著者:喜多 陽平(Genview チームリーダー / 株式会社FID) 公開:2026-06-24

AIの回答に自社の名前が出ていても、自社のサイトが引用されているとは限りません。

「ChatGPTで自社名を聞いたら、ちゃんと出てきました。だから大丈夫ですよね」。商談で、こう聞かれることがあります。

自社名を入れて聞けば、その会社の話が返ってくるのは自然なことです。知りたいのは、その先だと思っています。自社を知らない人が相談したときに名前が挙がるか。挙がったとき、何の会社として説明されているか。その説明は、どのサイトの情報をもとにしているか。

この3つは、同じ回答の中でも別々にずれます。そこで、この記事では、AIの回答のどこを見ればよいかを「名前・説明・引用元」の3つに分けて整理しました。弊社が ChatGPT と Gemini に同じ質問を繰り返し聞いた調査の数字も添えています。

30秒でわかる結論

  • 同じ質問を6回聞いて、6回とも同じ名前が挙がった質問は、業界とAIによって32.1〜95.7%でした
  • Gemini がキュレルの名前を出した62回答のうち、キュレルのページも引用していたのは3回答でした
  • AIに根拠のURLを聞き直しても、最初の回答と同じURLが返ったのは、Gemini で2%でした
  • AI検索で自社が出ているかは、名前・説明・引用元の3つを分けて、同じ質問を何度か聞いて確かめます

この記事で扱う範囲

確かめる前に決めること/名前・説明・引用元の見方/ChatGPTとGeminiの見え方の違い/結果の残し方(名前が出るようにする方法や、引用の仕組みは扱いません)

確かめる前に、質問・AI・回数を決める

AIを開いて思いつくまま聞くと、あとで比べられません。先に3つだけ決めておきます。

  1. 1

    質問:自社名を入れない相談も入れる

    「〇〇とは?」のような自社名入りの質問だけだと、自社を知らない人の相談で候補に入っているかが見えません。「(自社のカテゴリ)のおすすめは?」「(自社が解決する課題)を解決する方法は?」のような質問を混ぜます。

  2. 2

    AI:まず ChatGPT と Gemini

    この記事の数字は、この2つで観測したものです。Perplexity・Claude・Grok は、自社のお客様が使っていそうなら足します。

  3. 3

    回数:同じ質問を、何度か聞く

    AIの回答は、同じ質問でも毎回変わります。1回で判断せず、同じ条件で繰り返します。ログインの有無や、Web検索のオン・オフでも回答が変わるので、条件もそろえます。

質問の選び方はGEO対策のクエリ設計とは?自社名なしで候補に入っているかを確かめる3つの軸で、確かめた結果をどの指標で追うかはGEO対策のKPIで解説しています。

名前の見方:自社の名前が、何回中何回挙がったか

最初に見るのは、回答に自社の名前が出たかどうかです。GEO対策では、これを「言及」と呼びます。見るところは4つです。

  • 名前が出たか(自社名を入れない質問で)
  • 同じ質問を何回聞いて、何回出たか
  • 何番目に、どの会社と並んで出たか
  • どの質問では出て、どの質問では出なかったか

回数を数えるのは、1回の結果では「毎回出ない」のか「その回はたまたま出なかった」のかが分からないからです。弊社が6業界で各30問を ChatGPT と Gemini に6回ずつ聞いた調査では、名前が挙がった質問のうち、6回とも同じ名前が挙がった質問は、業界とAIによって32.1〜95.7%でした。1回しか登場しない名前も、質問と名前の組の10.5〜43.7%ありました(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答は毎回違う。それでも同じ企業名は毎回言及される」2026年9月)。

毎回出る会社と、出たり出なかったりする会社では、動き方も違います。同じ題材を4通りの聞き方で聞いた実験では、毎回出る会社はどの聞き方でも9割前後で出ていました。出たり出なかったりする会社は、同じ質問を聞き直しただけで44.2%、聞き方を変えると52.3%が入れ替わっています(出典:株式会社FID/Genview「AIへの聞き方で出てくる会社は変わるのか」2026年9月)。

自社がどちらに近いかは、何度か聞いてみないと分かりません。1回出なかったときは、出たり出なかったりする側にいるのかもしれない、と考えて聞き直します。

説明の見方:自社が何の会社として説明されているか

名前が出ていても、説明がずれていることがあります。回答の中で、自社がどう書かれているかを読みます。

  • 何の会社・サービスとして説明されているか
  • 誰向けと書かれているか
  • 古い料金や、なくなった機能が書かれていないか
  • 名前の似た別の会社と混ざっていないか

比べる相手がないと、ずれに気づけません。「AIにこう説明してほしい」という文を、先に自社で決めておきます。決め方はAIに自社をどう答えてほしいか?GEO対策を始める前に決める「理想のAI回答」にまとめています。

