LLMO対策とは?意味・SEOやGEOとの違いと具体的な進め方を解説
著者:吉田 清登 / Kiyoto Yoshida
公開日:
LLMO対策とは|意味・定義と概要
LLMO対策とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが自社や商品・サービスについて回答するときに、自社の情報が正しく理解・説明・参照される状態を目指して改善する取り組みです。
LLMOは「Large Language Model Optimization」の略で、日本語では「大規模言語モデル最適化」などと訳されます。
ただし、名前だけを見ると「企業側からLLMそのものを最適化する」「LLMに自社情報を学習させる」と受け取られがちです。
実際のLLMO対策では、企業がLLMのモデルや学習データを直接変更するわけではありません。自社についてAIが現在どのように説明しているのか、どの情報を参照しているのか、誤認識がないかを確認し、公式情報・一次情報・外部情報などを改善していくことが中心になります。
この記事でわかること
- LLMO対策の意味と「LLMに学習させる」との違い
- SEO・GEO・AEOとの違い
- LLMO対策を進める5つのステップ
- 引用・言及・参照・誤認識を分けて確認する理由
- 構造化データ・robots.txt・llms.txtの位置づけ
- LLMO対策の効果測定方法
LLMO対策は「LLMに学習させること」ではない
LLMOについて特に注意したいのが、「LLMに自社情報を学習させればよい」という理解です。
LLMは大量のデータを使って事前学習されていますが、現在の生成AIサービスが回答を作る方法は、それだけではありません。
ChatGPT SearchやGoogleのAI機能など、質問に応じてWeb上から情報を取得し、その情報をもとに回答を生成する仕組みも使われています。
「自社情報がLLMの学習データに入れば、AIが自社を正しく回答する」という単純な構造ではありません。
企業側が通常コントロールできるのは、LLMのモデル自体ではなく、公開している情報と、その情報がWeb上でどのように流通しているかです。
したがって、LLMOでは次のようなサイクルで考える方が実務的です。
- 正しい公式情報を公開する
- AIが現在どう回答しているか確認する
- どの情報源が使われているか確認する
- 理想と異なる部分を改善する
- 再度AI回答を確認する
AIがWebから情報を取得して回答を生成する仕組みについては、AI検索の仕組みとはで詳しく解説しています。
なぜLLMO対策が注目されているのか
背景には、ユーザーの情報探索行動の変化があります。
従来は、Googleなどで検索し、検索結果から複数のページを開いて情報を比較する行動が中心でした。
現在は、たとえば次のような質問をChatGPTやGeminiなどに直接入力し、AIとの対話の中で情報収集や比較を進める場面が増えています。
- 「自社に合うCRMを教えて」
- 「この2つの商品ならどちらがおすすめ?」
- 「○○社はどんな会社?」
- 「○○というサービスの評判は?」
この場合、企業にとって重要なのは検索結果で何位に表示されるかだけではありません。
AIが自社を検討候補として挙げているか、どのような会社だと説明しているか、正しい情報を根拠に回答しているかも、新たな確認対象になります。
AI検索そのものの意味やユーザー行動の変化については、AI検索とはをご覧ください。
LLMOとSEOの違い
SEOとLLMOでは、主に確認する対象が異なります。
| 項目 | SEO | LLMO |
|---|---|---|
| 主な対象 | Googleなどの検索結果 | ChatGPT・GeminiなどのAI回答 |
| 主な確認対象 | 検索順位・表示・クリック | 理解・説明・言及・参照・誤認識 |
| ユーザー行動 | 検索結果からページを選ぶ | AIに質問し、回答内で情報を得る |
| 情報源 | 検索結果に表示されるWebページ | 公式サイト、第三者サイトなど複数の情報源 |
| 主な成果確認 | 順位、CTR、流入、CV | 言及、回答内容、参照URL、誤認識、AI経由流入など |
ただし、SEOとLLMOは対立するものではありません。
検索エンジンがページを適切にクロール・インデックスできること、ユーザーにとって有用な情報が公開されていること、サイト内の情報が整理されていることなど、共通する基盤は多くあります。
一方で、検索順位だけを見てAI上の状態まで判断することはできません。
Genviewが15業界・450クエリを対象に行った調査では、ChatGPTとGeminiで確認した8,006件の引用URLのうち、Google検索上位10サイトと重複していた割合は合算で25.0%でした。
