わるため、同じ質問を何回も、いくつものAIで確かめ続けようとすると、手作業では追いきれなくなります。そのときに使うのがツールです。
ツールを選ぶときは、次の点を確かめます。
LLMO対策ツールを選ぶときに確かめること
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 引用と、言及・推薦を別の指標で出せるか | 自社のページが引用されることと、自社の名前が挙がる・推薦されることは、別々に起きるため |
| 同じ質問を繰り返し測り、「何回中何回」で見られるか | AIの回答は1回ごとに変わり、1回の結果では判断できないため |
| 回答と一緒に示された引用のURLを記録するか | あとからAIに根拠を聞いても、実際の引用元とは一致しないことが多いため |
| 自社が伝えたい説明と、AIの実際の説明のズレまで見られるか | 名前が出ていても、説明が古い・間違っていれば、正しく認識されているとは言えないため |
| 対応するAIの種類と、登録できる質問の数 | 自社のお客様が使うAIと、推薦されたい質問を、必要な数だけ測れるか |
| 測ったあと、何を直せばよいかまで進められるか | 数字を見るだけでは、次に何を直すかが決まらないため |
ツールの比べ方は、GEO対策ツールの比較で詳しく解説しています。
GenviewはLLMO対策にも使える?
使えます。GenviewはGEOを中心の考え方にしていますが、LLMO対策とGEO対策は実務がほぼ同じと考えているため、LLMOで見るブランドの理解・回答の内容・参照の情報・誤認識の確認にも、そのまま使えます。AEO対策にも同じように使えます。
何をどう確かめられるかは、GenviewはLLMO対策にも利用できますか?とGenviewはAEO対策にも利用できますか?で答えています。Genview全体については、Genviewとはをご覧ください。
LLMO対策でよくある5つの失敗
1. 「LLMに学習させればいい」と考える
今の生成AIサービスには、事前学習した知識のほかに、必要に応じて検索や外部の情報の取得を使って答えるものがあります。学習データに入ることだけを目的にすると、今のAIの回答で実際に何が起きているかを見落とします。まず、今の回答を確かめます。
2. 引用だけを成果の指標にする
引用されていても、自社が正しく説明・推薦されているとは限りません。ブランドの言及、説明の内容、参照URL、正本のURL、比較のときの扱われ方、誤認識などを分けて確かめます。
3. 自社サイトだけを直す
AIが第三者のサイトを参照していると、自社サイトだけを更新しても、目指す回答にすぐには変わらないことがあります。まず今のAIの回答と参照元を確かめ、必要な範囲で外部の情報も確かめます。
4. 構造化データやllms.txtだけで済ませようとする
技術の整備は確かめる項目の一つですが、それ自体がLLMOの成果を保証するものではありません。公式情報、一次情報、商品・サービスの情報、ブランドの認識、外部の情報との整合とあわせて考えます。
5. AIの回答を一度確かめて終わる
生成AIの回答や参照元は変わります。一度ブランドが適切に説明されたからといって、その状態が続くわけではありません。前の節の調査のとおり、同じ質問を聞き直すだけでも、引用されたサイトの半分ほどは入れ替わります。大事な質問は続けて確かめ、変化があれば、またズレを特定します。
LLMOに限らず、GEO対策全体で避けたいことは、GEO対策でやってはいけないこと10選にまとめています。
よくある質問
Q LLMO対策とは何ですか?
LLMO対策とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが自社や商品・サービスについて回答するときに、自社の情報をどう理解・説明・参照しているかを確かめ、理想の認識とのズレを直していく取り組みです。LLMOは「Large Language Model Optimization」の略です。
Q LLMO対策は、AIに自社の情報を学習させることですか?
それだけではありません。今の生成AIサービスには、事前学習した知識のほかに、Web検索や外部の情報の取得を使って答えるものもあります。企業がLLMのモデルそのものを変えるのではなく、公開している情報を整え、実際のAIの回答や参照元を確かめながら直していくのが中心です。
Q LLMOとSEOの違いは何ですか?
弊社の15業界・450問の調査では、AIが引用したURLのうち、同じ質問のGoogle上位10位にもあったのは25.0%でした。SEOでは主に検索順位、表示、クリック、検索からの流入を確かめます。LLMOでは、AIが自社をどう理解・説明しているか、ブランドが言及されているか、どの情報源が参照されているか、誤認識がないかを確かめます。Webサイトの品質や情報の整理など、共通する土台もあります。
Q LLMOとGEOの違いは何ですか?
弊社では、LLMOをAIが自社をどう理解・説明・参照しているかを見る観点、GEOを理解・引用・言及・推薦をより広く捉える考え方と整理しており、企業が実際にやることはほぼ同じだと考えています。定義や対象範囲の違いは、「GEO対策とLLMO対策の違いとは?どちらが広いのか・別々にやるべきかを解説」で詳しく解説しています。
Q llms.txtを置けば、LLMO対策になりますか?
llms.txtを置くだけでは、LLMO対策は終わりません。今のところ、主要なAIに引用・推薦されるための公式な必須要件でもなく、Googleも、AI機能で表示されるためにAI用のテキストファイルを追加する必要はないと案内しています。まずは公式情報、クロールできるか、コンテンツの中身、Web上の情報の整合、実際のAIの回答を確かめます。
Q LLMO対策に使えるツールは?
生成AIの回答で、自社の言及・引用・推薦・説明の正確さを、質問ごとに繰り返し測れるツールが使えます。LLMO対策とGEO対策は実務がほぼ同じため、GEO対策ツールやAI検索の計測ツールと呼ばれるものも、同じように使えます。Genviewもその一つです。選ぶときは、引用と推薦を別の指標で出せるか、「何回中何回」で見られるか、理想とのズレまで見られるかを確かめてください。
Q GEO対策ツールとLLMO対策ツールは、違うものですか?
多くの場合、同じ種類のツールを指しています。GEO・LLMO・AEOは、言葉が生まれた背景や中心に見るものは違いますが、企業が実際にやること(大事な質問を決め、AIの回答を確かめ、自社の情報を整え、また確かめる)はほぼ同じだからです。ツールを選ぶときは、呼び方よりも、何を測れるかで比べます。
まとめ
LLMO対策は、「AIに学習させるには何をすればよいか」や「構造化データやFAQ、llms.txtを入れればよいか」から考え始めなくて構いません。最初に決めるのは、AIに自社をどう理解・説明してほしいのかです。
そのうえで、今は何の会社として認識されているか、商品・サービスは正しく説明されているか、どの情報源・URLを参照しているか、比較のときにどう扱われているか、古い情報や誤認識はないかを確かめます。基本の流れは「理想のブランド認識を決める → 今のAIの回答を確かめる → ズレを特定する → 必要な情報を直す → 再確認する」です。
SEO、GEO、AEO、LLMOには、それぞれ定義や見る観点に違いがあります。それでも、正確な公式情報、一次情報、分かりやすいコンテンツ、外部の情報との整合、AIの回答の継続的な確認など、企業が実際にやることはほぼ同じです。
用語ごとに施策を機械的に分けたり、「LLMO対策ならこの施策」と一律に決めたりはしません。ユーザーがAIに質問したとき、自社・商品・サービスがどう理解・説明されているかを実際に確かめ、理想との違いから、直すところを決めていきます。