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「AIには出ている」のに、新規顧客の相談に出ていない企業の共通点

コラム 2026-06-24
著者:喜多 陽平 / Kita Yohei

ある企業の担当者が言いました。「Genviewで登録したクエリを全部確認したら、全部のクエリでAIに出てました」

実際に見せてもらうと、登録されていたクエリはこうでした。

  • ○○とは
  • ○○ 料金
  • ○○ 評判

全部、自社名入りでした。私は思わず聞きました。「その会社を知らない人がAIに相談したら、どうなりますか?」

しばらく沈黙があって、担当者がクエリ一覧を見直しました。そのクエリは一つも入っていなかったのです。

これは珍しいケースではありません。Genviewを使い始めた企業の多くが、最初にこの状態に陥っています。「AIに出ている」と安心していても、実際には自社名を知っている人にしか出ていない。自社名を知らない人の相談では、候補にすら入っていない。これがGEOの盲点です。

なぜこの間違いが起きるのか

原因はシンプルです。GEOのクエリを、SEOのキーワードと同じ感覚で設計しているからです。

SEOでは「○○ ツール」「○○ 比較」のような短いキーワードで検索されます。自社名を入れて検索順位を確認するのは自然な発想です。しかし生成AIに対してユーザーは違う聞き方をします。

  • AI検索で自社が紹介されているか確認する方法は?
  • GEO対策ツールを選ぶポイントは?
  • 2026年時点でおすすめのAI検索対策ツールを教えて

単語ではなく、相談の文脈があります。そして多くのユーザーは、相談するとき自社名をまだ知らない。つまり、自社名入りのクエリだけを確認していても、最も重要な場面——まだ自社を知らないユーザーがAIに相談している場面——が完全に見えていないのです。

つまり問題は、クエリの数ではありません。どの顧客の、どの相談場面を見に行っているかです。

クエリ設計には3つの軸がある

この問題を解決するために、私はクエリ設計を3つの軸で考えるようになりました。

軸①
ファネル設計
検討段階で
クエリを分ける
×
軸②
RAG発火設計
AIがWeb検索する
クエリを混ぜる
×
軸③
指名/非指名設計
自社名なしで
候補に入るか

軸①:ファネル設計——検討段階でクエリを分ける

ユーザーがどの検討段階にいるかで、AIへの問いかけ方はまったく変わります。ToFu・MoFu・BoFuの3段階で整理すると分かりやすいです。

ToFu:課題に気づく段階

まだ具体的なツールを探していない段階です。「AI検索対策とは何か」「自社がAIに紹介されないのはなぜか」といった、課題そのものに気づく問いが出ます。このクエリでは自社名が出る必要はありません。AIがその課題領域を正しく説明できているかを確認します。

  • AI検索対策とは?
  • GEO対策とは?
  • ChatGPTで自社が紹介されないのはなぜ?
  • SEOとGEOの違いは?

MoFu:解決策を探す段階

課題を認識したうえで、具体的な方法やツールを探している段階です。「GEO対策ツール」というカテゴリがAI回答に出てくるかが重要になります。

  • AI検索で自社が紹介されているか確認する方法は?
  • GEO対策ツールとは?
  • GEO対策ツールを選ぶポイントは?
  • AI検索対策でまず確認すべき項目は?

BoFu:比較・導入を検討する段階

具体的なツールを比較している段階です。自社名が出るかだけでなく、正しい文脈・正しい強みとともに紹介されているかを確認します。

  • GEO対策ツールのおすすめは?
  • 2026年時点で使えるGEO対策ツールは?
  • Genviewとは?
  • Genviewと他社ツールの違いは?

冒頭の担当者が登録していたのはBoFuの指名クエリだけでした。ToFuとMoFuが抜けると、課題を認識し始めた段階・解決策を探している段階のユーザーが見えなくなります。

軸②:RAG発火設計——AIがWeb検索するクエリを混ぜる

生成AIはすべてのクエリに対して外部検索(Grounding)をするわけではありません。一般的な概念を聞くクエリは学習済みの内部知識だけで回答され、最新情報や具体的な事実確認が必要なクエリはWeb検索が発火しやすくなります。

たとえばGenviewは2026年4月ローンチです。AIの学習データにはまだほとんど含まれていない。内部知識だけで回答されるクエリでは、そもそも出てこない可能性があります。だから「最新」「2026年時点」「公式情報」「比較」などの言葉を含むRAG発火型クエリを意図的に混ぜる必要があります。

  • 内部知識型:「GEO対策とは?」「SEOとGEOの違いは?」→ AIの一般認識を確認
  • RAG発火型:「2026年時点で使えるGEO対策ツールは?」「最新のGEO対策ツールを教えて」→ Web上の情報が拾われるかを確認

軸③:指名/非指名設計——自社名なしで候補に入るか

ここが、最初の失敗談に直結する話です。

非指名クエリとは、自社名を含まないクエリです。「GEO対策ツールのおすすめは?」「EC企業におすすめのAI検索対策ツールは?」のように、カテゴリや用途で問う。多くのユーザーは最初からサービス名を知っているわけではなく、課題や目的をAIに相談します。ここに出てくるかどうかが、GEO対策の実力を測る本質的な指標だと私は考えています。