この調査からSEO順位とAI引用の因果関係を断定することはできませんが、少なくとも、Google検索上位だけを確認してもAIが実際に利用している情報源の全体像は把握できないことが分かります。
調査の詳細は、SEO上位はAIにも選ばれるのか?15業界450クエリ調査をご覧ください。
LLMO・GEO・AEOの違い
LLMOとあわせて、GEOやAEOという言葉も使われています。
これらには業界共通の明確な上下関係があるわけではなく、企業や専門家によって定義も異なります。
Genviewでは、次のように整理しています。
| 用語 | 主に見る観点 |
|---|---|
| GEO | 生成AI・AI検索上での理解・引用・言及・推薦 |
| AEO | ユーザーの質問に対する「回答」の中でどう扱われるか |
| LLMO | LLM・生成AIが自社をどう理解・説明・参照しているか |
たとえば、「おすすめのGEOツールは?」という質問を考えます。
AEOの観点では、その質問への回答の中で、自社が適切な候補として扱われているかを確認します。
LLMOの観点では、自社がどのようなサービスとして認識され、どの特徴や情報源を根拠に説明されているかを確認します。
ただし、実際に行う施策の多くは共通します。
GEOとLLMOの違いそのものについては、GEOとLLMOの違いで詳しく解説しています。
LLMO対策では何をする?5つのステップ
LLMO対策では、いきなりFAQを増やしたり、構造化データを追加したりするのではなく、理想と現状のGAPから施策を決めることが重要です。
STEP1:AIに自社をどう理解してほしいかを定義する
最初に決めるのは、「AIに引用されたいページ」ではありません。
自社をどのように理解・説明してほしいかです。
たとえば、次のような情報を整理します。
- 自社は何を提供する会社なのか
- 主力の商品・サービスは何か
- 誰に向いているのか
- どのような課題を解決するのか
- 競合と何が違うのか
- どの実績・データを根拠として伝えたいのか
- どのような説明は誤りなのか
この状態を決めずにAI回答だけを追っても、「良い回答なのか」「改善すべきなのか」を判断できません。
LLMOでは、まず理想のブランド認識を定義します。
STEP2:重要なブランド・商品・サービス情報を整理する
次に、理想の認識を支える情報がWeb上に存在するかを確認します。
- 会社概要
- 商品・サービスページ
- 料金
- 機能
- 対象ユーザー
- 導入事例
- 調査データ
- FAQ
- 著者・専門家情報
- 運営会社情報
ここで重要なのは、情報量を増やすことではありません。
同じ商品について、トップページ、商品ページ、FAQ、プレスリリース、外部メディアなどで異なる説明をしていないかも確認します。
AIが企業やブランドをどのように認識するかについては、AIは企業をどう理解しているのかで詳しく解説しています。
STEP3:現在のAI回答と参照元を確認する
情報を整理したら、実際のAI回答を確認します。
たとえばGenviewであれば、次のような質問が考えられます。
- 「Genviewとは何ですか?」
- 「Genviewでは何ができますか?」
- 「Genviewはどんな会社向けですか?」
- 「Genviewと他のGEOツールの違いは?」
- 「GenviewはAEOにも使えますか?」
確認するポイントは、単に「名前が出たか」ではありません。
- ブランドが言及されたか
- 自社に適した説明になっているか
- 正しい商品・サービス情報が出ているか
- どのURLが参照されたか
- 本来参照してほしいURLが使われたか
- 古い情報や誤認識がないか
- 競合と比較してどのように説明されているか
STEP4:理想とのGAPを特定する
次に、STEP1で決めた理想と実際のAI回答を比較します。
理想
Genviewは、生成AI上でのブランド認識、言及、引用、参照URL、誤認識などを確認し、改善につなげるGEOプラットフォーム。
実際のAI回答
GenviewはSEO順位を分析するマーケティングツール。
この場合は、明確なGAPがあります。
ここで初めて、次のような原因の仮説を立てます。
- 公式の商品説明が弱い
- サービスページに重要な情報がない
- 過去の外部記事に古い説明が残っている
- 比較サイトで別カテゴリとして紹介されている
- AIが本来とは異なるURLを参照している
STEP5:情報を改善し、再度AI回答を確認する
GAPが分かったら、必要な箇所だけ改善します。
- 商品ページを修正する
- FAQを追加する
- 会社概要を整理する
- 一次情報を公開する
- 古いページを更新する
- 外部サイトの誤情報を修正してもらう
- 比較・検討に必要な情報を増やす
その後、同じ質問でAI回答を再確認します。
LLMOは、このサイクルを継続して回す取り組みです。
LLMO対策ではどのような情報を整えるべき?
