AIに引用される会社の特徴とは?ChatGPT・Geminiで確認したい5つのポイント
著者:喜多 陽平 / Kita Yohei
公開日:
ChatGPTやGeminiなどの生成AI・AI検索では、企業の公式サイトだけでなく、比較サイト、メディア、第三者の記事などが回答の情報源として引用されることがあります。
では、AIに引用される会社やWebサイトには、どのような特徴があるのでしょうか。
結論からいうと、「この施策をすれば必ずAIに引用される」という単一の条件は確認されていません。
構造化データを入れる、一次情報を増やす、第三者メディアに掲載されるといった個別施策だけで、AI引用が増えると断定することもできません。
一方で、自社がAIにどう引用されているかを改善する際には、企業・サービス情報の明確さ、独自情報、第三者サイト上の情報、情報の取得しやすさ、発信主体や根拠など、確認しておきたいポイントがあります。
この記事では、AI引用そのものの定義ではなく、AIに引用される会社・サイトを確認するときの5つの特徴と、自社で確認したい改善ポイントに絞って解説します。
AI引用の意味や、参照・言及・推薦との違いについては、AI引用とは?言及・推薦との違いとAIが参照する情報源を解説をご覧ください。
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AIに引用される会社に「万能な条件」はない
AIに引用されるための条件は、Google検索のランキング要因のような形で明確に公開されているわけではありません。
また、AIサービスによって情報取得や回答生成の仕組みは異なります。
そのため、
- 構造化データを入れれば引用される
- 一次情報を作れば引用される
- 第三者メディアに掲載されれば引用される
- SEOで上位表示されればAIにも引用される
といった単純なルールで考えるのは適切ではありません。
Genviewでは2026年8月、15業界・450クエリを対象に、Google検索の上位10URLとChatGPT・Geminiが回答時に引用したURLを照合しました。
その結果、AI引用URLと同一クエリのGoogle上位10URLが重複していた割合は、次の通りでした。
| AI | Google上位10URLとの重複率 |
|---|---|
| ChatGPT | 13.9% |
| Gemini | 29.0% |
| 合算 | 25.0% |
今回の調査条件では、AI引用URLの75.0%が、同じクエリのGoogle上位10URLと重複していませんでした。
この結果は、SEO順位がAI引用を引き起こす、あるいは引き起こさないという因果関係を示すものではありません。
ただし、Google順位だけを確認しても、AIが実際にどの情報源を使っているかは把握しきれないことが分かります。
参考:SEO上位サイトはAIにも引用されるのか?15業界450クエリをChatGPT・Geminiで調査
そのうえで、自社の情報環境を確認するときに使えるのが、次の5つの観点です。
特徴① 企業・ブランド・サービスの関係が明確
1つ目は、「誰が、何を提供しているのか」が明確に確認できることです。
たとえば、
- 株式会社AがサービスBを運営している
- ブランドCの商品としてDが販売されている
- 商品EはシリーズFに属している
- サービスの運営主体が株式会社Gである
といった関係が、Webサイト上で一貫して確認できる状態です。
一方で、
- 会社名とブランド名の関係が分からない
- サービス名の表記がページによって異なる
- 運営会社が明記されていない
- 同じ商品に複数の呼び方がある
- 会社概要とサービスページの説明が一致していない
といった状態では、ユーザーだけでなく検索サービスやAIなどの機械システムにとっても、企業・ブランド・商品の関係を把握しにくくなります。
まずは、人が読んでも「この会社が何を提供しているのか」が分かる状態を作ることが基本です。
構造化データは、Organization、Person、Productなどを使ってページ上の情報を機械可読な形で補助できますが、構造化データを設定しただけでAI引用が増えるわけではありません。
ページ上に表示されている会社・サービス情報との一致が前提です。
AIが企業やブランドをどのように認識するかについては、AIに自社を正しく認識してもらうには?会社・ブランド情報を整える方法で詳しく解説しています。
特徴② 他では代替しにくい一次情報・独自情報がある
2つ目は、その会社だから公開できる情報を持っていることです。
