ChatGPTで競合ばかり出てくるのはなぜ?共通していた3つの勘違いと、確かめ方
著者:喜多 陽平(Genview チームリーダー / 株式会社FID) 公開:2026-06-24
検索の順位で上にいても、ChatGPTが引用するサイトに入っているとは限りません。
「SEOも頑張ってるし、記事もたくさん書いているんです。でもChatGPTに聞くと、競合ばかり出てくるんですよね」
この相談は珍しくありません。Genviewの商談では、かなり高い頻度で出てきます。
その会社は、決して弱い会社ではありませんでした。SEOだけなら、競合より強いこともあります。それでもAIは競合を挙げる。話を聞いていくと、3つの勘違いが共通していました。この記事では、その3つと、この状態になったときに何を確かめればよいかを、弊社の調査のデータとあわせて整理します。
30秒でわかる結論
- AIが引用したURLのうち、同じ質問のSEO上位10位にもあったのは25.0%でした
- 同じ質問を6回聞いて、6回とも同じ名前が挙がった質問は、業界とAIによって32.1〜95.7%でした
- 質問に一言添えるだけで、AIのおすすめは120回中119回変わりましたが、その一言を決め手と説明したのは4割でした
- ChatGPTで競合ばかり出てくるときは、原因をAIに聞くのではなく、何回中何回か・どの質問か・競合がどの情報源で出ているかを確かめます
この記事で扱う範囲
よくある3つの勘違い/「競合ばかり」が毎回なのかの確かめ方/AIに理由を聞くときの注意/競合の情報源の見方(自社の情報の整え方は扱いません)
勘違い①:SEOを頑張れば、AIにも出る
SEOでの成功体験が、AIでは見落としにつながっています。
SEOでは「自社サイトを強くすれば、検索で評価される」という形が成り立っていました。だから多くの会社は、コンテンツを増やし、技術的なSEO対策を積み重ねてきた。それ自体は正しい投資でした。
ただ、AIが引用するサイトは、検索の上位とかなりずれます。弊社が15業界450問を ChatGPT と Gemini に聞いた調査では、AIが引用したURLのうち、同じ質問の Google 上位10位にもあったのは25.0%でした。「おすすめの〇〇は?」のような候補を聞く質問では、ChatGPT の引用で上位10位にもあったのは11.3%です(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答に登場(引用)したサイトは、Google検索の上位10位に表示されていたのか?」2026年8月)。
AIが引用するのは、自社サイトだけでもありません。5業界で30問を6回ずつ聞いた調査では、引用の中で一番多かったのは企業の自社サイトで、各回35.6〜60.0%でした。残りは、比較サイトやメディア、公的機関、利用者の投稿など、業界によって顔ぶれが違います(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTとGeminiが引用するサイトは、業界でこんなに違う」2026年9月)。
「うちはサイトを頑張っているのに」という会社ほど、この見落としにはまりやすいと感じています。SEOの順位と、AIの回答での出方は、別々に見る必要があります。
勘違い②:自社の強みは、もう伝わっている
これが、私が一番面白いと思っているところです。
営業の現場では「弊社は他社より導入支援が手厚くて」という説明が、毎日のように行われています。社内では有名な話で、お客さんにも伝わっている。だからWebに書かなくても大丈夫、と思ってしまいがちです。
でも、AIはその会話を聞いていません。
営業担当の頭の中にある強みも、社内の常識も、AIは知りません。AIが読めるのは、公開されている情報だけです。どれだけ独自の強みがあっても、Webのどこにも書かれていなければ、AIはそれを材料にできません。「当たり前すぎて書いていなかった」ことほど、AIには届いていないのだと思います。
競合がよく挙がる質問では、競合が公開している説明と、自社の公開ページを並べてみてください。誰向けか、何が得意か、どんな条件で使えるか。競合が書いていて、自社が書いていないことが見つかるはずです。自社の情報の整え方は、AIに自社を正しく認識(言及・推薦)してもらうには?会社・ブランド情報を整える方法で解説しています。
勘違い③:自社名で聞いて出ていれば十分
会社名で聞いたら出る。製品名で聞いたら出る。だから安心、という状態です。
自社名を入れて聞けば、その会社の話が返ってくるのは自然なことです。一方で、AIに相談する人の多くは、相談する時点では、まだ自社の名前を知りません。「おすすめを教えて」「〇〇に使えるツールは?」のような、自社名の入らない質問から始まります。
「競合ばかり出てくる」と感じるのも、たいていはこちらの質問です。自社名の入らない質問をどう選ぶかは、GEO対策のクエリ設計とは?自社名なしで候補に入っているかを確かめる3つの軸で解説しています。
「競合ばかり」が毎回なのかを、何回中何回で確かめる
ここからは、この状態になったときに確かめることです。まず、競合ばかり出てくるのが、毎回なのかどうか。