LLMO対策で重要なのは、AI向けの特殊な文章を大量に作ることではありません。
まず、企業として正確な情報が存在する状態を作ります。
公式情報
商品名、サービス内容、料金、対象ユーザー、会社情報など、企業自身が正本として提示すべき情報です。
AIが古いページや第三者サイトを参照している場合でも、公式情報が明確でなければ正しい説明へ修正しにくくなります。
一次情報
自社だから公開できる調査、実験、利用データ、導入事例、顧客事例、独自分析、専門家による見解などです。
一次情報は、単なる主張ではなく「なぜその説明が正しいのか」を示す根拠になります。
比較・判断に必要な情報
生成AIは、ユーザーから比較や推薦を求められることがあります。
- 向いている企業
- 向いていないケース
- 他サービスとの違い
- 強みの根拠
- 制約
- 料金
- 導入条件
こうした判断材料を、公式情報として明確にしておくことが重要です。
外部情報との整合
LLMOでは、自社サイトだけを見て終わりにしないことも重要です。
第三者メディア、比較サイト、レビュー、ニュース記事などに自社について異なる情報が掲載されていれば、AI回答にも影響する可能性があります。
自社サイト・外部サイトを含めた情報の整合を確認します。
LLMOでは「引用」と「推薦」を分けて考える
LLMOで特に注意したいのが、自社サイトが引用されたことと、自社ブランドが選ばれたことは同じではないという点です。
たとえば、「おすすめのマーケティングツールを教えて」という質問に対して、自社の記事が説明の根拠として引用されていても、回答でおすすめされている商品は競合かもしれません。
反対に、自社サイトが引用されていなくても、第三者サイトを根拠として自社ブランドが推薦される場合もあります。
したがって、LLMOでは少なくとも次の5つを分けて確認します。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| ① ブランドの言及 | 自社名・商品名が回答内に登場しているか |
| ② 回答内容の適合性 | 狙った文脈で適切に説明・推薦されているか |
| ③ 自社サイトの参照 | 自社サイトが情報源として使われているか |
| ④ 重要URLの参照 | 本来参照してほしい正本ページが使われているか |
| ⑤ 誤認識 | 事実と異なる説明や古い情報が含まれていないか |
AIによる引用そのものについては、AI引用とはで詳しく解説しています。
自社サイトだけを改善すればLLMO対策になる?
自社サイトの改善は重要ですが、それだけで完結するとは限りません。
生成AIの回答では、公式サイトだけでなく、第三者メディアや比較ページなど複数の情報源が利用されることがあります。
たとえば、AIがあるサービスをおすすめする際、公式サイトで料金や機能を確認し、比較サイトで競合との違いを確認し、ニュース記事で企業実績を確認するといった形で、複数の情報を組み合わせる可能性があります。
そのため、自社サイトが十分に整っているのにAI回答が変わらない場合は、AIが実際に参照している情報源を確認することが重要です。
これは「すべての外部サイトに掲載されればよい」という意味ではありません。まずAI回答を確認し、どの情報が不足しているのかを特定したうえで必要な施策を考えます。
構造化データ・robots.txt・llms.txtはLLMO対策に必要?
LLMOでは、構造化データ、robots.txt、llms.txtといった技術施策もよく話題になります。
ただし、これらを入れること自体をLLMOの目的にしないことが重要です。
構造化データ
構造化データは、Webページ上の情報について機械が理解しやすい形で意味を明示するための仕組みです。
Article、Organization、Productなどを正しく実装することは、情報の整理という意味でも有用です。
一方、構造化データを追加しただけで生成AIに引用・推薦されることが保証されるわけではありません。
まず本文上に正しい情報が存在することが前提です。
robots.txt
robots.txtでは、クローラーによるサイトへのアクセスを制御できます。
ただし、AI関連クローラーは用途によって異なります。
たとえばOpenAIでは、検索結果への掲載に関連するOAI-SearchBotと、モデル改善に関連するGPTBotが区別されています。
「AIクローラー」という一括りで考えず、何のためのクローラーなのかを確認したうえで設定する必要があります。
llms.txt
llms.txtは、LLM向けにサイト内の重要な情報を整理して提示するために提案されている仕組みです。
ただし、現時点で主要なAIサービスに引用・推薦されるための公式な必須要件ではありません。
Googleも、AI機能向けに特別なAI用ファイルや専用のSchema.orgマークアップが必要とは案内していません。
そのため、LLMOを始める際に「llms.txtを作ること」から始める必要はありません。
まずは、公式情報、クロール可能性、コンテンツ内容、情報整合、AI回答の現状確認を優先する方が実務的です。
LLMO対策の効果はどう測る?