説明は、日によって行き来することもあります。弊社が2026年8月1日に料金と機能を変えたあと、「Genviewとはどんなサービスですか?」を2週間聞き続けた観察です。Gemini は8月5日に新しい料金で答えたあと、8月6日には前の説明に戻り、種苗業界向けの別のサービス「GenVIEW」と混同しました。8月7日には混同がなくなっています。ChatGPT は8月6日に新しい機能名へ切り替わり、Claude では、この期間に主な説明の更新は確認できませんでした(出典:株式会社FID/Genview「AIの回答はいつ最新になる?自社の機能・価格変更を2週間観測してみた」2026年8月)。質問1つで確かめた観察です。

説明のずれを見つけたら、その回答がどのサイトを引用していたかも一緒に残しておきます。どこから来た説明なのかを探す手がかりになります。名前が出ない・説明がずれるときに整えることは、AIに自社を正しく認識(言及・推薦)してもらうには?会社・ブランド情報を整える方法で解説しています。

GEO・AI検索のご相談。自社サイトの構造や情報設計、無料で相談してみませんか? 無料相談はこちら

引用元の見方:その回答は、どのサイトの情報をもとにしているか

3つ目は、回答の下や横に出る参考リンクです。AIがどのサイトのどのページを参照したかが分かります。GEO対策では、これを「引用」と呼びます。

AIの回答1つの中で、名前・説明・引用元を見る場所 AIの回答の見本に、名前(言及)・説明・引用元の3か所を示した図。名前は出たか・何番目か・誰と並んだか、説明は何の会社・誰向けと書かれたか、引用元はどのサイトのどのページかを見る。社名とサイト名は架空。 質問:EC向けのCRMツールのおすすめは? おすすめは次の3つです。 1. A社のツール 2. 自社のサービス 3. B社のツール 自社のサービスは、中小企業向けのメール配信ツールです。 参考:比較サイトA / 業界メディアB / 自社のブログ 回答の見本(社名とサイト名は架空) ① 名前(言及) 出たか・何番目か・誰と並んだか ② 説明 何の会社・誰向けと書かれたか ③ 引用元 どのサイトの、どのページか
同じ回答の中に、名前・説明・引用元の3か所があります。この見本では、名前は挙がっていても、説明は自社が決めた説明と違い、自社のサイトは引用されていません(社名とサイト名は架空)。

見るところは3つです。自社のサイトが引用されているか。されているなら、どのページか。されていないなら、代わりにどのサイトが引用されているか。

名前と引用は、分けて数えます。4業界で各30問を6回ずつ聞いた調査で、Gemini がキュレルの名前を出したのは62回答、そのうちキュレルのページも引用していたのは3回答でした(出典:株式会社FID/Genview「AIが会社名を出すとき、見ているのは自社サイトとは限らない」2026年9月)。名前が出たことだけを見て「自社のサイトが読まれている」と受け取ると、実際とずれます。

引用元は、最初の回答の画面に出た参考リンクで記録します。あとからAIに「根拠のURLは?」と聞き直しても、同じものが返るとは限らないからです。聞き直して出てきたURLのうち、最初の回答の画面にも出ていたものは、ChatGPT で39%、Perplexity で15%、Gemini で2%でした(出典:株式会社FID/Genview「AIに「その回答の根拠は?」と聞いても、返ってくるのは判断の根拠とは限らない」2026年9月)。

AIがどんなサイトを引用しやすいか、その仕組みはAI引用とは?AIに引用される仕組みと、引用元になりやすい情報源を15業界の調査で解説で扱っています。

ChatGPTとGeminiでは、名前と引用元の出方が違う

同じ質問を同じ回数聞いても、ChatGPT と Gemini では、名前と引用元の出方が違いました。弊社の調査で見えた違いを、表にまとめます。

弊社の調査で観測した、ChatGPT と Gemini の違い(各調査の条件は出典の記事を参照)

見たこと ChatGPT Gemini
名前が出た回答のうち、その会社のサイトも引用された割合(4業界の6ブランド) 6ブランドとも85.5%以上 0.0〜79.8%
6回とも同じサイトが引用された質問のうち、ページまで6回とも同じだった質問(会計ソフト) 22問中3問 22問中18問
根拠のURLを聞き直したとき、最初の回答の画面にも出ていたURL 39% 2%

2行目は、同じサイトが毎回引用されたときに、ページまで同じだったかを数えたものです。ChatGPT は同じサイトの別のページを引用し、Gemini は同じページを引用し続けていました(出典:株式会社FID/Genview「ChatGPTは同じサイトの別のページを引用します。Geminiは同じページを引用し続けます」2026年9月)。

ChatGPT で名前とサイトがそろって出ていても、Gemini で同じとは限りません。1つのAIで確かめた結果を、ほかのAIに当てはめずに、AIごとに分けて記録します。