Web上には、
- 「〇〇とは」
- 「〇〇のメリット」
- 「〇〇の選び方」
- 「〇〇のおすすめ」
といった一般的な解説が多数あります。
複数のサイトが同じ情報を説明できるテーマでは、情報源の候補も多くなります。
一方で、
- 独自調査
- 実測データ
- 導入事例
- 自社サービスの利用データ
- 顧客アンケート
- 商品固有の仕様
- 実験・検証結果
- 現場で得た実務知見
などは、自社だから公開できる情報になり得ます。
一次情報は、他では代替しにくい判断材料を作れる
たとえば、「SEO上位サイトはAIにも引用されるのか」という問いに対して、一般論だけでは実際の割合を示せません。
そこでGenviewでは、15業界・450クエリを実際に調査し、ChatGPT 13.9%、Gemini 29.0%、合算25.0%という重複率を算出しました。
これは、調査を実施しなければ存在しない情報です。
ただし、一次情報を公開すればAIに引用される、という意味ではありません。
一次情報の役割は、他のサイトでは代替しにくい事実や判断材料をWeb上に増やすことです。
また、数字だけを掲載すればよいわけでもありません。
独自調査を公開する場合は、
- 調査主体
- 対象
- 期間
- 母数
- 調査方法
- 集計方法
- 調査から言えること
- 調査だけでは言えないこと
まで確認できる状態にすると、第三者が情報の条件や根拠を判断しやすくなります。
一次情報の作り方については、一次情報とは?独自調査をコンテンツにする7ステップで詳しく解説しています。
特徴③ 自社サイト以外でも正確な情報を確認できる
3つ目は、自社についての情報が公式サイトだけに存在しているとは限らないことを理解することです。
AIがWeb上の情報を利用する場合、情報源は企業公式サイトだけではありません。
たとえば、
- 比較サイト
- ポータルサイト
- 業界メディア
- ニュースサイト
- レビューサイト
- 専門家の記事
などが回答の情報源になる場合があります。
Genview調査でも、公式サイト以外がAIに引用されている
Genviewの15業界450クエリ調査では、Google上位10位に登場したサイトを起点として、同じクエリでChatGPTまたはGeminiにも引用された割合をサイトタイプ別に集計しました。
| サイトタイプ | AI引用移行率 |
|---|---|
| 公式サイト | 48.2% |
| 比較サイト | 45.1% |
| メディア | 33.3% |
| アフィリエイトサイト | 31.9% |
| UGC・コミュニティ | 14.0% |
※AI引用移行率=同じクエリでGoogle上位10位かつAI引用ありとなった件数 ÷ Google上位10位に登場した件数
ここでいう48.2%は、「AI引用URLの48.2%が公式サイトだった」という意味ではありません。
Google上位10位に登場した公式サイトの「クエリ×ドメイン」のうち、同じクエリでAIにも引用された割合です。AIが引用した全URLを母集団にした構成比ではありません。
引用される情報源は業界によって異なる
さらに、AI引用移行率が最も高かったサイトタイプは業界によって異なりました。
今回の調査では、
- アパレル:公式サイト
- 食品・飲料:公式サイト
- 家電:公式サイト
- 医療:公式サイト
- 不動産:比較サイト
- 中古車:比較サイト
- SaaS:メディア
- 英会話:メディア
- 転職:アフィリエイトサイト
という違いが確認されています。
したがって、
「公式サイトだけ改善すればよい」
「比較サイトやメディアに掲載されればよい」
とも言えません。
自社の業界・重要クエリについて、AIが実際にどの情報源を利用しているかを確認することが先です。
公式サイトと比較サイトでは、引用のされ方にも違いがあった
同じGenview調査では、AIにも引用された公式サイトは、幅広い企業・ブランドのドメインに分散していました。
一方、比較サイトでは、一部の有力ドメインが複数の関連クエリで登場する傾向が確認されました。
| サイトタイプ | 業界×ドメイン数 | クエリ出現数 | 平均出現クエリ数 |
|---|---|---|---|
| 公式サイト | 721件 | 1,061件 | 約1.5 |
| 比較サイト | 128件 | 385件 | 約3.0 |
また調査時点では、SUUMOは不動産関連の14クエリ、HOME'Sは不動産・引っ越しの合計24クエリでAIにも引用されていました。
これは、比較サイトへ掲載すればAI引用が増えることを証明するデータではありません。