AIの回答は、同じ質問でも毎回変わります。弊社が6業界で各30問を ChatGPT と Gemini に6回ずつ聞いた調査では、名前が挙がった質問のうち、6回とも同じ名前が挙がった質問は、業界とAIによって32.1〜95.7%でした。1回しか登場しない名前も、質問と名前の組の10.5〜43.7%ありました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答は毎回違う。それでも同じ企業名は毎回言及される」2026年9月)。
毎回出る会社と、出たり出なかったりする会社では、動き方も違います。同じ題材を4通りの聞き方で聞いた実験では、毎回言及される会社は、どの聞き方でも9割前後で出ていました。出たり出なかったりする会社は、同じ質問を聞き直しただけで44.2%が入れ替わっています(出典:株式会社FID/Genview「AIへの聞き方で出てくる会社は変わるのか」2026年9月)。
競合の名前が6回とも挙がる質問と、自社の名前が出たり消えたりする質問を、同じ回数で並べてみる。自社がどちらの側にいるかは、そこで初めて見えてきます。1回聞いて「競合ばかり」だったときは、同じ質問を何度か聞き直してから判断します。
AIに「なぜ競合なのか」を聞いても、判断の理由が返るとは限らない
競合ばかり出てくると、AIに「なぜその会社をおすすめしたの?」と聞きたくなります。聞けば、AIはもっともらしい理由を答えてくれます。
その説明が、AIが実際に選んだ理由とは限りません。弊社の実験では、化粧品のおすすめを聞く質問に「知り合いの皮膚科医が勧めていた」と一言添えるだけで、AIのおすすめは120回中119回、その商品に変わりました。それでも、選んだ理由を聞いたとき、その一言を「決め手」と説明したのは4割でした(出典:株式会社FID/Genview「AIに「その回答の根拠は?」と聞いても、返ってくるのは判断の根拠とは限らない」2026年9月)。
AIの説明は、判断の記録ではありません。なぜ競合が選ばれたのかは、AIに聞くのではなく、外から確かめられることで見ます。次の節の、引用元です。
競合が、どの情報源をもとに挙がっているかを見る
競合が挙がった回答では、回答と一緒に出る参考リンクを記録します。競合の自社サイトなのか、比較サイトやメディアなのか。同じ質問で、自社のページは引用されているのか。
AIによって、名前と引用のそろい方は違います。4業界で各30問を6回ずつ聞いた調査で、名前が出た回答のうち、その会社のサイトも引用されていた割合は、ChatGPT では6ブランドとも85.5%以上でした。Gemini では0.0〜79.8%と、ブランドによって大きく開いています(出典:株式会社FID/Genview「AIが会社名を出すとき、見ているのは自社サイトとは限らない」2026年9月)。
ChatGPT で競合が挙がるときは、競合の自社サイトが一緒に引用されていることが多いと考えられます。Gemini では、競合の名前が、第三者のサイトをもとに挙がっている場合があります。どちらのAIで「競合ばかり」なのかによって、見に行く先が変わります。
名前・説明・引用元を、AIの回答のどこでどう見るかは、AI検索で自社が出ているか確認する方法|名前・説明・引用元の見方にまとめています。
よくある質問
Q ChatGPTで競合ばかり出てくるのはなぜですか?
理由は1つに決められません。Genviewの商談でこの相談をいただく会社には、「SEOを頑張ればAIにも出る」「強みはもう伝わっている」「自社名で出ていれば十分」という3つの勘違いが共通していました。まず、同じ質問を何度か聞いて、競合ばかりなのが毎回なのかを確かめます。そのうえで、どの質問で出ていないのか、競合がどの情報源をもとに挙がっているのかを見ます。
Q SEOで上位にいるのに、ChatGPTで出てこないのはなぜですか?
弊社の15業界450問の調査では、AIが引用したURLのうち、同じ質問のSEO上位10位にもあったのは25.0%でした。「おすすめの〇〇は?」の質問では、ChatGPT で11.3%です。検索の順位が高いことと、AIの回答で引用されることは、別々に確かめます。
Q ChatGPTに「なぜ競合をおすすめしたの?」と聞けば、理由は分かりますか?
答えは返ってきますが、実際に選んだ理由とは限りません。質問に一言添えるだけでおすすめが120回中119回変わった実験でも、その一言を決め手と説明したのは4割でした。理由を知りたいときは、回答と一緒に出た参考リンクと、何回中何回出たかを見ます。
Q 自社名で聞くと出てくるのに、「おすすめは?」では出てきません。どう考えればよいですか?
自社名を入れた質問で自社の話が返ってくるのは、自然なことです。自社を知らない人の相談で候補に入っているかは、自社名を入れない質問で確かめます。「おすすめは?」で出てこないときは、同じ質問を何度か聞いて、何回中何回出るか、代わりにどの会社が、どの情報源をもとに挙がっているかを記録します。
まとめ
ChatGPTで競合ばかり出てくる会社は、弱い会社とは限りません。SEOの順位とAIの引用は別で、社内で知られている強みも、公開されていなければAIには届きません。自社名で出ていても、自社を知らない人の相談で出ているとは限りません。
この状態になったら、AIに理由を聞く前に、同じ質問を何度か聞いて、何回中何回かを数えます。競合の名前が6回とも挙がる質問はどれか。その回答で、どのサイトが引用されているか。そこまで見れば、何を直すかを考える材料がそろいます。