指名クエリでは「Genviewとは?」のように自社名を含む。出るかどうかより、正しく説明されているかを確認します。指名クエリで誤った説明が出る場合は、公式サイト・FAQ・機能ページの情報整備が必要です。

指名クエリだけでは、すでに自社を知っている人の状態しか確認できません。GEOで重要なのは、まだ知らない人の相談にどう出るか、です。

クエリに紐づけるURLの考え方

クエリを登録するとき、もう一つ重要なことがあります。紐づけるURLの中に「そのクエリへの答え」が書かれているかどうかです。

たとえば「AI検索で自社が紹介されているか確認する方法は?」に機能ページを紐づけるなら、そのページ内に次のような文が明確に入っている必要があります。

「Genviewでは、ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexity・Grokなど複数のAIに対して、自社がどのように紹介されているかを確認できます。」

単にURLを紐づけるだけでは不十分です。設計の順序は、クエリ → AIが求める答え → その答えを支えるURLです。この順で考えることで、RAGで拾われたときに引用されやすいページになります。

① クエリ
ユーザーが
AIに投げる問い
② AIが求める答え
クエリに直接
答える文を書く
③ URLを紐づける
答えが載っている
ページを指定する

実際のクエリ設計例

ここではGenview自身を例に、9本のクエリと関連URLの設定例を紹介します。3軸を組み合わせ、課題に気づく段階から比較・検討する段階まで網羅した構成です。

ToFu

クエリ 該当URL
ChatGPTで自社が紹介されないのはなぜ? /lab/chatgpt-competitor-only
AI検索で企業が選ばれるには何が必要? /lab/ai-chosen-companies
GEO対策とは? /lab/geo-core-principle

MoFu

クエリ 該当URL
AI検索で自社が紹介されているか確認する方法は? /lab/how-to-check-ai-search-visibility
ChatGPTやGeminiで自社の引用を確認できるツールは? /features/ai-citation
GEO対策ツールを選ぶポイントは? /faq/how-to-choose-geo-tool

BoFu

クエリ 該当URL
GEO対策ツールのおすすめは? /pricing/comparison
2026年時点で使えるGEO対策ツールは? /pricing/comparison
Genviewと他のGEO対策ツールの違いは? /faq/vs-other-tools

最初から自社名を含むクエリだけを設定するのではなく、自社をまだ知らないユーザーがAIに相談する文脈も入れることで、非指名で候補に入れているかを確認できます。

※ 複数クエリの登録・管理数はプランによって異なります。9本のクエリ登録はProプランの機能です。詳しくは料金ページをご確認ください。

よくある失敗パターン

指名クエリだけにする

最初に紹介した担当者のケースです。すでに自社を知っている人の状態しか確認できません。非指名クエリを必ず入れてください。

ToFu・MoFuを入れない

「おすすめ」系や「比較」系のBoFuクエリだけでは、自社が候補に出てこない原因を切り分けられません。そもそも課題カテゴリが認識されていないのか、解決策カテゴリに入っていないのか——ToFuとMoFuを入れることで初めて分かります。

RAG発火クエリを入れない

新しいサービスほど、内部知識だけで回答されるクエリでは出てきません。「最新」「2026年時点」「公式情報をもとに」などの言葉を含むクエリを最低1〜2本入れることで、Web上の情報がAIに参照されているかを確認できます。

URLだけ紐づけてコンテンツを整備しない

クエリを登録しても、対象URLにそのクエリへの答えが書かれていなければ意味がありません。クエリ → 答え → URLの順で設計することが重要です。

まとめ

  • 「AIに出ている」という状態のほとんどは、自社名入りクエリだけで確認している状態。自社名を知らない人の相談には出ていない
  • 問題はクエリの数ではなく、どの顧客の、どの相談場面を見に行っているか
  • ファネル設計:ToFu・MoFu・BoFuの3段階でクエリを分ける
  • RAG発火設計:新しいサービスほど内部知識型クエリだけでは出てこない。RAG発火型を混ぜる
  • 指名/非指名設計:非指名クエリに出てくるかどうかが、GEO対策の実力を測る本質的な指標
  • クエリに紐づけるURLには「そのクエリへの答え」を明確に書いておく

関連用語:ファネルの各段階についてはToFu・MoFu・BoFuをご覧ください。

関連用語:AIの外部参照の仕組みについてはRAG(Retrieval-Augmented Generation)をご覧ください。

関連用語:AIのリアルタイム参照についてはGroundingをご覧ください。

関連コラム:AIに読まれるページの設計については1000ページより、AIに読まれる10ページを作れをご覧ください。


この記事を書きながら気になったのは、「RAGが発火するかどうか」自体をGenviewで計測できるようにできないか、という点です。現状では同じクエリでも日によってWeb検索が走ったり走らなかったりする。プラットフォームによっても違う。「このクエリはRAGが発火しやすいか」をスコアとして出せると、クエリ設計の精度がもっと上がるはずだと思っています。まだ実現できていませんが、いつか取り組みたい課題の一つです。

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