ほかの3つについて、弊社にあるのは少ない回数の観察です。Perplexity は、2026年6月に質問2つで試したとき、どちらの質問にも引用元を表示していました(出典:株式会社FID/Genview「AIは質問によって検索しているのか?」2026年6月)。Claude は、上の2週間の観察で、主な説明の更新を確認できませんでした。Grok は、次の節で紹介する記録があります。どれも数え上げた調査ではないので、傾向としては読まないでください。

確かめた結果を、あとで比べられる形で残す

確かめた結果は、スクリーンショットだけでなく、次の項目を表にして残します。来月もう一度聞いたとき、何が変わったのかを比べられるようにするためです。

  • 聞いた日時と、使ったAI(プラン、ログインの有無、Web検索の設定)
  • 質問の文(一字も変えずに)
  • 名前が出たか、何番目か、並んだ会社
  • 自社についての説明の文(そのまま写す)
  • 参考リンクのURL

気づいたことは、起きたことと、その理由について自分が考えたことを分けて書きます。私は Grok で、自分のXアカウントが検索語ごとに表示されるかを確かめたとき、同じ人物について調べているのに「AI検索最適化」と「GEO」で結果が違うことに気づきました。その記録の書き方はAI検索の検証結果のまとめ方で解説しています。

ここまでを手で続けると、手間はかなり大きくなります。30問を2つのAIに毎日聞くと、1か月でおよそ1,800回答です。1回確かめるだけなら手作業で足ります。毎月の変化を追うなら、記録の仕組みを先に決めておきます。

よくある質問

Q AI検索で自社が出ているかは、どう確かめればよいですか?

A

自社名を入れない質問を含めて、ChatGPT や Gemini に同じ質問を何度か聞き、名前・説明・引用元の3つを分けて見ます。名前は何回中何回出たか、説明は自社が決めた説明と合っているか、引用元は自社のサイトのどのページが参照されたかを記録します。AIによって出方が違うので、AIごとに分けて残します。

Q ChatGPTで自社名を聞いて出てきたら、AI検索への対策はできていると考えてよいですか?

A

それだけでは分かりません。自社名を入れた質問では、その会社の話が返ってくるのが自然です。自社を知らない人が「(カテゴリ)のおすすめは?」と相談したときに名前が挙がるか、そのときの説明が正しいか、Gemini など別のAIでも同じかを、あわせて確かめます。

Q AIに「どこを参考にしたの?」と聞けば、引用元は分かりますか?

A

弊社の実験では、根拠のURLを聞き直して出てきたURLのうち、最初の回答の画面にも出ていたものは Gemini で2%、ChatGPT で39%でした。聞き直して返ってくるURLは、最初の回答で参照したものと同じとは限りません。引用元は、最初の回答の画面に出た参考リンクで記録します。

Q 1回聞いて自社の名前が出てこなかったら、AIに知られていないということですか?

A

1回では決められません。同じ質問を6回聞いた弊社の調査では、1回しか登場しない名前が、質問と名前の組の10.5〜43.7%ありました。出たり出なかったりする会社もあるので、同じ条件で何度か聞き、何回中何回出たかで見ます。

まとめ

AI検索で自社が出ているかは、名前・説明・引用元の3つに分けて確かめます。名前が出ていても、説明がずれていたり、自社のサイトが引用されていなかったりします。Gemini では、キュレルの名前が出た62回答のうち、キュレルのページが引用されたのは3回答でした。

質問・AI・回数を決めて、同じ条件で何度か聞き、AIごとに分けて記録する。そこまでが「確かめる」の範囲です。確かめたあとの進め方は、GEO対策の始め方で解説しています。

この記事を書いた人

喜多 陽平 / Kita Yohei

Genview チームリーダー / 株式会社FID

株式会社FIDにて、CRMツール「MOTENASU」および侍カートの営業・マーケティングを担当。海外のGEO・AI検索に関する最新情報をいち早くキャッチし、日本語で整理・発信することを得意としています。

GEOはまだ国内に一次情報が少ない領域です。海外のレポートや調査を正確に読み解き、日本のビジネス文脈で使えるかたちに届けることが、喜多の役割です。

専門領域:海外GEO・AI検索動向のリサーチ / SaaS・CRMツールの営業・マーケティング / 海外情報の翻訳・整理・発信

プロフィール / note / X / LinkedIn

あわせて読む

Genview のご案内

名前・説明・引用元を、毎日・同じ条件で確かめ続けるのは、手作業では続けにくい作業です。Genview は、登録した質問を毎日 ChatGPT と Gemini に聞き、名前が出たか、どう説明されたか、どのURLが引用されたかを、AIごとに記録して見られるようにしています。Claude・Perplexity・Grok は、オプションで追加できます。

確かめた結果から何を直すかまで一緒に考えたい方には、コンサルプラン(戦略策定・改善提案・運営代行)をご用意しています。

GEO・AI検索のご相談。自社サイトの構造や情報設計、無料で相談してみませんか? 無料相談はこちら