今回の調査時点で、一部の比較サイトが複数の関連クエリで繰り返し情報源になっていたという観察結果です。
参考:SEOで上位表示していても、AIには選ばれない——15業界450クエリで見えた「新常識」
第三者サイトでは「掲載数」より「情報の正確さ」を確認する
AIが利用している第三者サイトが分かったら、
- 自社が掲載されているか
- 企業名・商品名の表記は正しいか
- 価格やプランは最新か
- 商品・サービスの特徴は正しいか
- 対象ユーザーが正しく説明されているか
- 競合との比較内容に誤りがないか
を確認します。
目的は、外部サイトへの掲載数を増やすことではありません。
AIが実際に利用している情報源に、自社について誤った情報や古い情報がないかを把握することが重要です。
特徴④ 必要な情報を取得・理解しやすい
4つ目は、ページの中で必要な情報を見つけやすいことです。
たとえば、
- 見出しと本文の内容が対応している
- 質問への答えが見出し直後などで明確に示されている
- 定義・条件・数値の意味が分かる
- 比較内容が表で整理されている
- 複数項目は箇条書きで整理されている
- FAQで具体的な質問へ回答している
- 関連情報への内部リンクがある
といった構成です。
重要なのは、「AIに抜き出してもらうためだけの文章」を作ることではありません。
人が読んでも、何について答えているページなのか、必要な情報がどこにあるのかが分かる状態を作ることが基本です。
「AI専用コンテンツ」を作る必要はない
GoogleはAI OverviewsやAI Modeについて、従来のSEOの基本的なベストプラクティスが引き続き有効であり、AI機能向けだけの特別な最適化は必要ないと説明しています。
参考:Google Search Central「AI features and your website」
つまり、
- AI向けの特殊な文章形式に書き換える
- AI専用ページを大量に作る
- 特殊なschemaを入れればAIに選ばれる
といった発想ではなく、まず通常のWebページとして内容を明確にすることが重要です。
技術的に情報を取得できる状態も確認する
内容が分かりやすくても、Web上の情報として適切に取得できない状態では、検索サービスやAIが利用できる機会も限られます。
そのため、
- robots.txt
- XMLサイトマップ
- canonical
- クロール可能性
- 適切なHTML
- 構造化データ
などの技術基盤も確認対象です。
ただし、これらはAI引用を増やす「裏技」ではありません。
FAQや構造化データを設置すれば引用される、という因果関係も確認されていません。
Genviewでは、こうした技術項目をサイト診断で確認できます。
特徴⑤ 発信主体と情報の根拠を確認できる
5つ目は、誰が、どの根拠に基づいて発信している情報なのかを確認できることです。
たとえば、
- 運営会社
- 著者
- 著者プロフィール
- 専門分野・担当領域
- 公開日
- 情報の時点
- 調査主体
- 調査方法
- 引用元
- 参考資料
などです。
特に、
この数値はどこから出たのか
誰がこの見解を書いているのか
メーカー公式の情報なのか
調査結果なのか、筆者の解釈なのか
といった点を第三者が確認できる状態にします。
これはAIだけのための施策ではありません。
人がWeb上の情報を判断するときにも、「誰が」「何を根拠に」「どの時点で」発信したのかは重要です。
したがって、AI向けに権威性を演出するのではなく、情報の発信主体と根拠を実際に確認できる状態を作ることが基本になります。
5つの特徴は「AI引用のランキング要因」ではない
ここまで5つの特徴を紹介しました。
ただし、
この5つを満たせばAIに引用される、という意味ではありません。
引用元は、
- 質問内容
- 利用するAIサービス
- 回答時点
- 取得可能な情報
- クエリの意図
などによって変わります。
たとえば同じ企業でも、
「A社の料金はいくら?」
「初心者向けのおすすめサービスは?」
という質問では、回答に必要な情報が異なります。
また、Genviewの15業界450クエリ調査では、同じクエリのGoogle上位10位との重複率がChatGPTでは13.9%、Geminiでは29.0%と、AIによっても差が確認されました。
1つのAIだけを確認して、「AI検索全体ではこうなる」と判断することもできません。
この5つは、AI引用の必須条件ではなく、自社の情報環境を確認するときのチェックポイントとして使います。
自社では何から確認すればいい?