LLMOでは「引用数」だけをKPIにすると、重要な変化を見落とします。
たとえば、自社サイトの引用が増えても、ブランド自体が推薦されていなければ購買・検討への影響は限定的かもしれません。
反対に、引用リンクがなくても、自社ブランドが適切な候補として回答に出ている場合があります。
| 指標 | 確認すること |
|---|---|
| ブランド言及 | AI回答内に自社名・商品名が登場するか |
| 適合 | 自社が狙った文脈で適切に扱われているか |
| 参照 | 自社サイトが情報源として利用されているか |
| 対象URL参照 | 本来参照してほしいページが使われているか |
| 誤認識 | 事実と異なる説明がないか |
| 競合比較 | 競合と比べてどう説明・推薦されているか |
| AI経由流入 | AIからサイトへの直接流入があるか |
| CV | 問い合わせ・資料請求・購入などにつながっているか |
AI経由流入はGA4などで確認できます。
ただし、AIで商品を知ったユーザーが後からGoogleでブランド名を検索した場合、その訪問はAI経由流入として計測されません。
そのため、AI流入だけで成果を判断せず、AI回答上の変化と事業指標を分けて見ることが重要です。
GenviewはLLMO対策にも利用できる?
はい。
Genviewでは、ChatGPTやGeminiなど複数の生成AIについて、登録した質問に対する実際の回答を継続的に確認できます。
- 自社ブランドが言及されているか
- 自社に適した回答になっているか
- どのURLが参照されているか
- 登録した重要URLが参照されているか
- 自社について誤認識が発生していないか
つまり、単純に「引用されたか」を測るだけではなく、AIは自社をどう理解しているのか、理想のブランド認識と何が違うのかを確認し、改善につなげることができます。
GenviewではGEOを中心的な概念として扱っていますが、LLMOで重視されるブランド理解・回答内容・参照情報の確認にも利用できます。
詳しくはGenviewとはをご覧ください。
LLMO対策でよくある5つの失敗
1. 「LLMに学習させればいい」と考える
現在の生成AIは事前学習だけでなく、検索や外部情報取得を使って回答する場合があります。学習データに入ることだけを目的にすると、現在のAI回答で何が起きているのかを見落とします。
2. 引用だけを成果指標にする
引用されていても、自社が推薦されているとは限りません。ブランド言及、回答内容、参照URL、誤認識まで確認する必要があります。
3. 自社サイトだけを改善する
AIが第三者サイトを根拠としている場合、自社サイトだけを更新しても回答が変わらないことがあります。現在使われている情報源を確認してから施策を決めます。
4. 構造化データやllms.txtだけで対策しようとする
技術的な整備は重要ですが、それ自体がLLMOの成果を保証するものではありません。正しい情報、一次情報、ブランド認識、外部情報との整合などを含めて考える必要があります。
5. AI回答を一度確認して終わる
生成AIの回答や参照元は変化します。一度ブランドが適切に回答されたからといって、その状態が固定されるわけではありません。重要な質問は継続的に確認し、変化があれば再度GAPを確認します。
LLMO対策に関するよくある質問
まとめ
LLMO対策では、「AIに学習させるには何をすればよいか」と考えるより、まず現在のAIが自社をどう理解しているのかを見ることが重要です。
自社を何の会社として認識しているのか。商品・サービスを正しく説明しているのか。どの情報源を使っているのか。競合と比べたときにどう扱われているのか。誤認識はないのか。
そのうえで、次の順番で進めます。
理想のブランド認識を定義する → 現在のAI回答を見る → GAPを特定する → 必要な情報を改善する → 再度確認する
SEO、GEO、AEO、LLMOは、それぞれ定義や評価軸に違いがあります。ただし、公式情報の整理、一次情報、外部情報との整合、正確なコンテンツ、AI回答の継続確認など、実務で行う施策の多くは共通しています。
重要なのは用語ごとに施策を分断することではなく、ユーザーがAIに質問したとき、自社が正しく理解され、適切な候補として扱われる状態を作ることです。