5つの項目を上から順番にすべて実施する必要はありません。
まず、自社がAI上で選ばれたい重要クエリを決め、そのクエリの実際の回答と情報源を確認することから始めます。
STEP1|重要クエリを決める
たとえばCRMサービスであれば、
- おすすめのCRMツールは?
- 中小企業向けのCRMは?
- A社とB社の違いは?
- CRMの料金を比較して
- EC向けCRMでおすすめは?
など、顧客が実際にAIへ尋ねそうな質問を対象にします。
STEP2|AI回答と引用元を確認する
次に、ChatGPTやGeminiなどで、
- 自社ブランドが言及されているか
- 自社サイトが引用されているか
- どの第三者サイトが引用されているか
- 競合がどのように説明されているか
- 自社について誤った説明がないか
を確認します。
AI回答の引用・言及状況をクエリ単位で継続して確認する方法については、Genviewのクエリ改善でも解説しています。
STEP3|引用元と自社の差分を5つの観点で確認する
実際の引用元が分かったら、本記事の5つの観点で自社との差分を確認します。
| 見つかった差分 | 改善候補 |
|---|---|
| 独自情報が少ない | 独自調査、事例、実測情報などを検討する |
| 第三者サイトの情報が古い | 掲載内容を確認し、可能な範囲で正しい情報へ更新する |
| 会社とサービスの関係が分かりにくい | 公式サイト上の企業・ブランド・サービス情報を整理する |
| ページ内で答えが見つけにくい | 見出し、表、FAQ、文章構造を整理する |
| 根拠が分かりにくい | 著者、調査条件、出典、情報の時点などを明示する |
つまり、GEO対策は、
「AIに引用される5つの施策を全部実行する」のではなく、実際のAI回答と引用元を確認し、自社に不足している部分から改善する
という進め方が基本です。
GEO対策全体の進め方については、GEO対策の始め方|初心者向けに5つのステップで実践方法を解説をご覧ください。
よくある質問
まとめ|「引用される条件」ではなく、自社の情報環境を確認する
AIに引用される会社やWebサイトについて、万能な条件や必勝法が確認されているわけではありません。
自社の状態を確認するときは、
- 企業・ブランド・サービスの関係が明確
- 他では代替しにくい一次情報・独自情報がある
- 自社サイト以外でも正確な情報を確認できる
- 必要な情報を取得・理解しやすい
- 発信主体と根拠を確認できる
という5つの観点が使えます。
ただし、これらをすべて実施すればAIに引用される、という意味ではありません。
実際のAI回答では、業界、AI、質問内容によって利用される情報源が変わります。
そのため企業が最初に行うべきなのは、「AIに引用される会社の一般論」をすべて実行することではなく、自社にとって重要なクエリで、実際にどの情報源が引用されているかを確認することです。
その結果から、
- 自社サイトに不足している情報
- 必要な一次情報
- 重要な第三者サイト
- 自社情報の不一致
- 情報構造上の課題
- 発信主体・根拠の不足
を特定し、優先順位を決めて改善します。
AI引用そのものの意味や、参照・言及・推薦との違いについては、AI引用とは?言及・推薦との違いとAIが参照する情報源を解説をご覧ください。
参考情報
公式情報
- Google Search Central「AI features and your website」
- Google Search Central「Creating helpful, reliable, people-first content」